今まで参加したポルノグラフィティのライブセットリストまとめ【最新→BE】

完全に自分用備忘録です。印象に残った曲や出来事など一言メモとして添えています。

「自分が見た公演」の内容なので、DVD等に収録されているセットリストとは若干異なるものがあります。また、あくまで今まで自分が行ったものしか記録していないので、各ロマンスポルノ、やってきたのBパターン、∠TARGETの様々なパターン、そしてパ、パノラマ42……などは載っていません……

 

(見出しのタイトルクリックでジャンプ)

 

 

 

     RE・BODY(ポカリスエットのシールを集めて当たる抽選ペアチケット全国1500名)

 2006.10.30 Zepp Sapporo

 

Name is man~君の味方~

サボテン

フィルムズ

朱いオレンジ

アゲハ蝶

INNERVISIONS

Devil in Angel

Winding Road

デッサン#1

リビドー

メリッサ

まほろば◯△

Century Lovers

PRIME

ミュージック・アワー

ハネウマライダー

EN Swing

   愛が呼ぶほうへ

   ジレンマ

 

メモ:初めてのライブ。整理番号100番台。物凄く緊張しておなかが痛くなった。昭仁が口にポカリを含んで客席にそのままかけたので手を洗わなかった。晴一が足をステージ外にちょっと出したら後ろから人が殺到して圧死した。晴一がズボンを少し下ろしてカルバン・クラインのオレンジ色のパンツが見えた。Davil in Angelでメチャクチャ変な歌詞間違いをしていた。

良かった曲:デッサン#1の長い長い間奏と、カッ!!と光るフラッシュのような真っ白なライトがカッコ良かった。まほろば○△。リビドー。PRIME。INNERVISIONSのイントロアレンジがカッコ良かった

今見るとヤバセトリすぎてもう一回行きたい

 

  OPEN MUSIC CABINET

2007.6.3  真駒内セキスイハイムアイスアリーナ

 

m-NAVI1

ハネウマライダー

オレ、天使

Devil in Angel

BLUE SKY

アポロ

BLUE SNOW

ヴォイス

休日

Winding Road

サウダージ

Mr.ジェロニモ

m-FLOOD

PRISON MANSION

横浜リリー

DON'T CALL ME CRAZY

Century Lovers

(メドレー)

 NaNaNa サマーガール~NaNaNa ウィンターガール

メリッサ

アゲハ蝶

グラヴィティ

EN ウェンディの薄い文字

   ライン

   ジレンマ

 

メモ:後にも先にもアリーナツアーは現時点でこの時だけ。正直ダンスは蛇足だと思ったけど曲が派手なの多くてとても楽しかった。シルビア聴きたかったけどよく考えたらライブハウス向きだったからかも。

良かった曲:DON'T CALL~はやっぱりカッコよすぎる。オレ、天使のツアー用ナレがなんか好きだった。ラインも良かった。この頃はアンコでしっとりさせる→ジレンマの流れだったけどひたすらテンアゲさせて帰る方がすき

 

  ポルノグラフィティがやってきた 

2008.1.7 Zepp Sapporo

 

(OP)ロックバンドがやってきた

Please say yes,yes,yes

メリッサ

Light and Shadow

リンク

ミュージック・アワー(ver.ビタスイ)

農夫と赤いスカーフ

ウォーカー

そらいろ

鉄槌

空蝉

鯨(カバー)

My80's

ネオメロドラマティック

ジョバイロ

ROLL

ハネウマライダー

マシンガントーク

ベアーズ

EN あなたがここにいたら

   ジレンマ

 

メモ:シンプルな構成で良かった。ライブハウス4Daysという贅沢すぎる日程、今だったら全部行ってたな……。

昭仁が結婚直後のタイミングで、最後の最後客がお祝いムードになってしまいびっくりしてたけど嬉しそうに見えた……けど今となっては迷惑だったのではと、思い出すと胸が痛む

良かった曲:ROLL(泣いた)、リンク(泣いた)、鉄槌(こわかった)。あと晴一が歌詞提供したBuzyの鯨、キーまで思い出せるくらい印象に残ってる。良かった。鯨、そしてFiarlifeのモンスターがDVD未収録なのは本当に勿体ない。

全体的にバンド感が強くて演奏の迫力がすごかった

 

    FUNCLUB UNDERWORLD  3

2008.11.13 Zepp Sapporo

 

学園天国(フィンガーファイブ)

ツッパリ High School Rock'n Roll(横浜銀蠅

卒業写真(松任谷由美

ビタースイート

ギフト

A New Day

約束の朝

Love,too Death,too

Century Lovers

ネオメロドラマティック

EN 今宵、月が見えずとも

    Please say yes,yes,yes

 

メモ:初めて参加したファンイベ。学ランのコスプレでクイズ大会などほっこり盛り上がる感じで楽しかった。

良かった曲:卒業写真のカバーは良かった。ビタスイの記憶が全くないのが悔やまれるがカッコ良かったにちがいない

 

    ロイヤル ストレート フラッシュ

2009.4.3 北海道立総合体育センター きたえーる

 

今宵、月が見えずとも

ギフト

メリッサ

リンク

サボテン

リビドー

東京ランドスケープ

Love,too Death,too

月飼い

ROLL

ハート

あなたがここにいたら

Didgedili

(メドレー)

DON'T CALL ME CRAZY~ジョバイロ愛が呼ぶほうへ~アゲハ蝶~アポロ~ミュージック・アワー

Century Lovers

空想科学少年

ハネウマライダー

Mugen

ネオメロドラマティック

シスター

EN ダイアリー00/08/26

  Please say yes,yes,yes

  ジレンマ

 

メモ:10周年。既存曲のアレンジがオシャレでカッコ良かった。月飼いと空想科学少年で爆上がりした記憶。しかし東京では月飼い→蝙蝠と聞いて血涙を流した(どっちも同じくらい好き)

良かった曲:月飼い。空想科学少年。

 

    ∠TARGET

2010.6.30 さっぽろ芸術文化の館(ニトリ文化)

 

∠RECEIVER

アニマロッサ

Go Steady Go!

Mugen

IN THE DARK

瞳の奥をのぞかせて

Rainbow

邪険にしないで(北海道Ver.)

この胸を、愛を射よ

クリシェ

光の矢

ロスト

今宵、月が見えずとも

MONSTER

ネオメロドラマティック

ネガポジ

ミュージック・アワー

ギフト~∠RECEIVER

EN メリッサ

   ハネウマライダー

 

メモ:ジレンマやんなかったわ?!ってなって親に報告したら「飽きたんじゃない?」って言われてその時実は本当に本人たちが飽きていたという話

コーレスやるならネガポジよりセンラバだなぁ……とぼんやり考えていた

良かった曲:∠RECEIVER、ロスト、MONSTER、アニマロッサ

 

    ラヴ・E・メール・フロム・1999

2013.12.22 北海道立総合体育センター きたえーる

 

青春花道

ミュージック・アワー

オレ、天使

ヒトリノ夜

エピキュリアン

サウダージ

東京デスティニー

ルーズ

愛が呼ぶほうへ

瞬く星の下で(アコースティック)

サボテン

ラック

音のない森

夕陽と星空と僕

(メドレー)

Mugen~君は100%~ギフト~あなたがここにいたらLove,too Death,too~Before Century~幸せについて本気出して考えてみた~Mugen

アゲハ蝶

Let's go to the answer

メリッサ

ハネウマライダー

ひとひら

アポロ

EN Hard Days,Holy Night

   Sweet Home Sapporo(ブルース・ブラザーズ「Sweet Home Chicago」のカバー、ご当地替え歌)

   ジレンマ

 

メモ:15周年。事情があり久しぶりのライブ。青春花道が一曲目だったのがすぐ忘れられて良かったと思った。曲が新→古になっていく演出はわかってても感動した。締めのアポロで上からクレーン使って出てきたのはテンション上がったしなんか面白かった。アンコジレンマに戻してくれてありがとうと私は思った。アンコのカバーも珍しくてこういうのもいいなぁと思った

良かった曲:ルーズ、ラック、夕陽と星空と僕ひとひら、アポロ、愛が呼ぶほうへ(号泣した)

やっぱりラックとか渦とかゴリゴリのロック曲どんどんやってほしい、カッコいいから

 

  The dice are cast

2015.11.5、6 ニトリ文化ホール

 

ANGRY BIRD

俺たちのセレブレーション

Stand Alone

空が青すぎて

ソーシャルESCAPE

ポストマン

ジョバイロ

螺旋

ミステーロ

バベルの風

AGAIN

メリッサ

wataridori

瞳の奥をのぞかせて

サウダージ

Century Lovers

Good luck to you

Mugen

Ohhh!!! HANABI

オー!リバル

EN デザイア

   ジレンマ

 

メモ:演出が色々とスタイリッシュで良かった。サイが動くのはやっぱり興奮した。オープニングからのANGRY BIRDが一生見てられるくらい好きだった。瞳の~はアレンジも何もかもが素晴らしかった。アンコの「そんなに名前を呼んであなたたちはなんて欲深いの!」→「デザイア」の流れが好きだった(映像入りせず)。

良かった曲:ANGRY BIRD、瞳の奥をのぞかせてwataridori、AGAIN、オー!リバル

 

 

  FUNCLUB UNDERWORLD 5

Zepp Sapporo

 

Jazz up

Century Lovers

ヒトリノ夜(インディーズ歌詞)

ライオン

憂色~Love is you~

Heart Beat

マシンガントーク

デッサン#1

アポロ

ラビュー・ラビュー

ジレンマ(Lap 昭仁)

リビドー

ロマンチスト・エゴイスト

 

メモ:ファンイベ。ロマンチスト・エゴイスト再現ライブとかいう約束された勝利。良くないはずがなかった。良くないはずがなかったが、想像を越えていた。ありがとうポルノグラフィティ

Jazz upは焼き鳥のネタ、憂色はキー下げ

良かった曲:全て

 

   BUTTERFLY EFFECT

2017.11.23 釧路市民文化会館 25、26 ニトリ文化ホール

(2018.2.9)山梨

 

夜間飛行

Montage(→LiAR)

真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

ワールド☆サタデーグラフティー

ダリア

ネオメロドラマティック(→リンク)

メリッサ

Working men blues

170827-28

君の愛読書がケルアックだった件

クリスマスのHide & Seek(→MICROWAVE)

カゲボウシ

月飼い

Part time love affair

Fade away

ギフト(→Rainbow)

Rainbow(→ギフト)

THE DAY

ハネウマライダー

キング&クイーン

EN ミュージック・アワー(→カメレオン・レンズ)

   ジレンマ

 

