私のポルノグラフィティ マイベスト15曲(シングル以外)

半年くらいずーーーっとああでもないこうでもないと考えてたけど完成しました。

私のメチャクチャ好きな、そして本気で人に勧めたい15曲です!!!!!

「」内は、その曲でも印象的であり自分のお気に入りの歌詞です。()内は、その曲が入っているCDのタイトルです。

読むのめんどくさかったら一番下の曲名まとめだけ見てください。

 

 

 

1.夜間飛行(アルバム『BUTTERFLY EFFECT』)

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:宗本康兵

「甘く香るの 私好みじゃないパフューム」

 

最新アルバムから。ツアーの1曲目でもあった珠玉のバラード。美しさがコンセプトにあるだけ、曲の流れも楽器の音も昭仁の歌声も何もかもが調和して、非常に綺麗な仕上がりになっている。

歌詞はもう、最後のワンフレーズによるどんでん返しに初めて聴いたときやられまくった。フィクションの悲恋物を書かせると唯一無二の輝きを放つ新藤晴一の作家性が存分に出ている、聴き手の解釈により様々な情景が浮かぶ曲。とにかく最後のワンフレーズが秀逸。

 

 

2.Sheep~song of teenage love soldier~(シングル『黄昏ロマンス』)

作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

「俺も男だ 戦場に行くんだ 大袈裟に奮い立たせよう」

 

軽くてポップで聴きやすいやつ。跳ねるようなリズムと軽快なメロディでスーッと流れるように聴ける曲。

昭仁の書く恋愛詞の中でも最高に可愛らしくいじらしい男の子。おそらく幼馴染みたいな関係の女の子が大好きなんだけど今更恥ずかしくて言えない、でも一大決心をして告白、最後は「このやろう!!幸せにな!!」になっちゃう。恋の戦士とか自分で言っちゃってだいぶロマンチックな気もする、曲も爽やかだし、良い少女漫画の読み切り読んだみたいな気持ちになる名曲。

 

 

3. パレット(アルバム『雲をも掴む民』)

作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma

「だって知っている言葉はほんのちょっとで 感じれることはそれよりも多くて 無理やり窮屈な服着せてるみたい」

 

歌詞の新藤晴一ワールド炸裂感がたまらない。この曲の好きなところは、他と替えが効かないところ。他のどの曲がどんなに逆立ちしても「パレット」にはなりえない。恋の歌なのか、または世界を憂いている歌なのか、その辺の線引きができない。使っている言葉も終始曖昧で「まあそんなところだろう」「○○あるいは○○」「君はさあどうしよう?」とか、結局何が言いたいのかと考えながら聴いていると最終的に「足りない言葉を探すのはやめて ラララ…」とか言われる始末。歌詞でそんなこと言ったら元も子もないはずなのに、この「考えるな、感じろ」感、うまく言えなくて感情が渋滞している様子が素晴らしく的確に表現されている。曲も爽やかで良い。

 

 

4. Jazz up  (アルバム『ロマンチスト・エゴイスト』)

作詞:ハルイチ 作曲:シラタマ 編曲:ak.homma

「土生港から海沿いの道を初恋を乗せてペダル踏んでた 乱れた呼吸悟られないように」

 

いわゆるイキった若い男の子がはっちゃけてるタイプの歌なんだけど、だいぶ直接的な歌詞なのに上記部分の「土生港から~」みたいな可愛らしい歌詞が途中に挟まるのが面白い。「田舎で初恋をしていた僕と、今まさに渋谷で一発カマそうとしてる僕、何が違うの?」とか考えちゃう感じ。あと「帰り道 地下鉄でマリア」みたいな、全然説明してないんだけど「やったぜ!!!!!」みたいな心境が察せる歌詞なのがすごい。短絡的でよい。あとこの曲は昭仁の全ての発音がたまらん。「かぁ~たてで~ぃえボタン~?外され~えた」「どこまでっもぅぉっ  たぁだっしい~したごっこ~~ぅろ!!」「はんぶこうぅお~からうんみ沿いのぅおみっちを」とか。全体的に「若さゆえ」が滲み出てる曲だけど、大好き。

 

 

5. まほろば○△  (ベストアルバム『BEST BLUE'S』)

作詞・作曲:新藤晴一

「今宵生まれては今宵消え行くままの恋じゃない」

 

歌詞の意味がどうとかじゃなくて、イントロの空気感からギターリフから耳に入ってくる音がどうしても好きで入れてしまった。このプワプワしてるけどちゃんとギターも鳴ってるっていう、こういう曲がポルノはうまいと思う。

まあ、歌詞は、ポルノの中でも少な目の、ちょっと大胆に「ポルノ」してる曲なんだけど、あまりにも比喩が多すぎて逆に気持ち悪い曲。いかにエロい言葉を使わずにエロくするか選手権があったら優勝できそうな曲。

なのに雰囲気はオシャレでクールだし、なんというかそういうシーンもありますよ~って感じの青年漫画感がある。

一夜限りで終わりたくないけれどワンナイトに飛び込んでしまう主人公の矛盾している感じ、人との出会いはさようならをするとそこで本当に終わるのか?なんだか聴いてると最終的にある種の寂寞感が生まれてしまう。リアルだと全く理解できないけど、フィクションとしては本当に秀逸だと思う。ベストにこそっと入れるなよこんな曲。

 

 

6. 蝙蝠  (シングル『渦』)

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

「黒ならば黒で愛そう 触れてもいいかなぁ?」

 

初めて聴いたときに「なんだこれは?!??!?!」となった。蝙蝠、初めて聴いた時から君が好きでした……。鳴ってる音が全部好き。イントロのカッッカ!からの歪んだ打ち込み、パミョ…ファミョ…みたいなギターリフ、そこにスッと入ってくる「綺麗な色も何度か……」と湿った色気のある昭仁の声、最後の「ペ~ゥ↓」って音まで全部好き。しっとりと濡れた黒い翼みたいな曲。何回聴いても叫びたくなるくらい音が好き。こういう怪しげで艶やかな曲もポルノの魅力のひとつ。

 

 

 

7. ANGRY BIRD  (アルバム『RINOCEROS』)

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:篤志、Porno Graffitti

「届かないものを見せる悪趣味につき合いきれず それを愛などと呼びだしたヤツは誰?」

 

なぜこれをシングルカットしなかったのか。あの「さいシリーズ」とアルバムリード曲の花火という謎プロモを受けてからこのアルバム一曲目で顔面パンチ。

今までのポルノとは一線を画す、新たなチャレンジが感じられなおかつポルノらしさも失っていないという名曲。

とにかくカッコいい。ハードめのロックではあるんだけど、無機質な打ち込みの音が雰囲気を作り出していて、人知れず自分の心に住む雛鳥のように育っていく怒り、憤り、虚無感、飛び立つまいと押さえつけている抑圧された感じがたまらない。

 

 

8. n.t.  (アルバム『雲をも掴む民』)

作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

「そしてそれが生きることだと胸を張って言えますか? 嗚呼……」

 

マイベスト鬱屈ゾーン。昭仁の作る鬱屈とした曲の中でも、一番好きな曲。初めて聞いた当時まだ思春期と呼ばれる頃、怒涛の「できますか?できますか?できますか?嗚呼……」のくだり、昭仁のヒリつく様な歌い方と歌詞が心に深く爪痕を残した記憶がある。

イントロから、終始どことなく不安で落ち着かないような、漠然としかし確実に胸を走る焦燥感がたまらない。曲とは関係ないけど、見た目優し気でライブであんなに前向きなメッセージを発信している「陽の者」っぽい昭仁が、よく本人も言っているけど実は内向的で鬱屈としていてネガティブでこういう薄ら暗い曲を作りがちっていうのが好き。

 

 

9. 敵はどこだ?  (アルバム『雲をも掴む民』)

作詞:新藤晴一 作曲:Tama 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

「僕の銃口は敵を探してた 敵を 敵を 敵を 敵はどこだ?」

 

イントロのズッダララララララズズダズズダダン!!!!!デーレー!!!!!(テケテケ)デーレー!!!!!(テケテケ)から持っていかれる。この音。全部超カッコいい。昭仁の声もブラスもなんかシロフォンみたいなシンセもカッコいい。ポルノグラフィティはロックなんだ!!!!!!!!!!と叫びたくなる曲。

メッセージ性の強い曲ではあるけどサウンドとスピード感のおかげで押しつけがましくはない。最後の無音部分が妙に怖かった思い出。というか「雲をも摑む民」の曲が当時なんか全体的に怖かった。めっちゃ好きだった。マジでカッコいいから聴いてほしい。

 

 

10. 憂色~Love is you~  (アルバム『ロマンチスト・エゴイスト』)

作詞:ハルイチ 作曲・編曲:ak.homma

「押し返す悲しみのなか 君は無口なサカナのようで」

 

ものすごく偉そうな言い方をすると、昭仁は昔より遥かに歌の表現力が上がり続けていて、「魅せる」技をたくさん持っているのは確か。だけど、こういうバラードをこんなに真っ直ぐに声を張って歌っちゃうってのが初期ならではなので、「ロマンチスト・エゴイスト」音源で聴くのが醍醐味…と思っていたけどFCUW5で聴いた時も号泣してしまったからあんまり関係なかった。良い曲です。無音の部屋で何も考えられず茫然としているみたいな、でも少し暖かい、そんな曲。

 

 

11. CLUB UNDERWORLD  (アルバム『WORLDILLIA』)

作詞:新藤晴一 作曲:Tama 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

「自分を諦めて集う真夜中のDance Party」

 

曲順はここから第二部のイメージ。

イントロの「プロロロロ…」から一気に別世界に連れていかれる予感がたまらない。キーボードソロがかっこよすぎる。シンセとかギターとかベースとか全部の音の混ざり具合がたまらなく好き。アウトロの「テレレテレレテレレ……」から最後までのギターとかもうテンションがブチ上がる。ミラーボールギラギラに焚きたい。ロックバンドであることは主張していくけれども、こういったシンセを多用したダンスミュージック的な曲も本当に似合う。ポルノは万華鏡なのである。

 

 

12. 空想科学少年  (アルバム『foo?』)

作詞・作曲:新藤晴一

「傷ついたら取り換えよう あの子のことも忘れれる」

 

「ポルノのシングル以外の名曲といえば何?」と聞かれて単純に考えたらこれを挙げるくらい好きかもしれない。これが「寝ている間にできてた」とか言うのだから新藤晴一はずるい。自分だったらこんな歌詞ができたら一生ドヤ顔してしまう。2001年の曲だというのに今聴いても音に近未来を感じることができる曲。全体的に漂う浮遊感、それでいて硬質で無機質な感じの音。間奏のピアノとか全部好き。

歌詞においては、今まさに少年少女と呼ばれる人が聴けば、等身大の自分のように感じる人も多いだろうし、大人になってから聴くと、そんな気持ちもあったなと思える切なさも凝縮されている全年齢対象の曲。ANGRY BIRDもそうだけど晴一は「少年期」のいたいけな幼稚性、鬱屈とした気持ち、つむじ曲がりな感じを描くのが非常にうまい。そしてその世界観を余すところなくボーカルで表現する昭仁。最高。

 

 

13. ミステーロ  (アルバム『RINOCEROS』)

作詞・作曲:新藤晴一 編曲:立崎優介、近藤隆史、田中ユウスケ、Porno Graffitti

「間違いだけで作る可憐なドレス 不実なlaceがきつく締めあげる」

 

冒頭の「黒いベール 巡礼の列 欠けた月と砂漠の都(テレレレレ…)」という、単語とサウンドだけで一気に異国にトリップする曲。晴一はたまに全体的に何言ってんのかつかめない寓話タイプの曲を作るけどそれがひとつの世界観として成立しているのがすごいところ。「カルマの坂」的な、おとぎ話と現実を行ったり来たりしている感じ。「茜色の瞳」の「あかねいろっ…んの~」、「不実なlaceが」の「レイッス~が」がすき。

 

 

14. 素敵すぎてしまった  (アルバム『PANORAMA PORNO』)

作詞・作曲:新藤晴一    編曲:馬場一嘉、ポルノグラフィティ

「風が街角で『行くあてがない』と泣いた    『それは僕のセリフ』だと良いニュースが言ってる」

 

歌詞の新藤晴一ワールド感。秀逸な比喩で主人公の心情を読み手側に委ねるのが本当にうまい。具体的には背景は描かれていないけど、『後悔』をテーマにした儚くも痛いほどの寂しさがある曲。何回も何回も読み直したくなるくらい、歌詞の言葉の選び方が詩的で日本的な情緒がある。

音も厚くなくて、静かな曲なんだけどその分昭仁の声の美しさも相俟って非常に綺麗な曲。

 

 

15. 月飼い  (シングル『メリッサ』)

作詞:新藤晴一 作曲:Tama 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

(全部)

 

ファンの間では隠れ名曲としてかなり上位に食い込む、というか、食い込みすぎて最早隠れてもないんだけど、色々な解釈と様々な好きポイントが散見される。自分もこの曲が大好きなのに、いつもただ漠然と「ああ、この曲はすごい」と思ってしまう。

歌詞の意味についてはここでは置いておくとして、あえて他に挙げるなら、この曲に漂う「噛み合わない感じ」が好きなんだと思う。イントロからものすごく浮遊感があるのに、歌っていることは現実で、よくある身近な恋の歌のようでいてかなり重たいテーマを扱っている?と思えば、感情を込めまくってもいいはずなのに、悲しいはずなのに涙も出てこないよみたいな、語るように静かな昭仁の歌い方。サビからぶわーーーっと音が展開していって、また静かになって……最後の大サビが終わったあとの色んな音がかき鳴らされるところではもう心がどこかに持ち去られてしまいそうな気さえして、だけど最後にはハッ、夢か……みたいな気持ちになる。急速なプログレ。これがベストにも入らずカップリングでいていいのかよとも思うけど、それがまた月飼いのポジションとして正しいのだとも思う。とにかく不思議な魅力を強く放つ曲。

 

 

 

まだまだいっぱいあるけど15曲選ばないと死ぬと言われたらこの15曲をとりあえず出して残りの曲に土下座しながら生きます。そんな感じです。

 

曲まとめ

1.夜間飛行

2.Sheep~song of teenage love soldier~

3.パレット

4.Jazz up

5.まほろば○△

6.蝙蝠

7.ANGRY BIRD

8.n.t.

9.敵はどこだ?

10.憂色~Love is you~

11.CULB UNDERWORLD

12.空想科学少年

13.ミステーロ

14.素敵すぎてしまった

15.月飼い

 

おわり!!!!! 

 

 

AmuseFes2018~雨男晴女~ びしょびしょのポルノグラフィティレポ

行って来ました!AmuseFes2018!!