 メモ:他の趣味などにうつつを抜かしていた私をビンタする勢いで引き戻したおそらく今後語り継がれるであろう良セトリ、良演出、良演奏。生まれてきて良かった

良かった曲:捨て曲はないが、強いていうなら夜間飛行、MICROWAVE、月飼い、Part time love affair、Fade away、THE DAY 

【ライブレポ】ポルノグラフィティ15thライブサーキット BUTTERFLY EFFECT 感想【後編】

後編です。前編はこちら

 

参加公演
2017.11.23 釧路市民文化ホール
2017.11.25、26 札幌ニトリ文化ホール

3公演まとめての内容になります。 

 

 

 

昭仁の弾き語りが終わり、晴一が重く暗いセッションの中で散文詩のような言葉たちを語り出す。

 

午前5時に反転したものは

夜と朝 本当とウソ

海底から見上げた魚は空を飛んでいて

空から見下ろした鳥は海を泳いでいる

夜の本当は朝のウソ

午前5時に反転したものは

一瞬と永遠 沈黙と静寂

二人黙った時間を「沈黙」とよび

一人黙った時間を「静寂」とよぶ

一瞬の沈黙と永遠の静寂

午前5時に反転したものは

午前5時に反転したものは

 

加わるギターソロ。

 

新藤晴一は基本「発信したい」人だ。

ライブのMCでも、今回だとアルバムのコンセプト説明や、これからのポルノのあり方などを、代弁者として語るのは晴一だし、ツイッターもやっているし、ラジオのレギュラーも続いているし、昔は自らテキストサイトを運営、ブログの開設などもしていた。雑誌の連載はエッセイ的な本になっているし、小説も書く。いつでも自己表現の場を欠かさない。

 

その新藤晴一が、いざライブでコーナーを持つとなると、一言も「おしゃべり」をせずに、己の紡いだ言葉とギターセッションのみでこちらに勝負を仕掛けてきた。この潔さ、多くを語らずとも俺を感じてもらおうじゃないかという、表現者としてのプライドに圧倒された。

 

私の好きな新藤晴一の要素がここにある。「えへへ…こんなんできましたけど…」ではなく「おら!!!!!聴け!!!」という、こういうクリエイターとしてポジティブな自信がある所。それが結果として万が一不評であろうが、持てる駒の中から全力で選び抜いたものを全力で出す。 それなのに全力であることを感じさせない様に普段は飄々と振る舞っているのが新藤晴一という男の魅力と私は思う。

 

 

 

一体何が始まる……?と誰しもがまだ思っているなぁと感じていた。

 

「本当とウソ」みたいなフレーズでLiARかなとか思ったけど、ヘソ(ポルノのライブにある雰囲気の転換も兼ねた大きな見せ場)でやるか?と思ったり、「午前5時」でグァバジュースもよぎったけどまず無いだろうなってくらいの、重く陰鬱とした空気。

 

何が来るのか予想がつかないまま、セッションの高まりがピークになり一瞬の間が生まれた時、

 

 

 

 

 

 

 

「月を飼うのと 真夜中に」

 

 

 

 

 

 

 

 

M12 月飼い

 

 

???!?!?!??!??!?!??!?!??

 

え………

 

普通に1回目の時の記憶ない。嬉しかったのかびっくりしたのかも覚えてない。

 

かなりの衝撃だった……そこそこライブは足を運んでるけど衝撃ベスト3には余裕で入る。

 

実はtasukuさんがセッションの間、裏でずっとイントロのリフを弾いていたと後から気付いたけど、始めは全く気付かなかった。

こんなにヤバいアレンジでこの曲を持ってくるなんて……。

 

曲としては、原曲の浮遊感は若干減ってバンドサウンドが前面に出ている感じ。この曲の好きなところって、終始続く「食い違い感」なんだけど、その雰囲気はそのままで。明るいけど切なく。悲しいけど、どこかふわっとしてて、現実だけど空想みたいな。

 

アウトロのごちゃごちゃしてて気持ちがどっか別の所にトリップしそうなぐわーーーーーって迫ってくる感じが最高だった。

 

最初のサビからバーーーッと展開していくのも気持ちよかったし、こんだけ愛されてるとわかっているものを大きく崩して、今までと全く違う魅せ方をしてくるのにやられた。やられまくった。

 

この「月飼い」という曲は、シングルのカップリングにも関わらずファンからは根強い人気があって、いわゆる「隠れ名曲」みたいな扱いで、そうなっているのも本人たちは知っているはずだし、それをヘソにあえて持ってくるというのはちょっとだけ「月飼いはレアであってほしい」自分が顔を出した。

 

でも、今後全てのライブに行けるわけでもないだろうから、ツアーでこうして出し惜しみしないで聴かせてくれるっていうのは、本当にありがたい。しかもあんなにカッコいいアレンジで。

 

ポルノのライブにはほぼ必ず、転換も兼ねた大きな見せ場、通称「ヘソ」がある。

今回のヘソの基本的な演出案は十中八九、新藤晴一だろう。

ギタリストという立ち位置ゆえ、きちんと設けられたMC以外では発言しないものの、独特の世界観を持ち、ポルノの活動におけるストーリーを生み出しているのは この新藤晴一という男の存在が大きい。

そしてそのストーリーに声で色をつけているのが昭仁で、言わばポルノグラフィティは、全く別の2つの個性、2つの才能が融合したバンド。作画と原作、バクマンの亜城木夢叶、あしたのジョー高森朝雄ちばてつや、チーズがトマトを、トマトがチーズを引き立てるッ!!そんな関係なのである。

 

(ここからファンからの目線が強い余談が続きます。次の曲は ↓ マークまでスクロール)

 

今回のツアーに関して、晴一が雑誌で、これまでのライブとは少し違ったものになりそうですか?という問いかけに対して

「そうなると思います。ポルノのライブを何度か観てもらった人はわかりやすいと思うけど、今までのライブでやってきたことをもう少し延長線上で推し進めてみるものになると思う。ポルノの世界観を、より作れないかなと思っている」

という発言をしていた。なおかつ、「ツアー1本の大きさの意味を考える」とも言っていた。

 

「月飼いはいいぞ」と、ポルノのファンなら1度は周りに勧めたことがあるであろうこの曲(自分調べ)、そのせいもあってか札幌1日目に一緒に行った母と妹は「聴けてよかった~~!!」と大絶賛していた。

また、メリッサのカップリングということもあり、「このCDだけ買ったことあるから好き」という人もよく見かける。

長らくのファンからはサプライズ的に喜ばれ、そんなに大ファンというわけでもない人にもウケがいい。最高のチョイスだったと思う。

 

私はこの月飼いで今回の意図がガチッと伝わった。

おそらく、ツアー1本の意味を考えるという意味の答えの一部はここにあるだろう。

 

しかしまだまだ、「ポルノの世界観」は続いていくのであった。

 

 

↓  ↓  ↓ 

 

M13 Part time love affair

 

この曲をここで……!!シングルのカップリングなのによくぞ捻じ込んでくれたと思う。いわゆるポルノの「ダーク」な部分に突入。

 

しかし、もう中盤を超えたというのに声の調子がすこぶる良い!!

今までで一番、疲労を感じさせないパワー。そしてパワーがあるのに、滲み出る色気。

あんまり軽率にこういう言葉を使うのは好きじゃないけど本当にセクシーだった~~~~~なんだあれ。

そして昭仁のブルースハープ!!!!

久しぶりに見た……あれは良いものだ………。私大好きなんです。昭仁がハーモニカ吹いてる姿。

しかも、原曲だと合いの手で入ってるのはトランペットなんですよ。でも、自分はあんまり音源のトランペットの音が好きじゃなくて……ちょっとオッサンな音作りすぎるというか。好みではなくて。

だからこっちの方が断然好き。早くDVDほしい。

もうめっちゃくちゃカッコ良かった。これ映像に入らなかったらマジで咽び泣く(とこの時懸念していた)。今回色々と挑戦しているのでセトリどう変わるのか全く予想がつかないけどこれは変わらずであってほしい。

 

 

 

M14 Fade away

 

Part time~になった時に闇ゾーンだとは分かっていたので「なるほどな」って感じの曲順。

いやーーーーーーーこれはライブで聴けて本当に良かった曲。重厚感のある演奏と、昭仁のまさに「咽び泣く」様な歌い方が、CDでは絶対に得られないものになっていて、何回音源を聴きなおしても「ライブで聴きてぇ~~~~~!!!!!」になる。

 

今回のライブは本当に音作りが好きすぎた。Part time~のトランペット→ブルースハープへの変更もそうだけど、バンドの域を出すぎず、ポップになりすぎないけど満足感のある作りになっていて、「バンドで出せる音でどこまでできるか」っていうことを突き詰めているように感じた。ダリアが異様にカッコよく聴こえたのも多分そのせい。あのギターソロが完全にCD音源食ってた。

 

ポルノのライブって、ある程度完成されているものを観に行ってるから、ほぼ満足して毎回終わるけど、行くとやっぱり「ああCDとは違うな」って思えるのが大きい。もちろん良い意味で。歌が上手い上手いって言うけど、やっぱり生で聴いたときの声の厚みが違うから体で感じてほしいんだよな。

 

あと今回のアルバムでは、昭仁の声が格段に「おや?」と思うくらい新しい色がついていて、それが「艶」。特にこの「Fade away」では、具体的に明示されているわけではないけど「女性の歌かな?」って思わせるくらい声が色っぽくて、なのに力強くて、ぐっと芯が詰まってて折れなさそうな感じがする。だけど色っぽさっていうのは「繊細さ」にも通ずるところがあって、それがこの曲の不安感とか、目に見えない者への怯えを表しているような気がする。メチャクチャよかった。

 

 

M15 ギフト

 

テーーーンテーーーーンテーーーーーン…………という繋ぎのリフが入り、

昭「今日は、皆さんに色んな色のポルノを見てもらえたと思います!ここからは!!皆さんに!!希望の歌を届けたいと思います!!」

一気に救いのゾーンへ。MCなしのノンストップで、ああ、もう終わりに近づいているんだなと感じる。

 

ギフトは改めて名曲だなと気付かされた。ただあのクソデカ歌詞テロップはやっぱりダサい。

札幌2日目は号泣してしまった……大人になってからの方がより切なく感じる。もちろん自分が当時学生だった頃とか、今の若い子にとってもアンセムになりえる歌詞なんだけど、大人の今聴くと「まだまだやれることがあるはずなのに」と思わせてくれる。

ポルノの、こういう明るいジャンルで最も好きかもしれない。

 

晴一詞ってのが良いんだよね。最後まで「心さえ軽やかに行けたら……」って、行けない、行きたいっていうそのもどかしさ、あともう半歩!みたいな所が未完成さを醸し出していて、この自問自答感がたまらない……。

そして晴一さん、コーラスがんばって!

 

 

M17 Rainbow

 

イントロなしなのでスッと入ってくる。ライトがパステルカラーで、絵の具を水に垂らしたような淡い映像が綺麗だった。

Rainbowはなぜかまた?って思ってしまったけど最後に聴いたの2010年だった。あれ。

希望の歌って感じにしては意外と厳しいこと言ってたりするこの曲。だからあんまり聴けないのかも……。

まぁライブで聴いたらやっぱり楽しかったけどね。

 

 

 

M18 THE DAY

 

この曲が「希望の曲」としてカウントされているの、メチャクチャ熱くないですか?そこがまずカッコ良かった。そこに入れるかポルノ。熱い。

 

昭「君たちが!!!今いるその場所から、もう一歩踏み出したいと思うなら!!!今日が、今日が『その日』になるように、その1歩を踏み出せる日にしてください!!!『THE DAY』!!!!!」

 

お、岡野昭仁~~~~~~~!!!!!!!!

いやもう本当にこの前振り曲がわかっても最高すぎた。「その日」にね……グッと来ますよね……

 

この消費カロリーが高そうな曲を後半にやっても、まぁ~声の衰えないこと。今回は本当にスゲーーー!!!!ってなった。息継ぎしにくいハイトーンだよ。すごいな。

 

この曲の良かったところはなんと言っても、あのドドドヤバい間奏でしょう。ギターソロのアレンジと昭仁のかけあい。

まず晴一が通常ギターソロの部分でデレレデレレデレレ……とやり始めた時点でもう大興奮。

 

 

デレレデレレデレレデレレ………

 

デーンデーンデーンデーーーン!!!

「アァーーーーーオ!!!!!!!」

 

え?!?!?昭仁のシャウトが綺麗すぎる!!!!!!今回、こんなに「シャウト芸」みたいなのやり出したの初めてみたし、圧倒された。新たな武器を手に入れましたよ感満載で、大盤振る舞い。今までギターソロはギターソロで晴一の時間って感じだったけど、こういうのもいいな………

二人ともめちゃくちゃカッコ良くて毛穴ぶちあいた。

 

 

 

M19 ハネウマライダー

 

大興奮の所に畳み掛けられてもうハイ状態。タオルまわしましたわ。もうこの曲は、とにかく飛んで跳ねてタオルまわして叫んで、た、楽し~~~~!!!!ってなるしかない。

昭「他の誰かといや!!!ここにいる君たちと~~~~!!!!!」

これを聴くと本当に、ああ来て良かったな~~~って思う。釧路では昭仁が興奮しすぎて「触れ合った瞬間に、歯車が回るんじゃあ~~~~~!!!!!」とか言い出して、いや千鳥かよ!!になってゲラゲラ笑ってしまった。楽しいんですとにかく。

 

 

 

M20 キング&クイーン

本公演、本編のラストナンバー。

ポルノの「陽」の曲(そして作詞:岡野昭仁)の中でも、ちょっと振り切れ過ぎててけっこう好き嫌いが分かれている印象のあるこの曲。だけど、私はライブのラストナンバーとしては、ものすごく相応しい曲じゃないかと思う。

 

昭「強さとは!己自身を、何度でも信じられること!!」

 

曲の前振りでも、歌詞を引用して言っていたこの言葉のように、多分岡野昭仁という人が、こういう生き方をしてきたから書ける、そしてポルノグラフィティが、自分たちのやり方を信じてきたからこそ、この最高のライブになったんだろうし、そう思うと、ずっと続けてきてくれてありがとう、最高のステージをありがとう!!という気持ちになれた。

 

「また次の一歩を刻む いつでも挑戦者でいよう」

 

正直こんなベッタベタの歌詞は岡野昭仁でも稀ってくらいなんだけど、こんだけ売れても有名になっても、たくさんのファンがいても、なお挑戦を続ける、「最新が最高」であり続けるポルノだからこそ堂々と言える、そんな気がした。

 

明るくて開放的なメロディーが勇気づけてくれる。最後のコーラスは「もっと!もっと!」っと煽られ、会場の熱気はこれ以上ないくらいピークに達していく。「ええね!君たち最高だよ!!」

パーン!!と飛び出す特効銀テープ………な、何も書いてねぇ無地!!!!不満があるとしたらこれだけです!!!でもいい!!!最高!!!!ポルノ最高!!!!!

 

ステージ画面に大きく映った虹色の蝶。その蝶が羽ばたいて、光を放っている。その羽ばたきが、我々に小さな風を、バタフライエフェクトを起こしていく。

やがて蝶は光の粒になり、その光の粒が「BUTTERFLY EFFECT」という文字を作った。

 

 

最後のアウトロが終わり、本編が幕を閉じた。

ステージメンバーが笑顔で捌けていく。

 

 

 

程なくして、アンコールを求めるコールが響く。相変わらずアホみたいにダサいコールだな……と思いつつ、こんなに全力でアンコールを求めたのはいつぶりだろうかと思うくらい、必死でコールした。 

 

 

「アンコールありがと~~~~~~!!!!!」

メンバーがそれぞれお決まりのツアーTシャツで出てくる。

(アルバムロゴTが異様に多かった。そっちが売れてないんだなと思った)

 

昭「君らがそんなに卑猥なカタカナ3文字を連呼するけぇ………やるしかないじゃろ!!」

といういつものやつ。

 

昭「今日はいっぱい歌ったね!いっぱいウォーウォー言うたね!ワイパーもいっぱいやったね!!でもまだ、やっとらんことがあるじゃろう!!」

 

なんだ!!

 

昭「まだまだ行けますか!!!行けるんか!!!!!それじゃあ皆で!!!変な踊りいくぞ~~~~~~~!!!!!!!」

 

JOPG FM~~~~~♪

 

UN1 ミュージック・アワー

アンコでミューアワはね、気が狂うしかない。いや書くことないな……楽しいんだよ。とにかく楽しい。もうあんだけ飛んだり跳ねたりしたけど全力で踊るしかない。

釧路で「決して離さなければ」の裏声部分がどうやら出なかったらしく、無理やり地声のキーで歌い通してたのが衝撃というか、そこ地声で出るの??!?!って思った。

 

 

曲が終わり、名残惜しくもツアーの本当の終わりが近づいてくる。

昭「ここで、メンバー紹介をしたいと思います!」

全然触れていなかったが、ポルノは2人バンド故、頼れるサポートメンバーと共にツアーを回っている。多少の入れ替えはあったりするものの、いつも大体同じメンバーで、ファンからもメンバー同様に愛されているなじみ深いメンツ。

ベースの野崎森男さん、そのお兄さんでドラムの野崎真助さん、北海道出身のキーボード宗本康兵さん、今回から参加の、ギターやらその他色々やってくれるtasukuさん、そして1番の古株、マニュピレート(もうとにかく色々、裏の立役者)nang-chang。

 

昭「最後に、でっかい声で名前を呼んであげてください!オンギターーーー!!」

\はるいち~~~~~!!!/

昭「オーーーーンギターーーー!!!!」

\はるいち~~~~~!!!/

昭「ギター、新藤、はーるいち~~~~~~~!!!!!!」

 

晴「……わしらも長いことやってきて、デビューしたての頃は、周りが可能性に満ちていた。可能性の大地……みたいなとこに立っとったわけで。それが今はもう、だいぶ端の方まで来てしまっている。例えるならこう……スタートが函館で、今は納沙布岬まで来てしまっとって、ロシア見えるかの~?みたいな…(非常にわかりやすい)。でもね、そこから、どう進むか、まだまだやれることがあるんじゃないかって考える。そういうこともまだまだ考えながら、これからもやって行きたいと思います!!」

 

晴「最後に~、ボーカルのことも呼んでやってくださ~い。ボーカルは~?」

\あきひと~~~~~~~!!!!/

晴「ボーカルは~~~~」

\あきひと~~~~~~~!!!!!!/

晴「ボーカル~、おかの~、あきひとく~~~ん!」 ←これすき

昭「ありがとうございますっ!!!!!!」

 

昭「最後!!みなさん!!アホになって帰りましょう!!!ジ!レンマ~~~~~!!!!!」

 

UN2 ジレンマ

ラスト1曲はお決まり中のお決まり、ジレンマ…だが…

ヤバいジレンマなんてそうそう聴けないのに釧路のジレンマヤバかった。

「教えてあげませーーーーーーん!!!!」のところがまさかの「教えて、あげませェェェェェェァ!!!!!!」みたいな、高音シャウトでぶちかましてきた。何?!その余力?!あんなん初めて聴いた。最後の最後まで、見せつけてくるわ……

ソロ回しもみんなメチャクチャカッコ良かった!!!!nang-changが客席に電子テルミン?みたいなのを弾かせてたのは羨ましかった。笑 そしてそれを見てがっつり下ネタを言う岡野昭仁。ここでは自粛します。ジレンマはもう大体なんでもあり。

ギター2本でガンガンやりあうのカッコ良かったわ~~~tasukuさんまた来てほしい。

晴一は札幌からソロ時に背ギターを披露。盛り上げるね!!

あとは、跳んで叫んで歌って、汗だくになりました。

 

曲が終わって最後の最後、フィナーレの花火のように打ち鳴らす演奏と共に、昭仁が叫ぶ。

 

昭「あんたらは!!!!!!最高じゃ!!!!!!!ほんまにほんまに!!!!!!!!最高じゃ!!!!!!!!」

 

昭「自信持っていけ~~~!!!!!!!!胸張っていけ~~~!!!!!!!!」

 

この「自信持っていけ  胸張っていけ」は、昭仁が必ず、ライブの最後に送ってくれるエール。

これを聞くと、私は生きていることを丸ごと肯定されているかのような、非常にポジティブな、前向きな気持ちになれるのだ。

 

ポルノのライブは、本当に色々な曲、色々なカラーがある。

 

だけど最後には、こうして誰もが勇気と自信を持って、幸せな気持ちになれる。そういう場所だと思っている。

 

☆最後の生声挨拶

釧路

晴「15年も待たせて、ごめんね~~~!!またすぐ来るからね~~~!!」

昭「15年前と、そんなに変わってないんだぞ!って感じで!張り切ってやりました~~~!!また来るから、遊びに来てねーーー!!!」

 

札幌①

晴「雪の上は、こう、上から一歩一歩踏みしめて……(なぜか雪の上の歩行レクチャー)…(笑)。すべるけぇ気を付けるんじゃー!また来るけぇね!」

昭「(晴一が)言うように、滑るけぇ!気を付けて帰りよ~~!!」

 

札幌②

晴「また、ちょくちょく来ます。(すまし顔)

昭「少し早いけどー!!札幌に来るのは今年最後ということで。今年も1年ありがとう!!!また来年も、がんばりまーーーす!!!」

 