当日は快晴に恵まれ、早くも晴れチームのパワーの恩恵にあやかることが出来、無事に会場までたどり着き最後まで楽しむことができました。

サクッと曲のみ感想です。

 

1.電光石火

オープニングSEが流れたあと、かき鳴らすギターと共に何か聴いたことのない曲を歌い出したと思ったら、よくよく聴いたら電光石火だということに途中で気づく。なんとアミュフェスオリジナルの全く別物の歌詞に書き換えてあった上、半音上げて歌っていたのだ。それで気づくのが遅れたけど会場の盛り上がりはスタートから釜茹でのようにものすごい熱気に包まれる。

ポルノが目当てじゃない人ももちろんいるであろうこの日に、まさかシングルじゃない曲で仕掛けてくるとは思わなかった。

とにかく人に押されてポジション維持が大変だったのと、電光石火だ!!!!ってびっくりしてる時間が長かったので歌詞の詳しいところは全く覚えてません(悲しいね)。

幕張に風神雷神が見参、巻き起こすハリケーン、雨の中でも限界を超えちゃいたい、見せつけたい、でも晴れの日もちょっとはあるのよ本当は!みたいな感じのことを言っていました。

雨でいいのに勝手に嵐にしちゃうポルノ、貫禄の雨チームトリという感じ。

 

2.THE DAY

間髪入れず、短いイントロから一気に駆け上がるこの曲で更に熱気を帯びていく。なんとBEツアーでやっていた間奏の掛け合いも健在!!めちゃくちゃ興奮した。やっぱりあれカッコいいよ……。BEの時はシャウトだったけど、今回はギターの合間に「幕張~~!!盛り上がって行くぜ~~!!」と煽りを挟むスタイル!最後は貫禄の大シャウト。からのギターソロ。カッコいい!!!!!!

選曲なんだけど、この時点で、まさか予想していたことをしている……?と思っていたけど次の曲でそれは確信に変わる。

 

3.空想科学少年

ライトが青色に変わり、同じビートで刻まれる少し浮遊感のあるイントロが続き、会場が「?」に包まれていると昭仁が静かに『空想、科学、少年。』と呟き曲がスタート。

いやいやいやいや……いやアミュフェスだよ?!!ワンマンじゃないんだよ????まさかやるとは頭の片隅にも無かったこの曲。そして、やっぱり「雨」シリーズだ!!!とこの時思う。雨の曲は何曲かやるんだろうな~って思ってたけど、シングルでまとめてくるのかなって思ってて。予想外すぎたし、メチャメチャカッコよかった。テンポは歌いやすいようにちょい遅めで調整してた感じ。

 

MC

雨チーム雨チームと言われようが、会場を熱く盛り上げていきます!的なこと。気付いているかもしれませんが、ここまで「雨」が関わっている曲をやっておりますと紹介。確かに空想科学少年はシングルじゃないし、会場の人にはなるほどという感じだったのかも、だけどTHE DAYの時点で本当にやってくれるつもりだ!!と私は大喜びでした。

 

昭「えー次は、現時点での一番新しい曲、新曲をね、やっていこうかなと思っております。この曲でね、皆さんをもう、ぐしょぐしょのびちょびちょの濡れ濡れにしたいと思います。」

ヒヒッ……って感じでした(?)

 

4.カメレオン・レンズ

まぁこの曲はそうなりますわねと。雨に関係はしないけど、しっとりした大人の空気に包まれる会場。イントロで淡い寒色のライトがぽわ~って二つに分かれるのが好きなんですよね。わーわー盛り上がる曲ではないのに、会場が冷めるわけでもないっていう感じがすごいなぁと思いました。それがこの曲の不思議なところで、なんというか冷めた曲調なのにサビのボーカルの熱の入り方が気持ち良かったり、演奏の刻みがノリやすかったり、かなりライブ映えする曲だなーと改めて思いました。

  

5.サボテン

昭仁がアコギを持たずにイントロが始まったので驚いた!よく見たらtasukuさんがいたのでなるほどと思ったけど、ギターを持たないでサボテンを歌ってる姿は初めて見たかも。淡い緑色のライトに照らされて、ライブ会場は暑いはずなのに、冷たくてひんやりした雨の空気が流れているように感じた。

 

MC

二人ともどっちがより雨男なのかで小競り合い。昭仁的には、7回中7回野球をやろうと思った時に雨で中止になった晴一のせいだと思っているらしいけど晴一はゴルフは中止になったことはないからと主張。なんでもいいけど9月頼みますよほんとに……テルテル坊主を作ろう。

「この曲は、この『雨男晴女』というテーマがなければおそらくやろうとは思わなかったでしょうね、10年ぶり?くらいになるのかな?」という前振りが…!

 

6.天気職人

何だろう何だろう……とワクワクしていると、キーボードのイントロが始まった。その瞬間、キャーー!!とかではなく「ああ~~~~~!!(納得)」というような声しか周りから出なかったことに笑ってしまったが、公式放送などを聞いていた人はみんな予想済みだったみたいだ。それに気づいたのか昭仁も歌いながら少し照れ笑いみたいな顔になっていた。

でも天気職人を生で聞くのは初めてだったから嬉しかった!!もう過去のシングルのカップリングなんて、こういう機会でなければ聴けることもないだろうから来てよかったなぁ~と思ったし、雨男というちょっとネガティブな言葉でも、爽やかな雰囲気にしてくれる良い選曲だと思った。

 

「ここからは!!晴れの曲をお届けしたいと思いま~~~す!!!!」と一言。

 

7.ハネウマライダー

久しぶりに、あのウエスタンみたいなイントロが聴けて大興奮!!!ウエスタンが始まった時点で準備をしている人もちらほら。全てがポルノタオルじゃない会場を見るのは初めて!まあほとんど周りはファンの方ばかりだったけど、少なからず初めての人もいたようで、フェスってこんな感じなのか~とちょっと体験することができた。しかし、密集している&グッズで買いたてのタオルが多いことから、タオルから出るもけもけが口に入る入る……かゆい……。まあ普段できない体験ということで。

盛り上がり的には超安定、やっぱりハネウマは強いな~と思ったし、「他の誰かといや!!!ここにいる君たちと~~~!!!」を聞くとやっぱりポルノのライブっていいな~と思える。

 

昭「皆さん今日は本当にありがとう。これからも、自分自身に、誇りを持って!!さぁ最後は、思い切り、大きな声で、歌ってくれると嬉しいです。手拍子も、大歓迎!」

 

8.アゲハ蝶

前振りでなぜかキンクイだと思い込んでいた私はイントロが始まってびっくり!!久しぶりに聴く気がするのでメチャクチャ嬉しかった。こういう「ファンじゃなくても楽しめる」ヒットソングがあるのは、ポルノにとって本当に大きな強みなんだな~とワンマン以外に初めて参加したことで、改めて実感した。それくらい物凄い盛り上がりだったし、ちょっと難しいかな?と思うラテンの手拍子も、戸惑っている人はいないんじゃないかと思うくらい、昭仁のリードに合わせてすぐに出来るようになっていた。ヒットソングに「頼る」のではなく、「使いこなす」という様をひしひしと体感できて、やっぱりカッコいいな~と思った。

 

 

幕張メッセ、会場的には平地でかなり辛かった(フェスなのに出ると2度と元の場所に戻れないような状況なのも厳しい)けど、セットリストも良かったし他のアーティストも見れて良かったなと思える人も多くて、行って良かったと思えた。腰と足は死にました。

同行してくれた友達もポルノかっこよかった~!!と言ってくれたし、あとでやった曲教えて!と言われたのが何より嬉しかったので、来年こそまたその子の好きなアーティストの阪本奨悟さんが出ることを私も願っておこうと思います。

 

おまけ

アミューズスペシャルバンド

ボーカルのゲストで昭仁が登場!

昭「今、活動休止しているflumpoolの隆太がよくなってステージに戻ってきてほしいという思いを込めて!歌わせて頂きます!」と前置きをして、flumpoolの「星に願いを」を歌っていました。

曲自体が良いのもあるけど、スペシャルバンドのギターを担当していたflumpoolの阪井さんも「スゴイっすよ……!!」と言ってくれた通り、やっぱり昭仁の歌声はカバーでも負けない華やかさと唯一無二の個性があって、カッコ良かった。だけど、上記の通り昭仁の心が籠っているということで、とても胸がグッと熱くなる演目でした。

 

☆それを強さと呼びたい

アミュフェスのテーマだけど、やっぱり昭仁のパートになるともうたまらなくなってしまってじーんと感動してしまった。一番ソロパートが長かったんじゃないかな?いやこれ、趣旨には沿ってないんだけど、ポルノver聴きたいですね……。

 

おしまい!

ポルノグラフィティ『雨』にまつわる32曲

もうすぐ梅雨の季節です。と言っても、自分はあまり縁の無い地方に住んでいます。ですが、ここ数年そうとも言えなくなってきました。夏は暑いしそれなりに雨も降ります。嫌です。

今週の土曜日、6/2に幕張メッセにて「AmuseFes」が開催されます。アミューズ所属のアーティストのみ、ポルノグラフィティPerfume、高橋優などが参加する年に1回の内輪フェスイベントとして定着しつつありますが、今回それに初めて参戦します。まあ、アミューズアーティスト自体が丸ごと好きというわけではないのですが、ポルノ目当てで気軽にチケット取りました。どんな雰囲気なのか楽しみです。

今回のAmuseFesにはコンセプトがあり、「雨男晴女」というサブタイトルがついています。アーティストがそれぞれ「雨チーム」「晴チーム」に分かれて何かしら競い合うそうです。

もちろんポルノグラフィティは雨チーム。もちろん、というのは、ポルノは自他共に認める(残念ながら)雨バンドなのです。行く土地行く土地で雨。大事なライブで雨。冬は雪。もう逆に伝説の野外豪雨ライブの映像は必見です。9月に行われる野外ライブでは雨が降らないよう祈るばかりです(しかし公式にポンチョが発売されるなど既に雨対策が行われています)。

 

そんな何かと厄介者の雨ですが、「雨」をテーマとした曲には名曲も多い(自分調べ)。今回、『雨チームということで、普段とは少し違う曲とかも披露できたら』とアミュフェス公式放送で岡野氏も話していた通り、何が聞けるのか非常に楽しみにしております。

せっかくなので、ポルノの「雨」という言葉が入った曲を簡単にまとめてみました。

 

☆シングル

サボテン

『何処にいるの?こんな雨の中 どんな言葉待ってるの?』

雨、といえばポルノでいうとこの曲が真っ先に上がりそうなサボテン。ぐずついた天気と恋愛模様、そして「水をあげすぎるとダメになる」サボテンを見事に絡めたさっぱりとしつつ哀愁漂う曲。

 

愛が呼ぶほうへ 

『償う人の背に 降り続く雨 綺麗な水をあげよう 望むまま』

「償う人」とあってもこの雨は、断罪ではなく、罪を洗い流してくれる美しい雨。天気ではなくても、こうした比喩的に使われている「雨」にも色々な意味がある。

 

Winding Road

『この雨に流されて 全てが嘘だともう一度微笑んで』

歌詞にも出てくる「時雨月」は、10月の誇称。空から落ちた雨は涙になって、心をそっと濡らす。だけど涙で流れて現れるものは真実だけ……

 

今宵、月が見えずとも

『今宵君は誰に抱かれているのか 雨に一人泣こうか』

でもこの主人公、こんなこと言って雨風しのげる屋根の下でグーグル検索しちゃうんですよ。太宰とか読んじゃうし。いっぺんザアザアと雨に打たれてみたいとは思ってるんだろう、そしてそれが現実になったとき、彼は変わる。

 

EXIT

『地上では強い雨降りだして来たんだろう 濡れた車体』

地下鉄の曲なんだけど、私自身が「地上に出る地下鉄」になじみがない田舎者のため最初は「?」となった。ただの情景描写としても捉えられるけど、この「雨」は、何か嫌なことや世間のしがらみのような物の隠喩だとも思っていて、地上の人々は濡れることを厭わず日々の生活を送っているのに、まだ地下の出口から出られず自分は濡れることを躊躇っている。そんな意味にも思える。

 

東京デスティニー

『男なら何度でも惚れた女(ひと) 守り抜く
身を呈し雨風も躙り寄った時代(とき)の炎も』

そうなんだ……って感じです(……)。「躙り寄る」の変換が地味に面倒だった。

いや読んでて恥ずかしくなってくるなこの歌詞。なんちゅうか……うん……メチャメチャにベタな展開のトレンディドラマって感じです。はい。

 

THE DAY

『決して明けない夜も 降り続けて止まない雨も このろくでもない世界にはあるんだよ』

「いつか幸せになれるよ」と言うのは簡単だが無責任だ。「辛いこともどうにもならないことも、この世にはある」と言い放つのも優しさ。そこから自分の足でどう歩くか、自分を変える「その日」になるまで、歩き続けることができる人は強い。

 

☆アルバム曲

憂色~Love is you~

『空に許された雨は キミを濡らしてから少しだけ 昨日までの痛みをそっと溶かしてゆく』

空に許された雨、というのがなんとも優しい。晴一はどこか天気というものを誰かの気紛れと捉えている節があるように感じる。


マシンガントーク

『シャワーの様に降りかかるコトバの雨に打たれていたい』

おしゃべりな彼女の発する「言葉」を比喩的に捉えた表現。2番ではこの「コトバの雨」が降り注いだ結果、海になります。


デッサン#1

『空の高いところで生まれた雨粒が、僕の足元に落ちて 今、はじけて消えてった。』

一番最後のフレーズ。見えないところから生まれた水の滴が地上に落ちてくるまでどれくらいの時間がかかるのだろう。様々な要素が混ざりあって生まれるもの、雨と同じように、愛もまた消えていく。アルバム「ロマンチスト・エゴイスト」には意外と「雨」という言葉が多かった。


愛なき……

『君は砂 僕は雨水 交わるたび澄んだ愛に変わる』

「君は砂」ってすごい表現じゃないですか?いくらなんでも砂って。綺麗なフレーズだけどこの曲自体はなんともいえないジトッ……とした汗ばむ感じの湿り気があります。


空想科学少年

『あの娘ももういらないよ 雨の中で nothing nothing』

名曲の中にも雨。悲しい雨です。つらいことがあった時に雨に降られると追い撃ちのような気持ちになる。しかしそんなことも感じたくない、心なんていらない……と少年は思っているのだ。


パレット

『雨は降り続き雲に隠れたまま 泣いている月を見つけた鳥はもう唄うのをやめてしまった』

この前のAメロが前フリになっているんですけど、何度見ても音読したくなるくらい秀逸なフレーズです。悲観的に物事を見すぎると本当にそんな風になってしまう。月は泣いているとは誰が言ったのか。鳥は唄を忘れていない。自分が聴けなくなっただけなのに。

 

元素L

『雨なら傘を 晴れたらランチを 君には毎日親密な日々を』

愛する人にとって、必要な時にそっと寄り添える存在でありたい。ごく自然な姿で。そんな小さな希望が、雨の時の傘という形で現れているように思う。

 

∠RECEIVER

『雨が家を沈め 波が町ごと浚った 奪った』

テーマが重たいものを扱っているので歌い出しから切実かつ無力さを感じさせる。自然の力は脅威だ。恵みの雨も時に暴力となる。しかし人は強く生きている。私はこの曲が好きです。

 

カシオペヤの後悔

『灼熱のプライドが激しい豪雨に打たれたように冷たい』

「激しい豪雨」って若干頭痛が痛くないですか。岡野詞の特徴だと思ってます。でもそれが尚のこと、灼熱を冷たくするほどの雨ってことが際立ってて効果的な気がします。後悔先に立たず、一時のミスで取り返しのつかないことになってサーッと血の気がひく。そんな曲。

 

wataridori

『降りだした雨は羽を濡らした 止むまで少し休もうかな』

時には辛いことから一旦逃れることも大切。雨宿りすることで何か見つかるかもしれないから。渡り鳥のように、人生という長い旅を続けるには必要な休憩もある。とても優しいこの曲からはそういった「ゆっくりでも進み続ける」というメッセージが込められているように思う。そして辿り着いたそこには、自分にとって出会うべきものが待っている。それは人かもしれない。本かもしれない。音楽かもしれない。