一応ここまでが、ライブの感想となります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。ライブに行った人には、少しでも共感、そして、行っていない、そもそもファンじゃない人には、少しでもこんなに楽しいんだぞ!っていうのが伝わればと思います。

 

セットリストをまとめておきます。

M1  夜間飛行

M2  Montage

M3  真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

M4  ワールド☆サタデーグラフティー

M5  ダリア

M6  ネオメロドラマティック

M7  メリッサ

M8  Working men blues

M9  170828-29

M10 君の愛読書がケルアックだった件

M11 クリスマスのHide & Seek

M12 カゲボウシ

M13 月飼い

M14 Part time love affair

M15 Fade away

M16 ギフト

M17 Rainbow

M18 THE DAY

M19 ハネウマライダー

M20 キング&クイーン

 

EN1 ミュージック・アワー

EN2 ジレンマ

 

 

以下は、私がファンとして今回のライブに感じたことです。お時間があれば。

 

 

☆ライブを見終えて

今回は3公演(下書きを書いた時点で)観終わったあとで確信したことがあって、それは「今までのライブと確実に何かが違うぞ」ということ。

 

始めは、何がどう違うのか、具体的に表現することができなくて、でも絶対今までと同じ「あー楽しかった!」だけでは終われないことは確かだった。

 

もちろん今まで行ったライブは全部楽しかったし、プロのクオリティを聴かせてもらっているから文句とかは無く、毎回来てよかったと思ってるってのは前提としてあるんだけど。単純な楽しさというよりも、「なんか、ヤバいもん見たな」っていう得体の知れない感情があった。

 

まず今回のライブには「無駄が無いな」と思った。全く無かった。皆無。全公演なかった。あっという間に終わったかって言われるとそうでもなくて、なんていうか、めっちゃぎっしりしたハンバーグを食べてるのに飽きないみたいな。ポルノグラフィティという元々めちゃくちゃ美味しいハンバーグに、ここチーズ乗ってる!とかここおろしポン酢でスッキリ!サラダもある!やっぱデミグラスだよね!みたいな。飽きの来ない工夫が随所にされている感じ。

 

しかもそれが、チョコ乗せちゃお!みたいなものすごく奇をてらった物ではなく、今までのポルノでも十分やりそうなことではあったんだよ。映像とか詞とか、弾き語りじゃないけどアコースティックセッションとかはやってたし。

それがもっと、よりこっちの興味を引き出す仕掛けが散りばめられているように感じられて。

 

それに、ほんとにものすごく偉そうな言い方をすると、サウンド面での工夫のされ方がすごくて。バンドの音でどこまでできるか、そして今までの曲と今の曲、そのバランスをどう取るか。

 

サウンドっていうのは、楽器だけじゃなくて、ボーカルも含めて。

雑誌のインタビューで本人も散々言っていたように、特に昭仁は、えっ?!ってくらいの気合いとレベルアップを感じた。ファン心理からすると、昭仁レベルのボーカリストに対して「レベルアップ」なんて言い方はおこがましいにも程があるけど、声が枯れない(しかも絶好調のまま)とか、抜きの表現とか、ロングトーンとか、シャウトの多用とか、「レベルアップしてきたよ、どう?」って見せられたら、「本当にすごい」としか思えなかった。

 

あえて一人の時間を設けて、おまけにトークタイムまでついて、「ホールが昭仁の出す音だけに包まれる空間を作る」ってことが本当に考えられていて、それだけの自信と誇りを持って出してきたんだなと。手拍子が起こらない曲をチョイスしたのも、「声」の話をすることで「聴く」ことにシフトさせることも、今考えれば意図的だったんだと思うし、そしてそれは次のコーナーに惹き込むための階段でもあったわけで。

 

打って変わってダークで詩的な世界観が広がって、「あ、これは晴一の時間なんだ」って、ファンなら一瞬でわかるあの感じ。

昭仁がいなくなっても疑問は抱かなかった。あれは完全に新藤晴一が支配していたところに連れていかれたから。

そして月飼いが始まって、ポルノグラフィティに戻る。2人が揃ってポルノグラフィティ

しかも月飼いというチョイスに、もう裏切られた気持ちにすらなる。ここまで見て、「つまんないな」って思える人なかなかいないと思う。

 

このコーナーに苦言とも言えるまでの不満を抱いているファンの人もちらほら見かけた。

だけど私は逆に、これは「ポルノグラフィティであるために必要な時間」だったと思っていたので、特に気にはならなかったのが本音。

ものすごく現実的なことを言ってしまえば、体力的にもう若年というくくりから抜けた以上、お互い適度な休憩にもなっていたんだと思うし、それを挟むことでまた気力体力が満ちたパフォーマンスができるならそれでいいじゃないかとも思う。いや今後のツアーで全く同じことをやられたらさすがにあれだけど。

ただ、私はこれは意図的に設けられていた時間だと思ったし、「見てくれ!」というパワーを感じた。

ポルノグラフィティの世界観をメインとして作るのが晴一。それを声で表現し続ける昭仁。

その二人が、お互いの武器で勝負をしかけてきたあとに、融合して更に進化する。ニクい仕掛けだなと思った。

 

終わってみれば、本当にセットリストも前半ですら変更の余地がないくらいに感じられて、でもツアーの中で変化していくことを感じさせるような。

意表を突くバラード始まり。「ラテン抜き」という挑戦。新旧織り交ぜて、昔の曲も今の曲も、全部いいと思えるような、新しい顔をのぞかせつつ、広く認知されている曲はさらにクオリティを高く。

 

これはポルノグラフィティの進化だ。素直にそう思った。

 

だけど晴一はラジオで「(セットリストを)どんどん良くしていく」とは言っていたけど、おそらくそれは「最初だから悪い」って意味ではもちろんなくて、「最初から良いけど」って意味だと思う。

こんなに、好きになった頃のように夢中になれた生活の中心まで心を戻してくれたライブを観れたのは初めてだし、本当に深い海から顔を出して久しぶりに太陽を見た、息をした、酸素を肺に入れた、みたいな気持ちになった。

そんな衝撃と感動が今回のライブにはあった。

それを確かめるために、後半のライブに行かなきゃいけないと強く感じる(行きました)。

 

ありがとう、ポルノグラフィティ

 

最後の最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。

 

 

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【ライブレポ】ポルノグラフィティ 15thライブサーキット BUTTERFLY EFFECT 感想 【前編】

メチャクチャ今更ですが、ポルノグラフィティ15thライブサーキット「BUTTERFLY EFFECT」、前半セットリストの感想です。本当はツアー参戦後すぐ、このブログを始める前に別のところで書き終えたものに加筆する形で書いているので、ほぼ参戦後のフレッシュな状態のまま放出することになります。後半のライブにも参加しましたが、別記事にするのでこの時点で予想で終わっていることもあります。

参加公演
2017.11.23 釧路市民文化ホール
2017.11.25、26 札幌ニトリ文化ホール

3公演まとめての内容になります。初回の参加となった釧路公演は嬉しくも自分の誕生日だったので情緒がおかしくなっている部分もありますが許してください。今回のツアーはヤバかった。とりあえずめちゃくちゃヤバかったということだけでも伝えたい。

☆OP演出
今回のステージは、舞台の手前に5枚の幕が下りていて、待機時間はそこに終始映像が流れていた。待っている人が口々に言っていたけど、なんか「オシャレ」だった。
プロペラ機みたいな小型の「飛行機」が隊列を組んで曲芸飛行したり、ツアーで回る箇所のアルファベットを点と○でつないでいったり(北海道はまとめてだったので「H」)、静かでシックな雰囲気だけど、何回見てても飽きなかった。


いよいよ始まりの時、客電が落ちて座っていた人が一斉に立ち上がる。

テレレレ、という、アコースティックギターのジングルが聞こえる。映像も変化し、どこか外国の飛行場のような場所で、人々が旅立ちの準備をしているような映像が流れる。


そして、メンバーのシルエット(まだ映像)が現れたり消えたりして、ゆっくりと歩く動きを見せる。

そして、ステージ端から、2人の男性のシルエットがゆっくりゆっくり歩いてくる映像が流れる。

その映像は、真ん中と、少し右に寄った場所に止まり………奥にいる、本物の人間のシルエットが浮かび上がり、ぴたりと重なる。

歓声が聞こえた。いよいよ始まる!期待の1曲目。








…………ポロン………………







M1 夜間飛行

ピアノの音から始まったこの1曲目。
一瞬、「予想外………!」とでも言いたげな、感嘆のため息が客席から起こる。
アッパーチューンでパーン!と始まらず、まさかまさかまさかのバラード。
この時ステージにはまだ幕が降りていて、2人の姿はまだ影でしか把握できない。

そんなおぼろげな姿から聴こえてくる歌声は確かに昭仁のもので、私はいきなりボロッボロに泣いた。何もかもが美しすぎた。

ものすごく良かった。良すぎた。聴こえてくる音も照明も全部が綺麗だった。
幕には水の泡のような映像が流れていて、淡いピンクの照明と相俟って、まるでアクアリウムの中にいるようだった。

そしてやっと気づいた。飛行機。空港。OP映像から始まっていた……このライブ自体が、一夜限りの「夜間飛行」。

札幌2日目で気付いたんだけど、映像で使われているアコギのメロディーが一部夜間飛行のイントロに酷似していた。アレンジだったのか……

予想外すぎる選曲に圧倒されてもう何も言えなかった。




M2 Montage

バラードが静かに終わり、メンバーはまだ何も言わない。

すると、まだ下りていた幕に、カシャ!カシャ!カシャ!というカメラのシャッター音と共に、2人の顔がコラージュされた写真が映り、イントロが始まると同時に幕が上がりようやくステージの全貌が見え始める。

この幕は、前述のとおり縦長の物が5枚あって、ロールスクリーンのようにそれぞれ違う高さにできるようで、この後も何回か演出で上がったり下がったりしていた。
5枚のスクリーンの後ろにバンドメンバーがいて、その後ろにまたバックスクリーンがあるという構成。

この時は、今までのアルバムジャケットやアー写がコラージュされたような映像が終始流れていて、サポメンの写真も混ざっていて粋だった。
foo?の時のバイオリンを弾いている写真が好きなので久しぶりに見てテンション上がった。

Montage超~~~~~カッコ良かった。ライブ映えするな~と思ったし、相変わらず歌が上手すぎてここでも号泣した。

なぜか「この場にいるのがホログラムだったらどうしよう?」って初めてのライブでもないのに悲しくて泣いてた(?)。
実は釧路公演の日は自分の誕生日で、そのせいで感極まりすぎてたのでだいぶおかしかったんだと思う。余談。

だけど今思えば、どうして私がこんな気持ちになったかふと考えてみると、2曲目なのにこちらに全然呼びかけられていなかったからかもしれない。客との精神的な接触がない。

3曲目が終わってMCってのがいつものパターンだけど、いつもだと2曲目くらいからはドーン!!と盛り上がって、「釧路~~~~~~~!!!!!!」とか「ハイ!!!!ハイ!!!!」とか言われているはずなのである。しかし今回はバラードから始まりこのクールでカッコいいMontage、シリアスな分余計になんか不安になったんだと思う。



曲が終わり、ボッ!と炎が燃え上がって、本ツアーのタイトル及びリードアルバムである「BUTTERFLY EFFECT」の炎文字が奥のスクリーンに映った!

M3 真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

3曲目にしてこのハイカロリーな曲選択に正直驚いた。
というのも、「ものすごく疲れる曲らしくて、昭仁があんまりセットリストに入れたがらん(笑)」みたいなことを晴一が言っていたので、まず長丁場のツアーに組み込んでくれたことが嬉しかった。
ツアーにこれをぶち込んで、このテンポの曲を毎回ほぼ完璧に歌いこなせる人が世の中にどれだけいるだろう。

それを一切の苦しさを見せずに高らかに歌い上げる岡野昭仁は本当に肺活量おばけ。これぞポルノの真骨頂!という様を早くも見せつけられる。
ここでようやく、「釧路~~~~~~~!!!!」と煽る昭仁の声が入り、会場の盛り上がりはすさまじいことに。
真っ白なライトに照らされて力強く歌う姿と、迫真のギタープレイを見ていたら、うわーーーーっと2人がそこにいる実感が湧いてきて、またボロボロ泣いてしまった。
「同じように手を叩いた」で2回ハンドクラップする昭仁が本当にカッコよすぎてまた泣いた。
この曲は全部にパンチ力がありすぎて全身が圧倒される。まだ3曲目なのに。


☆MC①

「釧路の皆さん元気ですか!!!!!!」
「盛り上がってますか!!!!!」
「盛り上がってますかっ!!!!!!!!!!」


「わしらが~~~~~~~~~~ポルノグラフィティじゃ!!!!!!!」


イェーーーーーーイ!!! いつものやつ。

釧路は15年ぶりだったそう。
昭「長いこと待たせて本当~~~~にごめんね!」
ちなみに15年前のツアーはビタスイ。それにも来ていたという人がちらほら。

昭「今回のツアーは、もちろんアルバムツアーなんじゃけど、その他にも今までのポルノの歴史を感じてもらえるような、そんな曲たちもね、やっていこうと思うので!皆さん楽しんで帰ってください!!!!」

歴史か~。なんだろう、ワクワク……と思っていると、ドラムのフォーカウントが聞こえた。


M4 ワールド☆サタデーグラフティ

ワーーーサタ??!?!?!?まじで?????って思った。嬉しいけど意外すぎる選曲。

「木曜日なのに雨だね ここは釧路なのに一人じゃない」(ご当地替え歌)
ちなみに札幌は両日とも早すぎる大雪でした。

今回のセトリの予想つかない度がすげぇ!!って思いながら元気にワイパーした。
ドラムのフォーカウントから始まって、少しテンポ遅めだったような気がしなくもない。
良い曲だよね。なんかほっこりする。ちなみに2番の新宿青山下北がぐちゃぐちゃぁ~ってなってた回あった。


M5 ダリア

これ、圧倒的にCDよりカッコよくてビビった。そもそもダリアあんまり好きじゃなかったんですよ。
なんかCDのアレンジ軽すぎな気がして。でもイントロのリフは嫌に頭に残るし。でも別に好きじゃないなって。

いやでもこんなカッコよくなる?!って感じでした。リフを昭仁が弾いてそこに赤と緑のスポットドーン!!って始まり方も最高。

間奏のブラス部分がギターメインになってるのもカッコよくて、今回tasukuさんが入ってくれたことでやれることの幅が圧倒的に多い。
音も厚くて、バンド!!って感じが良かった。この音源早く欲しい。


M6 ネオメロドラマティック

えああああああああ!!!!ヴォイ!ヴォイ!ヴォイ!!!!!!!
何年ぶり?!??!?!のネオメロ。調べたら自分にとって約7年ぶりでした。
文句なしに盛り上がって最高だった。正気か?序盤からこんな楽しくていいの?って気持ちに。
ひたすらぶち上がって歌詞間違いもお構いなしって感じで最高だった(相変わらず「摘まれる」「もがいてる」ピンチ)
「助けてと確かに聴こえた」を「たーすけてーと」と詰めて歌ってたのが珍しいなと思った。



M7 メリッサ

おなじみのイントロが始まったあと「え??!!?もうやるの??!??!ヤッターーーーーーー!!!!!」になった。
今回本当に飛ばす飛ばす。マジで意気込みが違うなってなんとなくこの時点で感じてた。

メリッサのライブでの聴きどころはなんといっても、サビ終わりの昭仁のロングトーンなんだけど、釧路ではなんと1番始めのサビの「貫け~!」を、Aメロ始まる直前まで32カウント伸ばし続けてスッと一息でAメロに入った。どういうことかというと、

「愛に焦がれた胸を貫けぇーー(テッテッテレーテーテー)ーーーーーーーーー(テッテッテレーテーテー)ーーーーーーー(テッテッテレーテーテー)ーーーーーーーーーー(テッテッテレーテーテー)ーーっ、あーすが……」

いやいやいやいやいや!!!!!!息継ぎどこでしてんの?!?!?!?!この人化け物だよ………!!!!わかったよもう!!!今日はどこまでもついていくよ!!!!!って気持ちになった。
自分が見た公演の中でメリッサはやっぱり釧路がベストステージだったかな。


☆MC②

久しぶりにやった曲も、おなじみの曲も、盛り上がってくれてありがとう!という話。
ここで、今回ツアー初参戦となる、ギターのサポメンtasukuさんについて紹介。
同じ広島出身。シャイな男です、とのことで、tasukuさんからの挨拶も短め。
このtasukuさんが、今回かなりキーマンになっていた。ギターのサポメンが増えるということの素晴らしさを知ってしまった。

ここで、アルバムのコンセプト説明が晴一より行われる。もう随所で言われている内容なのでここでは割愛する。

昭「よう長いこと言えたね!」
晴「札幌着いたあたりから録音しとったら良かったかもしれん。(笑)」
昭「生で聴けるのは君らが最後かもしれんな(笑)」


ここで釧路のMCを抜粋。(必要ない方は矢印マークまでスクロール ↓ )

昭「釧路は15年ぶりってね……15年も待たされたら怒るで?!普通!!」

晴「わしらの控室にね、何に使いよんのかわからんのじゃけど、毎回その土地のファンクラブ加入率っていうのがこう、数字で貼り出されとんよ。来てくれるお客さんの中で、何%が会員なのかっていう……。それがね、なんとですよ、釧路は驚きの、20%!!!これはね、どういうことかと言うとですよ………この中で、まぁ先行とかでチケットをとってくれている人が、少なくとも20%。じゃあ残りの人はなんじゃ?!っていう。考えたんじゃけどおそらく、『ポルノが来るから行ってみようか~』ってのが、街中に広がっていったんじゃないかと……噂となってね(笑)。」

昭「だってねぇ、僕らあの……なんやったっけ?あの市場の………(客「わしょう!」)芭蕉?(客「和商市場!!」)わしょうね!!松尾芭蕉とかじゃなくて……(笑)その和商市場の、鮭屋さんのおばさんにね、『あら!今日やるんだって?』って言われるんよ!!行く先々で!!嬉しかったですよ~~。でもその後、鮭を買わそうとしてくるっていうね(笑)。」

晴「商魂って感じやったのぉ(笑)。わしら、もう3日くらい北海道にいるけぇ(釧路は札幌から特急でもおよそ4時間ほどかかります)、島っこじゃけど『どさ……』くらいにはなっとるじゃろうねぇ」
(札幌では「どさん……」→「もう道産子じゃ!」に進化した)
昭「なまら最高!なまら楽しい!……合ってる?」(合ってる)



↓  ↓  ↓


次からは、アルバムの曲をたくさん聴いてもらいます!とのMCが入り、演奏スタンバイへ。

M8 working men blues

元々のキーが高めで更に転調するから釧路では大サビけっこう辛そうだった。いやしかしカッコ良かった。
アルバムのリード曲だけあってパフォーマンスも音作りも安定していてとても良かった。
「そりゃもちろん君さ」で手を前に差し出すのがたまらなくいい。
ポルノの曲でこういうの珍しいけど、メッセージ性が強くても押しつけがましくないなぁと思う。



M9 170828-29

多分大半の人がイントロで「アポロか?」って思ったと思う(すぐに違うとわかるけど)。
これはライブで聴いてガラッと印象が変わった。「真っ逆さま」で指をしたにスーって降ろすのとか、いちいち動きがカッコ良かった。
ピースピース!でピースするのはなんかやっぱりちょっと恥ずかしさがあったけど結局ライブのテンションだとやっちゃう。サウンドめちゃかっこいいのにこの振り付けでいいのか?って気持ちになる……若干。
上から降り注ぐレーザーみたいなライトが印象的だった。



M10 君の愛読書がケルアックだった件

意表を突くお遊び企画からスタート。なんだこの青春映画の予告もどき!
この曲は元々、「今流行りのキラキラ映画(若手女優や若手俳優が出ている、ティーンエイジャーが見るような胸キュン映画)の主題歌を作るとしたら」というコンセプトのもと作られた曲で、そのコンセプトの通り『君の愛読書がケルアックだった件』という映画の予告映像のようなものだった。
晴一先生のカメオ出演もあり、こういうプチコーナーもいいなぁと思った。「はっさくメガネ」は完全なる内輪ネタだったけど、全く知らない母とか妹も楽しめるレベルのネタだったみたいで良かったと思う。
ポルノの曲と言えば滑舌が良くて歌詞がギュッとしててポップで元気とか、そういう曲もいいけどこういうケルアックみたいな抜けがいいけど軽すぎなくて、伸びやかな高音域もある……みたいな曲もすごく好き。ケルアックは聴きやすい。あっさりしてるけど中身が詰まってるのにサックリしてるみたいな。



M10 クリスマスのHide&Seek

ジャッ、ジャッ、と印象的なリフをtasukuさんが弾き始めて、なんだろうと思ってたらこの曲のチャイムがなるというオシャレ仕様。
クリスマスの定番曲のハドホリの代わりにやるのかな?と思っていたので本編に入っていてちょっと嬉しかった。
この曲の昭仁のボーカルのフックのかけ方というか、アクセントがとても好きで、「教えていつか」の「てぇ」とか「重りのようになったそれを きっと」の「とぉ」とか、あんまり今までない感じだなと思っていて。好きなんです。全体的にバンド!って感じの厚みのあるサウンドになっててこれも良かった。何回も言うけどtasukuさんマジでありがとう。