 

君の愛読書がケルアックだった件

『雨の冷たさを 空の高さを Don't think,feel』

 考えるな、感じろ。少し風変わりな彼女に近づくには自分も今までにはない違う感覚を持たなければ。最後に雨に打たれたのはいつだろうか。突然の大雨で傘もさせないような時って、もうどうでも良いや!って逆に楽しくなりますよね。


Fade away

『慈しみの雨が私を通りすぎたら 心の隅がまたうずき始めたの』

あまり他の曲にはない「慈しみの雨」。人に優しくされても、どうしようもなく不安で不安でたまらない。逃げてしまいたい。消えてしまいたい。自分が悪いとわかっているから優しい言葉が辛い時ってあります。

 

☆カップリング

サボテン Sonority

『何処にいるの?こんな雨の中 どんな言葉待ってたの?』

タイトルの通り、「サボテン」の後日談。メロディは同じでアレンジと歌詞が違うので、サボテンを聴いてからだとなお深みの増す曲。「待ってるの?」→「待ってたの?」

過去形……そうか……


Swing

『雨が止んで賑わう街に 君の声はもう響かない』

これも悲しい雨。止んでいるのに、乾いているのに、心が晴れていないような曲。無味乾燥で淡々とした気持ちになる。


蝙蝠

『細い雨がただあなたへと 降り続くなら』

この曲の雨は、綺麗でありながら残酷。雨は汚れを拭い去ってくれる。しかし、「あなた」に雨は降り続き、およそ突き刺さるくらいなのに、「あなた」の中にある陰りは消えない。濡れてつやつやと黒く光る蝙蝠の羽根のような曲。


ワールド☆サタデーグラフティー

『土曜日なのに雨だね ここは東京なのに1人だね』

これは単純に天気がアクセントとなっている曲。東京なのに1人でもいいけど土曜日なのに雨は嫌ですね。私はインドア大好きですが、出掛けようと思ってた時に限って雨となるとやる気をなくします。


見えない世界

『空から降りだす雨に 強すぎる風のいたずらに』

ここのパートは次々と「困難なもの」が現れてきます。「僕らが目指す理想は 月のように形を変えていくけどずっと空にはあるのだから」という歌詞が大好きなんですが、雨が降って月が見えなくなることも多々あるでしょう。だけど上を見上げるだけでも何か変わるかもしれない。

 

Hard Days,Holy Night

『雨は夜更け過ぎに何に変わるんだったっけ?』

どこかで聴いたようなフレーズ。クリスマスに深夜まで働き、彼女の元へ向かうため飛び乗るタクシーのラジオから流れているのはあの有名な……。ホワイトクリスマスが自分にとってはまるで珍しくもないので、「雪も降っていないけれど」という歌詞に当時「異常気象だ」と思った事を思い出しました。


小説のように

『永遠に雨が降り続けばいいのに』

悲しいものとして扱われがちな雨。しかしなぜ雨が降り続けばいいと主人公は願うのか。それはぜひ曲を聴いてみて頂きたい……岡野昭仁の創作恋愛系の曲で最も美しいんじゃないかと思う歌詞。展開がドラマチックなのに、歌声が澄んだように綺麗で泣きたくなる。

 
小規模な敗北

『焼け野原を冷ます雨が落ちて 青春の日が生焼けのままで』

「青春」という言葉に対して「生焼け」という言葉で返す曲ってあります?!新藤晴一よ。燃え盛る情熱も、老いと共に冷めていく。まだやりきっていないのに、もう食べられたものではないからあとはフォークでつつくだけのあの日々。雨というより「生焼け」という言葉の巧さに舌を巻く。


Rainbow

『走る 走る 時を忘れ 疲れ知らぬ 風の子たちは 雨が降れど ものともせずに まだ走る』

雨の後には虹。ベタな表現ではあるけれど、岡野昭仁が使うと等身大なポジティブさが強調されて、綺麗事ではない剥き出しの強い光を放つ。「風の子たち」って可愛い。


LIVE ON LIVE

『何度となく降り注ぐ強い雨に打たれ 痺れた足 奮い立たせて走り出した』

いつまでも、ではなく「何度となく」なのがミソな気がする。公式音源がLIVEバージョンしかない稀有な曲、情熱と泥臭さと熱狂と混乱と歓喜。雨を払い除けて続けてやってきてくれたからこそ今がある。そしてこれからも、ずっと続くと信じて……

 
Part time love affair

『声に出来ず消えていく「Why?」 降りだした雨 滲んでいく景色』

なぜ、なぜ、なぜ……それだけが主人公の心の中に浮かんでは消える。どんよりとした空模様は自分の心のよう。曇ったガラスにWhyってたくさん書いちゃったりする。「君はそうか Wのマーメイド」とか言い出すまでの過程が面白い。雨が心象風景である使い方。


夕陽の色

『雲が流れ 雨が降って また晴れを待つように 時間の流れに身を委ねた方がいいだろう』

またくどくどと説明的な岡野詞。しかし「雲が流れる=時間の経過」というのはROLLでも見受けられる表現なので、それだけじゃ足りず雨が降りまた晴れるまで、あなたを忘れるためにはそれだけの時間が必要という意味にも思える。

 

 

 

ここまで様々な「雨」の持つ意味をぐだぐたと書いてきたけど、ポルノファンが誰しも悪い天気や雨の理由を問われた時に、真っ先にこう答えるだろうという曲がある。

 

天気職人

『雨にもちゃんとした素敵な理由(わけ)がある 誰かのことを想う時にはこぼれる涙隠してくれる』

 

お空の上には、天気職人という、天気を作る人がいて、しかめっ面でひたすらに心を込めて夜のうちに明日の世界を覆う空を染め上げている。その天気によって、物語が動き出す人々。ファンシーかつハートフルな世界観のこの曲。あったけぇ~……こんなにほっこりする曲は例にないくらい、なんだか絵本のような、オムニバス小説の中の一話のような、そんな曲です。ポルノファンは大体天気職人はいるものとして話を進めているはず(自分調べ)。

雨が降っても怒っちゃだめです。それはきっと誰かの涙を隠しているのだから……

まあ普通に天気は良い方が嬉しいですけどね。しまなみロマンスポルノ、雨が降りませんように!がんばれ天気職人!アミュフェス楽しみ!

 

 

シスター

シスター

 

 

 

今まで参加したポルノグラフィティのライブセットリストまとめ【最新→BE】

完全に自分用備忘録です。印象に残った曲や出来事など一言メモとして添えています。

「自分が見た公演」の内容なので、DVD等に収録されているセットリストとは若干異なるものがあります。また、あくまで今まで自分が行ったものしか記録していないので、各ロマンスポルノ、やってきたのBパターン、∠TARGETの様々なパターン、そしてパ、パノラマ42……などは載っていません……

 

(見出しのタイトルクリックでジャンプ)

 

 

 

     RE・BODY(ポカリスエットのシールを集めて当たる抽選ペアチケット全国1500名)

 2006.10.30 Zepp Sapporo

 

Name is man~君の味方~

サボテン

フィルムズ

朱いオレンジ

アゲハ蝶

INNERVISIONS

Devil in Angel

Winding Road

デッサン#1

リビドー

メリッサ

まほろば◯△

Century Lovers

PRIME

ミュージック・アワー

ハネウマライダー

EN Swing

   愛が呼ぶほうへ

   ジレンマ

 

メモ:初めてのライブ。整理番号100番台。物凄く緊張しておなかが痛くなった。昭仁が口にポカリを含んで客席にそのままかけたので手を洗わなかった。晴一が足をステージ外にちょっと出したら後ろから人が殺到して圧死した。晴一がズボンを少し下ろしてカルバン・クラインのオレンジ色のパンツが見えた。Davil in Angelでメチャクチャ変な歌詞間違いをしていた。

良かった曲:デッサン#1の長い長い間奏と、カッ!!と光るフラッシュのような真っ白なライトがカッコ良かった。まほろば○△。リビドー。PRIME。INNERVISIONSのイントロアレンジがカッコ良かった

今見るとヤバセトリすぎてもう一回行きたい

 

  OPEN MUSIC CABINET

2007.6.3  真駒内セキスイハイムアイスアリーナ

 

m-NAVI1

ハネウマライダー

オレ、天使

Devil in Angel

BLUE SKY

アポロ

BLUE SNOW

ヴォイス

休日

Winding Road

サウダージ

Mr.ジェロニモ

m-FLOOD

PRISON MANSION

横浜リリー

DON'T CALL ME CRAZY

Century Lovers

(メドレー)

 NaNaNa サマーガール~NaNaNa ウィンターガール

メリッサ

アゲハ蝶

グラヴィティ

EN ウェンディの薄い文字

   ライン

   ジレンマ

 

メモ:後にも先にもアリーナツアーは現時点でこの時だけ。正直ダンスは蛇足だと思ったけど曲が派手なの多くてとても楽しかった。シルビア聴きたかったけどよく考えたらライブハウス向きだったからかも。

良かった曲:DON'T CALL~はやっぱりカッコよすぎる。オレ、天使のツアー用ナレがなんか好きだった。ラインも良かった。この頃はアンコでしっとりさせる→ジレンマの流れだったけどひたすらテンアゲさせて帰る方がすき

 

  ポルノグラフィティがやってきた 

2008.1.7 Zepp Sapporo

 

(OP)ロックバンドがやってきた

Please say yes,yes,yes

メリッサ

Light and Shadow

リンク

ミュージック・アワー(ver.ビタスイ)

農夫と赤いスカーフ

ウォーカー

そらいろ

鉄槌

空蝉

鯨(カバー)

My80's

ネオメロドラマティック

ジョバイロ

ROLL

ハネウマライダー

マシンガントーク

ベアーズ

EN あなたがここにいたら

   ジレンマ

 

メモ:シンプルな構成で良かった。ライブハウス4Daysという贅沢すぎる日程、今だったら全部行ってたな……。

昭仁が結婚直後のタイミングで、最後の最後客がお祝いムードになってしまいびっくりしてたけど嬉しそうに見えた……けど今となっては迷惑だったのではと、思い出すと胸が痛む

良かった曲:ROLL(泣いた)、リンク(泣いた)、鉄槌(こわかった)。あと晴一が歌詞提供したBuzyの鯨、キーまで思い出せるくらい印象に残ってる。良かった。鯨、そしてFiarlifeのモンスターがDVD未収録なのは本当に勿体ない。

全体的にバンド感が強くて演奏の迫力がすごかった

 

    FUNCLUB UNDERWORLD  3

2008.11.13 Zepp Sapporo

 

学園天国(フィンガーファイブ)

ツッパリ High School Rock'n Roll(横浜銀蠅

卒業写真(松任谷由美

ビタースイート

ギフト

A New Day

約束の朝

Love,too Death,too

Century Lovers

ネオメロドラマティック

EN 今宵、月が見えずとも

    Please say yes,yes,yes

 

メモ:初めて参加したファンイベ。学ランのコスプレでクイズ大会などほっこり盛り上がる感じで楽しかった。

良かった曲:卒業写真のカバーは良かった。ビタスイの記憶が全くないのが悔やまれるがカッコ良かったにちがいない

 

    ロイヤル ストレート フラッシュ

2009.4.3 北海道立総合体育センター きたえーる

 

今宵、月が見えずとも

ギフト

メリッサ

リンク

サボテン

リビドー

東京ランドスケープ

Love,too Death,too

月飼い

ROLL

ハート

あなたがここにいたら

Didgedili

(メドレー)

DON'T CALL ME CRAZY~ジョバイロ愛が呼ぶほうへ~アゲハ蝶~アポロ~ミュージック・アワー

Century Lovers

空想科学少年

ハネウマライダー

Mugen

ネオメロドラマティック

シスター

EN ダイアリー00/08/26

  Please say yes,yes,yes

  ジレンマ

 

メモ:10周年。既存曲のアレンジがオシャレでカッコ良かった。月飼いと空想科学少年で爆上がりした記憶。しかし東京では月飼い→蝙蝠と聞いて血涙を流した(どっちも同じくらい好き)

良かった曲:月飼い。空想科学少年。

 

    ∠TARGET

2010.6.30 さっぽろ芸術文化の館(ニトリ文化)

 

∠RECEIVER

アニマロッサ

Go Steady Go!

Mugen

IN THE DARK

瞳の奥をのぞかせて

Rainbow

邪険にしないで(北海道Ver.)

この胸を、愛を射よ

クリシェ

光の矢

ロスト

今宵、月が見えずとも

MONSTER

ネオメロドラマティック

ネガポジ

ミュージック・アワー

ギフト~∠RECEIVER

EN メリッサ

   ハネウマライダー

 

メモ:ジレンマやんなかったわ?!ってなって親に報告したら「飽きたんじゃない?」って言われてその時実は本当に本人たちが飽きていたという話

コーレスやるならネガポジよりセンラバだなぁ……とぼんやり考えていた

良かった曲:∠RECEIVER、ロスト、MONSTER、アニマロッサ

 

    ラヴ・E・メール・フロム・1999

2013.12.22 北海道立総合体育センター きたえーる

 

青春花道

ミュージック・アワー

オレ、天使

ヒトリノ夜

エピキュリアン

サウダージ

東京デスティニー

ルーズ

愛が呼ぶほうへ

瞬く星の下で(アコースティック)

サボテン

ラック

音のない森

夕陽と星空と僕

(メドレー)

Mugen~君は100%~ギフト~あなたがここにいたらLove,too Death,too~Before Century~幸せについて本気出して考えてみた~Mugen

アゲハ蝶

Let's go to the answer

メリッサ

ハネウマライダー

ひとひら

アポロ

EN Hard Days,Holy Night

   Sweet Home Sapporo(ブルース・ブラザーズ「Sweet Home Chicago」のカバー、ご当地替え歌)

   ジレンマ

 

メモ:15周年。事情があり久しぶりのライブ。青春花道が一曲目だったのがすぐ忘れられて良かったと思った。曲が新→古になっていく演出はわかってても感動した。締めのアポロで上からクレーン使って出てきたのはテンション上がったしなんか面白かった。アンコジレンマに戻してくれてありがとうと私は思った。アンコのカバーも珍しくてこういうのもいいなぁと思った

良かった曲:ルーズ、ラック、夕陽と星空と僕ひとひら、アポロ、愛が呼ぶほうへ(号泣した)

やっぱりラックとか渦とかゴリゴリのロック曲どんどんやってほしい、カッコいいから

 

  The dice are cast

2015.11.5、6 ニトリ文化ホール

 

ANGRY BIRD

俺たちのセレブレーション

Stand Alone

空が青すぎて

ソーシャルESCAPE

ポストマン

ジョバイロ

螺旋

ミステーロ

バベルの風

AGAIN

メリッサ

wataridori

瞳の奥をのぞかせて

サウダージ

Century Lovers

Good luck to you

Mugen

Ohhh!!! HANABI

オー!リバル

EN デザイア

   ジレンマ

 

メモ:演出が色々とスタイリッシュで良かった。サイが動くのはやっぱり興奮した。オープニングからのANGRY BIRDが一生見てられるくらい好きだった。瞳の~はアレンジも何もかもが素晴らしかった。アンコの「そんなに名前を呼んであなたたちはなんて欲深いの!」→「デザイア」の流れが好きだった(映像入りせず)。