余談だけど、全体的に映像を多用した感じだったけどクリスマスとはあんまり関係ない感じだったから、後半で他の曲になるのかな~と思ったり思わなかったりしていた。

アウトロで、序盤のリフをまた繰り返して、どんどんリバーブがかかっていって遠ざかって……






暗転して、気付いたら、スクリーンにはどこか外国の森のような映像。







そして……ステージに一人だけぽつんと残っていたのは、昭仁。


なんと昭仁のソロコーナーが始まった。すでにアコギ持っていたため、弾き語りかな?とは思っていたのだけど、「このような機会もなかなかないけぇ、少し自分のことについて話そうと思うんじゃけど」、と前置き。

・バンドのボーカルとして歌い始めてから、ありがたくも自分の声を褒められる機会が多い。
・特徴のある声でいいですね、とか、滑舌がよくて歌詞「は」聞き取りやすくていいね、とか。
・しばらくそのお褒めの言葉に胡坐をかいていたけれど、「声」というのは、親から授かったもので、自分で努力をして得たものではない。
・このままだといけないと思い、数年前からボイストレーニングに通い始めた。すると、自分の新しい扉が開けてとても嬉しかった。
・だけど、もう少し曲によって歌い方を変えてみたら?と某先輩ミュージシャンの方にアドバイスされ、今日はその成果を皆さんに聴いてほしい。

要約するとこんな感じ。

この話を聞いて、岡野昭仁という人は、どこまでストイックで誠実で謙虚なんだと改めて脱帽した。

よく雑誌等のインタビューでも、「自分の声はロックに向いていない(と思う)」という旨の発言をしているように、多分、人からどんなに褒められても、本当の意味で満足はしていなかったんだと思う。胡坐をかいていると自分ではいいつつ、ボーカリストとして最大限の努力はしてきたんだろうし、本来の素地が素晴らしいからこそ(そもそも声自体が持って生まれた才能だと普通は思う)、そのままでも十二分に通用するはず。現実として、こんなにたくさんのファンが岡野昭仁の声を、ライブパフォーマンスを好きでいる。なのに、そこで良しとせず、デビュー19周年を迎え今なお自身のスキルアップをしようとする姿勢、そして、掴めたものを大舞台でストレートにぶつけてくる自信と潔さ。私は今まで以上に、この人の声が好きで良かったと思った。

話のあとに、「今までの歌い方」と、「新しくつかんだ歌い方」を両方聴いてほしいから、と、以前アミューズフェスでカバーしたperfumeポリリズムをワンフレーズ披露してくれた。

「今までの歌い方」とは、元気よく青筋を立ててパキッ!と滑舌よく歌う歌い方。某先輩ミュージシャンにアドバイスされて、考えて会得した「新しい歌い方」は、適度に力を抜いて、より優しくハスキーに歌い上げる表現。なんでも元気に歌えばいいもんじゃないということを言われたらしい。

正直、私は岡野昭仁に表現力がないとか、某先輩ミュージシャン様のようにもっとこうしろとか思ったことはほぼない。ただ、本人が中堅と呼ばれる場所に立っていようが、人から言われたことに真摯に耳を傾け、自分の力量に満足しない人であることがよくわかるエピソードであると感じた。

余談。岡野昭仁は、歌詞を間違える。ものすごく間違える。札幌1日目のポリリズムはもうしっちゃかめっちゃかになっていて、2回目を要求されたがまた間違え「もうやらん!!歌詞が、ポリリズムしてしまうけぇ、無理!!(笑)」と諦めていた



そんな昭仁らしさも見せたところで、いよいよ本題の曲に入る。

昭「曲は、カゲボウシという曲です。………うまく弾けるかな?緊張するなぁ。では、聴いてください。」


M11 カゲボウシ(アコースティック)

始まったとき、正直な話、これか~と思っていた。というのも、ちょうどこのシングルが出ていた時期、そしてパノラマポルノのツアーが開催される時期。その頃、私はめちゃくちゃ田舎に住んでいたのと、私生活が忙しすぎて、ライブに一度も行けずポルノから離れてしまった時期が何年かあって。その頃の曲を聴くと、どうしても悲しい気持ちとやるせなさが襲ってきて、曲自体も好きになれずに、この時点では未だにまともに聞けてない状態だったんだけど。

本当にあの空間に居れて良かったと思った。感想は別の記事で詳しく書きました。


ライブが終わった後に何回かカゲボウシを聴きなおしていて、ふと「自分にとっての『カゲボウシ』は、ポルノグラフィティだ」と思った。

「会いたくなったら思い出して 僕はずっとキミのカゲボウシ」

いつでも側にあることをたまに忘れてしまうことがあっても、ずっと自分を支えてくれる、ポルノはそういうものなんだと痛感した。
逆に、聴けたのがこの曲で良かったのかもしれない。BEツアー後無事にパノラマポルノとは和解した。

曲が終わると、何の挨拶もなしに舞台が暗転、昭仁が去っていく。









優しげな雰囲気から一転して、暗転したステージに不穏な音楽が流れ始める。


スクリーンには四角い箱のような映像。




キーボードの音を皮切りに、サポートメンバーによる重く暗いセッションが始まる。





そして、昭仁が出てこない真ん中がぽっかり空いたままのステージで、新藤晴一がセッションに乗せて静かに詞を語りだした。




………後半へ続く


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寝かしつけてくるカップリング「前夜」と「カゲボウシ」感想

カメレオン・レンズはやっぱりすごい曲だ。マジで爆売れしてほしい。ていうか通販遅くて我慢できなくて店で買ってしまったのは内緒。そのカメレオン・レンズは以前感想を書いたので、カップリングの「前夜」「カゲボウシ(Live at NHKホール 2018.1.31)」の感想。

 

CP1 「前夜」

作詞:岡野昭仁/作曲:岡野昭仁/編曲:tasukupornograffitti

今回のシングルは異様にカップリングの情報が出るのが遅くて、まさかのタイトルだけカラオケの新曲一覧からバレるという珍事に。この「前夜」というタイトルから、ライブの前夜かな?とかはたまた革命前夜だろ!とか様々な憶測が飛び交っていたわけですが。とりあえず結婚前夜じゃなくて良かったです。何曲作る気だよ……になるので……

実際は、新しい生活、新しい世界へ飛び立っていく人の不安と期待が入り交じる気持ちを現した曲でした。「旅立ち前夜」といったところ?色々考えてたけどなるほどね、と思いました。曲調はゆったりとしたテンポで優しげなんだけど、ジャカジャカギターが鳴ってて、ちょっとフォークみたいな懐かしい感じ。tasukuさん編曲だけど癖は抑え目。

で、ここで気になったのが「冷たいベットへ重い体 lay down」という歌詞。なんかちょっと前にもそんなこと言っていたような。

「だから柔らかい ベッドで take a rest tonight」

これです。同じく岡野昭仁作詞の「I believe」。最近やたら主人公を寝かしつけようとしてません?あと思い出したのは「ベッドに倒れ込んでため息ひとつ」。『君に100%』、これも岡野昭仁作詞。

昭仁にとって「ベッド」とは、時には休まる場所、時には一人ぼっちの寂しい逃げ場所になるのかもしれない。この「lay down」の歌い方がまたいい。「レイダァァァァ~~~~~~アア゛アアアア!!!!!!!!!」って、ほぼ怒ってますもん、この主人公めっちゃ疲れてる。もう寝るわ~~~~~!!!!!!!!って感じ。君に100%のベッドも、多分柔らかく包み込んではくれないんだろうなと思う。ベッドは1日のゴールであり、朝を迎える始まりの場所でもある。「前夜」のベッドはそんな情景も浮かんでくる。

ちなみに晴一の使う「ベッド」は大体二人だし、そもそも寝てない「物」として存在するだけのことが多い気がする。ある曲では下に行っちゃうし。落ちるな。

不安を払拭して最後には希望が見えるという、いかにも昭仁っぽいなという曲でした。初めて新生活を迎える年齢の人には響きそう。

 

CP2 「カゲボウシ(Live at NHKホール 2018.1.31)」

作詞:岡野昭仁/作曲:岡野昭仁/編曲:pornograffitti

これの存在が情報が遅れた理由ですね。本来ならCD発売日にはツアーが終わっていて、ネタバレなど関係ないはずでしたから……。

いやもう、シングルに入っちゃったから書くけど、メチャクチャ良かった。弾き語りのカゲボウシ。泣きました。ツアーの感想はまた別で書こうと思ってるんですけど、昭仁の謙虚で真摯な話が聞けたのも良かったし、ボーカルとしてのスキルアップを「聞いてくれよ!」と言わんばかりの圧倒的空間で、見る人全員が息を飲んで、全神経で音を聞こうとしているあの、ホールいっぱいに昭仁の声とギターの音色が広がった感じ。声に包まれてるみたいだった。あのコーナーは、私はあって良かったと思ってるし、その後とセットだと思ってる。

ただ、CDで聴いて、正直初めてこれに寂しさを覚えた。この聴こえてくる音に、晴一の影が存在していないこと。それを意識してしまうと、どうしようもなく「ポルノは二人がいいな」と思う。だから早くDVDで見たい。でも、どうなるんだろ…………ね。

 

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MICROWAVEでよだれが出た話【BEツアー】

 

※この記事には、ポルノグラフィティの現行ツアー「BUTTERFLY EFFECT」に関するネタバレを含みます。良ければ下からご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は普段、ツアーがあるときは地元の公演だけ見て終わってしまうんですけど、今回のツアーが衝撃的すぎて、「これは後半のセットリストも聴いておきたい!!」と思い、急きょ予定になかった山梨公演のチケットを取り、行ってきました。

(この時点で、岡野氏2度目のインフルによる公演中止が重なり、図らずも後半のセットリストを最初にやったのがこの山梨という状態でした)

その中の、前半から変わった1曲に非常に衝撃を受けたという話です。

 

10曲目の「君の愛読書がケルアックだった件」が終わり、さて次は前半だと「クリスマスのHide&Seek」だったな……映像凝ってたし、どうなんだろう。

 

「ジャッ…………ジャッ……………」

 

 

?!

 

 

「ジャッ…………ジャッ…………」

 

 

丸い球体……映像違うな。「心の真ん中に揺らぐことのない重りのようになったそれ」の映像かな?(?)

 

これはクリスマス……じゃない……!!このBGMの浮遊感、まさk

 

 

 

「ピロロロロロロロr………………」

 

 

 

ぎゃ あ  あ あああああーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

 

 

M I C R O W A V E だ!!!!!!!!