良かった曲:ANGRY BIRD、瞳の奥をのぞかせてwataridori、AGAIN、オー!リバル

 

 

  FUNCLUB UNDERWORLD 5

Zepp Sapporo

 

Jazz up

Century Lovers

ヒトリノ夜(インディーズ歌詞)

ライオン

憂色~Love is you~

Heart Beat

マシンガントーク

デッサン#1

アポロ

ラビュー・ラビュー

ジレンマ(Lap 昭仁)

リビドー

ロマンチスト・エゴイスト

 

メモ:ファンイベ。ロマンチスト・エゴイスト再現ライブとかいう約束された勝利。良くないはずがなかった。良くないはずがなかったが、想像を越えていた。ありがとうポルノグラフィティ

Jazz upは焼き鳥のネタ、憂色はキー下げ

良かった曲:全て

 

   BUTTERFLY EFFECT

2017.11.23 釧路市民文化会館 25、26 ニトリ文化ホール

(2018.2.9)山梨

 

夜間飛行

Montage(→LiAR)

真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

ワールド☆サタデーグラフティー

ダリア

ネオメロドラマティック(→リンク)

メリッサ

Working men blues

170827-28

君の愛読書がケルアックだった件

クリスマスのHide & Seek(→MICROWAVE)

カゲボウシ

月飼い

Part time love affair

Fade away

ギフト(→Rainbow)

Rainbow(→ギフト)

THE DAY

ハネウマライダー

キング&クイーン

EN ミュージック・アワー(→カメレオン・レンズ)

   ジレンマ

 

 メモ:他の趣味などにうつつを抜かしていた私をビンタする勢いで引き戻したおそらく今後語り継がれるであろう良セトリ、良演出、良演奏。生まれてきて良かった

良かった曲:捨て曲はないが、強いていうなら夜間飛行、MICROWAVE、月飼い、Part time love affair、Fade away、THE DAY 

【ライブレポ】ポルノグラフィティ15thライブサーキット BUTTERFLY EFFECT 感想【後編】

後編です。前編はこちら

 

参加公演
2017.11.23 釧路市民文化ホール
2017.11.25、26 札幌ニトリ文化ホール

3公演まとめての内容になります。 

 

 

 

昭仁の弾き語りが終わり、晴一が重く暗いセッションの中で散文詩のような言葉たちを語り出す。

 

午前5時に反転したものは

夜と朝 本当とウソ

海底から見上げた魚は空を飛んでいて

空から見下ろした鳥は海を泳いでいる

夜の本当は朝のウソ

午前5時に反転したものは

一瞬と永遠 沈黙と静寂

二人黙った時間を「沈黙」とよび

一人黙った時間を「静寂」とよぶ

一瞬の沈黙と永遠の静寂

午前5時に反転したものは

午前5時に反転したものは

 

加わるギターソロ。

 

新藤晴一は基本「発信したい」人だ。

ライブのMCでも、今回だとアルバムのコンセプト説明や、これからのポルノのあり方などを、代弁者として語るのは晴一だし、ツイッターもやっているし、ラジオのレギュラーも続いているし、昔は自らテキストサイトを運営、ブログの開設などもしていた。雑誌の連載はエッセイ的な本になっているし、小説も書く。いつでも自己表現の場を欠かさない。

 

その新藤晴一が、いざライブでコーナーを持つとなると、一言も「おしゃべり」をせずに、己の紡いだ言葉とギターセッションのみでこちらに勝負を仕掛けてきた。この潔さ、多くを語らずとも俺を感じてもらおうじゃないかという、表現者としてのプライドに圧倒された。

 

私の好きな新藤晴一の要素がここにある。「えへへ…こんなんできましたけど…」ではなく「おら!!!!!聴け!!!」という、こういうクリエイターとしてポジティブな自信がある所。それが結果として万が一不評であろうが、持てる駒の中から全力で選び抜いたものを全力で出す。 それなのに全力であることを感じさせない様に普段は飄々と振る舞っているのが新藤晴一という男の魅力と私は思う。

 

 

 

一体何が始まる……?と誰しもがまだ思っているなぁと感じていた。

 

「本当とウソ」みたいなフレーズでLiARかなとか思ったけど、ヘソ(ポルノのライブにある雰囲気の転換も兼ねた大きな見せ場)でやるか?と思ったり、「午前5時」でグァバジュースもよぎったけどまず無いだろうなってくらいの、重く陰鬱とした空気。

 

何が来るのか予想がつかないまま、セッションの高まりがピークになり一瞬の間が生まれた時、

 

 

 

 

 

 

 

「月を飼うのと 真夜中に」

 

 

 

 

 

 

 

 

M12 月飼い

 

 

???!?!?!??!??!?!??!?!??

 

え………

 

普通に1回目の時の記憶ない。嬉しかったのかびっくりしたのかも覚えてない。

 

かなりの衝撃だった……そこそこライブは足を運んでるけど衝撃ベスト3には余裕で入る。

 

実はtasukuさんがセッションの間、裏でずっとイントロのリフを弾いていたと後から気付いたけど、始めは全く気付かなかった。

こんなにヤバいアレンジでこの曲を持ってくるなんて……。

 

曲としては、原曲の浮遊感は若干減ってバンドサウンドが前面に出ている感じ。この曲の好きなところって、終始続く「食い違い感」なんだけど、その雰囲気はそのままで。明るいけど切なく。悲しいけど、どこかふわっとしてて、現実だけど空想みたいな。

 

アウトロのごちゃごちゃしてて気持ちがどっか別の所にトリップしそうなぐわーーーーーって迫ってくる感じが最高だった。

 

最初のサビからバーーーッと展開していくのも気持ちよかったし、こんだけ愛されてるとわかっているものを大きく崩して、今までと全く違う魅せ方をしてくるのにやられた。やられまくった。

 

この「月飼い」という曲は、シングルのカップリングにも関わらずファンからは根強い人気があって、いわゆる「隠れ名曲」みたいな扱いで、そうなっているのも本人たちは知っているはずだし、それをヘソにあえて持ってくるというのはちょっとだけ「月飼いはレアであってほしい」自分が顔を出した。

 

でも、今後全てのライブに行けるわけでもないだろうから、ツアーでこうして出し惜しみしないで聴かせてくれるっていうのは、本当にありがたい。しかもあんなにカッコいいアレンジで。

 

ポルノのライブにはほぼ必ず、転換も兼ねた大きな見せ場、通称「ヘソ」がある。

今回のヘソの基本的な演出案は十中八九、新藤晴一だろう。

ギタリストという立ち位置ゆえ、きちんと設けられたMC以外では発言しないものの、独特の世界観を持ち、ポルノの活動におけるストーリーを生み出しているのは この新藤晴一という男の存在が大きい。

そしてそのストーリーに声で色をつけているのが昭仁で、言わばポルノグラフィティは、全く別の2つの個性、2つの才能が融合したバンド。作画と原作、バクマンの亜城木夢叶、あしたのジョー高森朝雄ちばてつや、チーズがトマトを、トマトがチーズを引き立てるッ!!そんな関係なのである。

 

(ここからファンからの目線が強い余談が続きます。次の曲は ↓ マークまでスクロール)

 

今回のツアーに関して、晴一が雑誌で、これまでのライブとは少し違ったものになりそうですか?という問いかけに対して

「そうなると思います。ポルノのライブを何度か観てもらった人はわかりやすいと思うけど、今までのライブでやってきたことをもう少し延長線上で推し進めてみるものになると思う。ポルノの世界観を、より作れないかなと思っている」

という発言をしていた。なおかつ、「ツアー1本の大きさの意味を考える」とも言っていた。

 

「月飼いはいいぞ」と、ポルノのファンなら1度は周りに勧めたことがあるであろうこの曲(自分調べ)、そのせいもあってか札幌1日目に一緒に行った母と妹は「聴けてよかった~~!!」と大絶賛していた。

また、メリッサのカップリングということもあり、「このCDだけ買ったことあるから好き」という人もよく見かける。

長らくのファンからはサプライズ的に喜ばれ、そんなに大ファンというわけでもない人にもウケがいい。最高のチョイスだったと思う。

 

私はこの月飼いで今回の意図がガチッと伝わった。

おそらく、ツアー1本の意味を考えるという意味の答えの一部はここにあるだろう。

 

しかしまだまだ、「ポルノの世界観」は続いていくのであった。

 

 

↓  ↓  ↓ 

 

M13 Part time love affair

 

この曲をここで……!!シングルのカップリングなのによくぞ捻じ込んでくれたと思う。いわゆるポルノの「ダーク」な部分に突入。

 

しかし、もう中盤を超えたというのに声の調子がすこぶる良い!!