 

 

あまりにも印象的すぎる電子音の階段。

こんな曲はまだポルノの中には多い方ではない。

思わず悲鳴を上げかけたが周りで興奮している人が少なく「ヒッ」ぐらいで飲み込む。

 

すかさず聴こえる「ペバッパ…ペバッポ…ペバッパッパァ……」という、子どものような女性の声のようなボイスサンプリング。

リズム隊がまだ無音なので、とても印象的に会場を異色の雰囲気に包み込んでいく。そして…

 

「(ズン!)ウィ(ズン!)ウィ(ズン!)ウィッウィ… ウィウィッ ウィ……」ピロロロロロ…

 

「I want a microwave newest          巡る I'll back on」

 

「温め直してほしいんだ 熱く Reheat me」

 

ペバッパ……ペバッポ……ペバッパッパァ!!

 

マジで脳みそが溶けた。

 

いや本当に、脳みそが溶ける~とか頭おかしくなる~とかは良く言われる誇張表現ではあるけど、生で聴くと本当に脳が痺れた。

そして気付いた体の違和感。

 

口の中にめちゃくちゃ唾がたまっている。

 

まさに垂涎とはこのこと、興奮しすぎていわゆる「嬉しよだれ」が出てしまっていたのである。いやこの曲ハムとかピザとか出てくるけどそういうことではなく。

音楽を聴いてこんな興奮の仕方をしたのは本当に初めてかもしれない。

 

別にこの曲がポルノの中で1番好きとかそういうことではない。

むしろアルバムの中でも1番好きかって言われるとまた違う。どちらかというと、最初は色物すぎて驚いたぐらい。

 

MICROWAVEはそもそもロックバンドの曲というより、打ち込み多用のEDM的な曲で、音源で聴いてるだけでもガツンとくるというより、フワ~と気持ちよくなるタイプ。

知らない人からしたら、イメージ的には、渋谷のマジ卍なチャンネーがいる服屋でかかってそうなやつ。渋谷のことよく知らないけど。そんな感じ。

 

そもそも「アポロ」の時点で既にシンセを多用した電子ロック的な部分はあったので、「ポルノ×エレクトロロック」に親和性があることは提示されていたのだけれど、『俺達はロックバンド』と常々言ってきたポルノにここまで振り切れた曲は今までほとんどなかった(Part time~でその片鱗はあったけど)。

印象的にボイスサンプリングとか電子音が使われてて、曲の進行もテクノっぽく同じフレーズを繰り返したり、ギターソロも流れるように進んでいき、昭仁の声も音の一部というか、トータルで「BGM的」な曲だなと思っていた。

 

でも、ライブになると、それらが本当にピタリと融合して、気持ちのいいノれる音楽になっていて、ライブ会場はさながら深夜のクラブの様相を呈した。

 

と言ってもいきなりバンドが退散してDJがやってきたわけでもなく。

人々は肩を前後に揺らし天井からはいつの間にかミラーボールが回転し手にはコップに注がれた色鮮やかな甘い酒が

となっていたわけでもない。

そこにはれっきとしたロックバンドの音楽があった。

 

昭仁のボーカルも晴一のギターも、CDで聴くのとは全く違う存在感。

薄ピンクと紫の照明も非常に鮮やかで素晴らしかった。

曲の雰囲気とそれを生で聴ける興奮、それらが集約された結果トランス状態になった結果の嬉しよだれ。

犬ではないのでダーダー垂れ流すわけにもいかず、静かに飲み込んだけど、前半でやってなかった曲の中でもMICROWAVEじゃなかったらこんなことにはならなかったと思う。

ものすごい浮遊感なのにごちゃごちゃしてなくて、しっかりしたバンドの音で晴一のギターソロもハチャメチャにカッコよかった。

 

また、この曲の昭仁のパフォーマンスがとても素晴らしかった。

 

「立ち上る炎に投げ込む いっそ My memory」

この部分の、頭から何かを抜き取って捨てる仕草が最高に痺れた。

人差し指でトントンと頭を叩いてそれを横にポイッとするのは昭仁がたまにやる仕草だけど、この曲においては何か明確に記憶媒体のようなものを捨てているように見えた。

 

そして最後の

「温めてほしい My head   My heart    My love」

この部分で、頭を差す、胸を押さえる、空中をつかむ、という仕草。

特に「love」。

この主人公は愛を失っている。だから、どこにあるかわからない愛を探して虚空をつかむしかない……ように見えた。

ハートは胸にあっても愛はない。もしくは別れた彼女の面影を探しているのか。

 

この淡々とした曲で、必要なことを大袈裟でもなくサラッと最大限にやってのけるパフォーマンス。

発表当時好き嫌いがハッキリ分かれた印象があるこの曲だけど、ライブをみて、やっぱりポルノの曲なんだ、二人がやるからMICROWAVEという曲は完成するんだとしか思えなかった。

「リアルに寄り添うフィクション」が持ち味の新藤晴一が、より単語の表現を突き詰めて、ミニマムに切り取った、灰色の情景が浮かぶ歌詞。

その新藤晴一が生み出した世界観を、バンドのフロントマンとして、声と仕草で伝える岡野昭仁

前半ツアーも素晴らしかったけど、この1曲で更に新しい衝撃をぶつけられた。

MICROWAVE、恐ろしい曲だった…………

ポルノグラフィティに完敗、そして乾杯。

 

余談:この曲の後に、森のような背景で昭仁が弾き語りをするコーナーがあるのですが、「前半はね、(曲順的に)『ふらふらと迷ってたらいつの間にか森にいました』ってコンセプトだったんじゃけども、電子レンジの曲の後に森は…………何かこれからこじつけんといかんね。(笑)」と正直に吐露していたのがまたポルノっぽいなと思いました

 

 

BUTTERFLY EFFECT(初回生産限定盤)(DVD付)

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心が濡れる曲、ポルノグラフィティ46thシングル「カメレオン・レンズ」感想

新藤先生のラジオ「カフェイン11」で先行解禁されてからだいぶ経ってしまいましたが。「最新が最高」であり続ける、ポルノグラフィティの新しい1面がいよいよ世に露呈する。1回目に聞いた時のファーストインプレッションも交え、ざっくばらんな感想。

 

【全部が「気持ちいい」音】

まず、曲の印象としては「ANGRY BIRDの重さ、MICROWAVEの軽さ、part time love affairの気だるさが混ざった感じ」だと思った。こういう、電子とロックの融合みたいな曲が近年は徐々に増えていて、特にこの3曲は顕著。そしてそれぞれが全く異なる魅力を持っている。

CMで使われているのを聴いたときはもっとオシャレでpart time~寄りかな?と思っていたのだけど、意外にもボンボン重低音が鳴ってたりして、骨太な印象。これはANGRY BIRDのアレンジもしている篤志さんが編曲だからっていうのもあるのだろうか?

イントロのテンテンテン…テンテンテン……からのカサカサカサ……みたいなノイズのあとに、キュアキュアキュア…キュアキュア…とゾクゾクするような謎の音からの「ありのままの真実など…」っていう昭仁の声がもうたまらなくいい。途中途中に入るノイズのひとつひとつに意味があって、全部がとにかく「気持ちいい」音。特に2番の「深紅の薔薇もワインも 色を失くし泣いてるの?」…パパン!!てなんか爆発してるみたいな音とか、Bメロのカリカリカリ!!カリカリカリ!!っていう物食ってるみたいなノイズとか、その裏でポロロロポロロロ……とまるで涙の粒のように聴こえてくるピアノとか、こ、康兵先生~~~!!!

こういう、オシャレシティな曲は、カップリングから始まりアルバムに入り、やりたいんだなってのは伝わってきてたんだけど、ここにきて満を持してとうとうシングルで登場したなって感じ。最高。

 

【英詞と日本語】

歌詞もまた、英詞パートが多くてまさに「耳触りのいい」、歌詞もまた音の一部というか、昭仁の声も楽器の一部として扱っているような、絶妙なバランス。

これは最新アルバムのMICROWAVEでも顕著なんだけど、昭仁の英詞の歌い方も数年でめちゃくちゃ変わってきていて、発音がどっちかというとネイティブ発音寄りになってる。今までずっと「よんまいはねー!!」とか「かぁーもじゃぽねいぜー!!」とか、日本語かってくらいパン!パン!とハッキリ歌っていて、それも特徴的で好きだったんだけど、今回はそれを新しいアプローチで仕掛けてきているのがめっちゃわかる。さらに、日本語パートの滑舌の良さとメチャクチャいい対比になっていて、歌詞がより印象的に聴こえるようになっている。言うなれば、日本語の部分だけでも成立するっちゃするんですよね。英詞の部分は役割としては伴奏というか、あえてスッと流せるイメージ。

日本語部分は日本語でまた、「二つの月」とか「カラスが青い鳥になった」とか、新藤先生お得意の「つまり???」系の歌詞。でもなぜか心にスッと入ってくる、説明されなくても、ああこの二人はこういう関係なんだなってのが聴き手に伝わるマジック。あと、赤とか青とかステンドグラスとか、それこそタイトルのカメレオンとか、割と色鮮やかな歌詞なのに曲の印象が全然カラフルじゃないのも面白い。

 

【「タメ」の妙】

そしてその歌詞の歌い方。岡野氏の持ち味のひとつとには、1個1個の言葉をパキパキ!とハッキリ発音する「滑舌の良さ」があって、言葉がダイレクトに伝わってくる魅力がある。だけどこのカメレオン・レンズでは、あえてそれをせず、ゆったりとタメたような歌い方が印象的。「おぉたがいを~」とか「うぅつくしい~」とか、わざとリズムを揺らすような譜割りで、元気!というより、大人の余裕を感じさせられる。

もっと顕著な所で言うと、「君の空に放した青い鳥」のところ。今までだと「はんなーしたー、あ、おいと~り」みたいな感じになっていたはずが、「はっな~~~し~た~ぁおいと~り」と、言葉の境目をぼやかしている。これは昭仁にしてはかなり珍しい歌い方だと思う。

この、リズムを揺らしたり音を詰めたりっていうのが、何かに似てるな~と思ったんだけど、ジャズのサックスアドリブ。あんな感じで、ただリズムに沿うんじゃなくてあえてタメる。上にも書いたけど、正に今回の昭仁の歌い方は楽器かのような、演奏と合わせてひとつ、ものすごい気持ちのいいグルーヴが生まれてる。エモい。バイブス上がる。

 

【あえての外し】

あえてあえて言い過ぎな気もするけど、この曲は本当に「あえて」が多い。特に印象的だったのが、サビの最後のフレーズを繰り返さないところ。今までだったら、もう1回「Black or White~」のくだりがあったと思うんですよ。だけどそれをあえてしない、あえて1回でスパッとやめるってのが、最初聴いたとき「えっ終わり?!やだ……もっと聴かせてよ……!もっとちょうだいよ!!!ねえ!!!」と、心が欲しがりさんの欲求不満になるくらい、おあずけ感がすごい。焦らしがすごいです。ただでさえ音も声も気持ちいいのに最後にこんなんされたらねぇ。Light and Shadowの歌詞にもあったけど「心が濡れる」曲ですよ。マジで。心びしょびしょ。キスだって無駄ですよ。

 

【タイアップ】

この曲は金曜ナイトドラマ枠の「ホリデイラブ」ってドラマのタイアップシングルで、まあざっくり言えば夫婦の不倫もの。そこで晴一がラジオで言っていた、曲を作るにあたってのコンセプト的なものが以下の文なんですけど、

「ドラマは不倫を扱った内容で、ディレクターさんと打ち合わせをしたけど、細かい話というよりは、世界観の話。タイアップが無いとシングルが出せないご時世ではあるけど、今回は『ポルノと言えば?』みたいな、サウダージハネウマライダー、アゲハ蝶、愛が呼ぶほうへ…みたいのはまぁ少ないけど、いわゆるそれらのパブリックイメージを踏襲して……みたいなリクエストではなかった。従来の作り方とは違う、新しいところをシングルで出せるという感覚はある。」

ホリデイラブ様様ですよ。本当に。「ポルノっぽくしてください」じゃこの曲はできなかったってことになる。でも逆に言えば、このカメレオン・レンズを世に出すことで、「ポルノってこういうのもできるんだね」というイメージにしてしまえる、ポルノにはそういう力がある。二人だからこそ、自由に形に囚われず、なんでも「ポルノの曲」にしてしまえる。引き出しがいくつ増えるんだ?とこちらが考える必要もなく、まだまだ色んな面が見ることができるのだとも思っている。

 

ドラマも一応毎話追ってるけど、最後の最後の良い(えげつない)場面で流してくれるんだ……ドラマの感想もせっかくだから書いておきたい気持ち。早く音楽番組でこの曲が聴ける、世間に聴いてもらえることを今から心待ちにしている。CD発売は3月21日。前日にはWOWOWの中継もあるので、この曲もやるだろうか。待ち遠しいです。

 

カメレオン・レンズ(初回生産限定盤)(DVD付)

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【BUTTERFLY EFFECT】初めてポルノグラフィティのライブに行った人の感想を貰った

もう3か月ほど前の話になりますが、今まさに全国行脚中のポルノグラフィティ15thライブサーキット「BUTTEFLY EFFECT」に、初めて妹を連れて行きました。(参加公演:2017/11/25 札幌ニトリ文化ホール)

ポルノグラフィティは、ヒットソングと呼べる曲も多く、ネームバリューがあるだけに「有名だしちょっと行ってみたいな」と思う程度の人はけっこういるように感じる。しかし周りにも「昔聴いてたし行ってみたいけどね~」みたいな人はいてもなかなか実際に行った人はいない。

妹も正に「大ファンではないけど行ってみたい、けどどうしようかな~」タイプで、今まで何回も「やっぱいいや」となっていたが、今回やっと来てくれることになったので数日後に率直な感想を求めたところ、その感想が新鮮で面白かったのでその貴重な「初見ポルノ」をまとめておく。セットリスト等のネタバレはありません。

 

【妹について】

属性:今時の普遍的でおしゃれ好きな女子、成人済

普段聴く音楽:K-POP、洋ロック(GREEN DAYBeatlesなど)、少し邦ロック、クラシック

ライブ経験:韓国アイドルのドームコンサートなど

ポルノの知識

・「∠TRIGGER」くらいまではアルバムを貸していた記憶がある

・現在は「車やテレビで流れていたら聴く」程度

・ライブDVDは何も見ていない

・二人の人となりなどは全く知らない

・アルバムは軽~~く予習した

・好きな曲は「ギフト」

 

以下感想。(※「・」項目は妹のLINE原文ママです)

 

・背が小さい

始まった瞬間、開口一番「ちっちゃ!」とつぶやいていて、あまり席が近くなかったのでそれかなと思い、終演後「ごめんね席遠くて…」と謝ったら「いやドームとかと比べると全然近くて良かった。そうじゃなくて、身長!」と。

いや……どっちとは言わないが…!言ってやるな…!しかし慣れている側としては改めて思うことでもないので新鮮な感想だった。しかしファーストインプレッションが「わぁ~!」とかじゃなく「ちっちゃ!」て。

 

・歌うますぎて映像に見える

「やば…?!歌うますぎてペラペラの人間に見える」と2曲目あたりで言っていた。わかるよ…始まった瞬間は未だにそう思う時もある。ホログラム的なものに見える時が。よく「口からCD音源」と賞される昭仁の歌だけど、実際に聴くとやっぱり圧倒される。更に「CD音源からは大きく外れないようにしている」と本人が言っているように、変なアレンジとかを全然加えないスタイルなのが、その実力に輪をかけて「本物だ!」と思わせる効果を生んでいるのだと思う。よく「原曲迷子になるまで謎アレンジを加えるベテラン歌手」ってけっこういるけど、自分はあまり好きではないのでまだそっちにシフトしてなくて本当に良かったと思った。

 

・喋り方が芸人

ライブ通例の(脳内再生してください)「北海道の皆さん盛り上がってますか!」「盛り上がってますか!!!」「盛り上がってますか!!!!」「わしらが~~~~ポルノグラフィティじゃ!!!!」のスピード感に対しボソッと「『○○マン○○○○アワー』みたい」と一言。別にそうだと思っているわけではないけど言いたいことが非常にわかるので思わず笑ってしまった。じゃあ右の人はパラダイスかよ。あと、ポルノのMCの特徴である、方言丸出しのアットホーム感が珍しかったらしい。でも、失礼ながら、ポルノは特別MCが面白いバンドというわけでもないけれど、内輪感も強くないので程よいなじみやすさだったんじゃないかなと思っている。

 

・「えっ……?!」

これは例外で直接送られてきた感想ではないんだけど、晴一がMCで喋り始めた瞬間妹が発していた言葉。このえっ…?!に込められた意味が非常にわかるというか。晴一って、見た目もシュッとしてスタイルもいいし顔も小さいし、なんかスカしてるし渋いおじさんで、きっといい声なんだろうなと思ってたんだろう、多分。見た目から予想のつかない声を出すジャンルのおじさま晴一。

 

・知らない曲があってもたのしい

アルバムツアーということもあり、一番連れて行く上で不安だったのがメジャーな曲ばかりやるわけではないということ。事前にさらっとアルバムを聴いてもらってはいたものの、こう言ってもらえて安心した。

詳しく聞けてはいないけど「やっぱ歌がうまいから良かった」と言っていた。あと晴一のギターの弾き方がカッコよかったらしい。この「知らない曲があっても楽しい」というのは初見の感想として非常に大切なものだと思っていて、いくら自分が「絶対楽しいから!」と言ってもそれは好きだからどうしても「初めての感覚」では言えていない。

だけどこうして「ちょっといいなと思っている程度の人の『楽しかった』票」が集まっていくことで、自分も嬉しくなる。ポルノは曲がキャッチーで盛り上げ方も上手いってのはあるけど、今回のライブは特に、視覚的な効果や演出、進行がかなり練られていて、今まで何回も来た自分ですら物凄く新鮮な気持ちになれるライブだったので、尚更楽しんでもらえたのかなと思った。今後も安心して「ポルノは歌も上手いし演奏も安定していてカッコいいし盛り上げるのも上手くて楽しいから1回は見て」と言い続けられる。

 

・なんかわかんないけど二人ともエロい

個人的な表現の嗜好としては「エロ」に関する直接的な表現は安っぽくなるので嫌いなんだけど、あんなに小さいだの芸人だの言っておいた上で、なおかつ初見でこの感想が出てくるのが、もう「してやったり」。ここでいう「エロい」は俗に言う「性的に興奮する」とかではなく、アーティストとしての魅せ方がセクシーで色っぽかった(そこに更に大人の男の持つ武器の相乗効果がある)ということだろう。

特に今回は、最新アルバムから感じる「艶」がそのまま生でぶつけられた感じだったなと思っていたのでこの感想は嬉しかった。ポルノのライブは楽しくて元気が出る曲以外にも、暗い曲や、鬼気迫るプレイの荒々しさ、歌声やサウンドから色気を感じる曲もある。しかもそれが露骨にそう見せてるわけじゃなくて、エッセンス的に滲み出てるってのが良い。言ってしまえばもう妹からすれば40代のおじさん、MCは芸人チックだし噛むし方言丸出しで一人は地声が高い、それなのに「なんかわかんないけどエロい」という感想が出てきたのだと思うと、ポルノのパフォーマンスをしっかり見てくれていたんだなと咽び泣くしかない。

 

・思ったより熱い男

岡野氏のMCを受けて、「なんかバンドの人ってカッコつけてスカしてるイメージだったから、昭仁もそうだと思ってたら全然違った。『君たちに希望を!』とか『胸張って行け!』とか『あんたらは最高じゃ!』みたいな熱いメッセージ言うタイプだと思ってなかったから良いと思った。」

これ頷きすぎて首もげました。しかしこれもまた、慣れている人にとっては当たり前に受け取っているものだったと思う。あの言葉たちは、ポルノのライブの雰囲気やメンバーの人柄をほとんど知らなくても真っ直ぐ届くようなものだったんだと実感した。こういうのって、一歩テンションと言葉を間違えると、ちょっとイキった少しサムいような感じになるはずなんだけど、そうならずに受け取ってもらえたのがやっぱり嬉しかった。楽しくて面白くて色気があるけど最終的に熱い。それがポルノのライブなんだと思ってくれて良かった。

 

・歌うま

なぜか2回送ってきた。終わってからもしきりに言っていたのでそれだけ強く印象に残ったということなんだろうか。しかし「昭仁歌うまい」と「晴一カッコいい」は終演後連呼していた。個人調べなんですが、ポルノをぼんやりと知っている人が写真でも映像でも改めて二人を見た時に「晴一カッコいい」っていう率めちゃくちゃ高い。グッドルッキングガイ晴一。

 

他には、あれの間奏の掛け合いがカッコよかったとか、あの曲カッコよかったとか、あの曲好きなのに演出がダサいとか、色々屈託のない意見も貰い、最終的に「また行きたい」と言っていたので、また連れて行こうと思う。

自分が当たり前に慣れていることを、改めてここがこうで面白かった、楽しかったと言ってもらえるのが新鮮だった。特に熱い男のくだり。

ポルノのライブは本当に楽しい。もし少しでも興味があったら、ぜひ今後のライブに行ってみてほしい。今やチケットを取ることが過去より圧倒的に難しくなってしまっているけど、もし周りの人に誘われたらそれが一番のチャンスだと思う。その人も、絶対後悔させない保証のもと誘ってきているはずです。

 

BUTTERFLY EFFECT

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