今までで一番、疲労を感じさせないパワー。そしてパワーがあるのに、滲み出る色気。

あんまり軽率にこういう言葉を使うのは好きじゃないけど本当にセクシーだった~~~~~なんだあれ。

そして昭仁のブルースハープ!!!!

久しぶりに見た……あれは良いものだ………。私大好きなんです。昭仁がハーモニカ吹いてる姿。

しかも、原曲だと合いの手で入ってるのはトランペットなんですよ。でも、自分はあんまり音源のトランペットの音が好きじゃなくて……ちょっとオッサンな音作りすぎるというか。好みではなくて。

だからこっちの方が断然好き。早くDVDほしい。

もうめっちゃくちゃカッコ良かった。これ映像に入らなかったらマジで咽び泣く(とこの時懸念していた)。今回色々と挑戦しているのでセトリどう変わるのか全く予想がつかないけどこれは変わらずであってほしい。

 

 

 

M14 Fade away

 

Part time~になった時に闇ゾーンだとは分かっていたので「なるほどな」って感じの曲順。

いやーーーーーーーこれはライブで聴けて本当に良かった曲。重厚感のある演奏と、昭仁のまさに「咽び泣く」様な歌い方が、CDでは絶対に得られないものになっていて、何回音源を聴きなおしても「ライブで聴きてぇ~~~~~!!!!!」になる。

 

今回のライブは本当に音作りが好きすぎた。Part time~のトランペット→ブルースハープへの変更もそうだけど、バンドの域を出すぎず、ポップになりすぎないけど満足感のある作りになっていて、「バンドで出せる音でどこまでできるか」っていうことを突き詰めているように感じた。ダリアが異様にカッコよく聴こえたのも多分そのせい。あのギターソロが完全にCD音源食ってた。

 

ポルノのライブって、ある程度完成されているものを観に行ってるから、ほぼ満足して毎回終わるけど、行くとやっぱり「ああCDとは違うな」って思えるのが大きい。もちろん良い意味で。歌が上手い上手いって言うけど、やっぱり生で聴いたときの声の厚みが違うから体で感じてほしいんだよな。

 

あと今回のアルバムでは、昭仁の声が格段に「おや?」と思うくらい新しい色がついていて、それが「艶」。特にこの「Fade away」では、具体的に明示されているわけではないけど「女性の歌かな?」って思わせるくらい声が色っぽくて、なのに力強くて、ぐっと芯が詰まってて折れなさそうな感じがする。だけど色っぽさっていうのは「繊細さ」にも通ずるところがあって、それがこの曲の不安感とか、目に見えない者への怯えを表しているような気がする。メチャクチャよかった。

 

 

M15 ギフト

 

テーーーンテーーーーンテーーーーーン…………という繋ぎのリフが入り、

昭「今日は、皆さんに色んな色のポルノを見てもらえたと思います!ここからは!!皆さんに!!希望の歌を届けたいと思います!!」

一気に救いのゾーンへ。MCなしのノンストップで、ああ、もう終わりに近づいているんだなと感じる。

 

ギフトは改めて名曲だなと気付かされた。ただあのクソデカ歌詞テロップはやっぱりダサい。

札幌2日目は号泣してしまった……大人になってからの方がより切なく感じる。もちろん自分が当時学生だった頃とか、今の若い子にとってもアンセムになりえる歌詞なんだけど、大人の今聴くと「まだまだやれることがあるはずなのに」と思わせてくれる。

ポルノの、こういう明るいジャンルで最も好きかもしれない。

 

晴一詞ってのが良いんだよね。最後まで「心さえ軽やかに行けたら……」って、行けない、行きたいっていうそのもどかしさ、あともう半歩!みたいな所が未完成さを醸し出していて、この自問自答感がたまらない……。

そして晴一さん、コーラスがんばって!

 

 

M17 Rainbow

 

イントロなしなのでスッと入ってくる。ライトがパステルカラーで、絵の具を水に垂らしたような淡い映像が綺麗だった。

Rainbowはなぜかまた?って思ってしまったけど最後に聴いたの2010年だった。あれ。

希望の歌って感じにしては意外と厳しいこと言ってたりするこの曲。だからあんまり聴けないのかも……。

まぁライブで聴いたらやっぱり楽しかったけどね。

 

 

 

M18 THE DAY

 

この曲が「希望の曲」としてカウントされているの、メチャクチャ熱くないですか?そこがまずカッコ良かった。そこに入れるかポルノ。熱い。

 

昭「君たちが!!!今いるその場所から、もう一歩踏み出したいと思うなら!!!今日が、今日が『その日』になるように、その1歩を踏み出せる日にしてください!!!『THE DAY』!!!!!」

 

お、岡野昭仁~~~~~~~!!!!!!!!

いやもう本当にこの前振り曲がわかっても最高すぎた。「その日」にね……グッと来ますよね……

 

この消費カロリーが高そうな曲を後半にやっても、まぁ~声の衰えないこと。今回は本当にスゲーーー!!!!ってなった。息継ぎしにくいハイトーンだよ。すごいな。

 

この曲の良かったところはなんと言っても、あのドドドヤバい間奏でしょう。ギターソロのアレンジと昭仁のかけあい。

まず晴一が通常ギターソロの部分でデレレデレレデレレ……とやり始めた時点でもう大興奮。

 

 

デレレデレレデレレデレレ………

 

デーンデーンデーンデーーーン!!!

「アァーーーーーオ!!!!!!!」

 

え?!?!?昭仁のシャウトが綺麗すぎる!!!!!!今回、こんなに「シャウト芸」みたいなのやり出したの初めてみたし、圧倒された。新たな武器を手に入れましたよ感満載で、大盤振る舞い。今までギターソロはギターソロで晴一の時間って感じだったけど、こういうのもいいな………

二人ともめちゃくちゃカッコ良くて毛穴ぶちあいた。

 

 

 

M19 ハネウマライダー

 

大興奮の所に畳み掛けられてもうハイ状態。タオルまわしましたわ。もうこの曲は、とにかく飛んで跳ねてタオルまわして叫んで、た、楽し~~~~!!!!ってなるしかない。

昭「他の誰かといや!!!ここにいる君たちと~~~~!!!!!」

これを聴くと本当に、ああ来て良かったな~~~って思う。釧路では昭仁が興奮しすぎて「触れ合った瞬間に、歯車が回るんじゃあ~~~~~!!!!!」とか言い出して、いや千鳥かよ!!になってゲラゲラ笑ってしまった。楽しいんですとにかく。

 

 

 

M20 キング&クイーン

本公演、本編のラストナンバー。

ポルノの「陽」の曲(そして作詞:岡野昭仁)の中でも、ちょっと振り切れ過ぎててけっこう好き嫌いが分かれている印象のあるこの曲。だけど、私はライブのラストナンバーとしては、ものすごく相応しい曲じゃないかと思う。

 

昭「強さとは!己自身を、何度でも信じられること!!」

 

曲の前振りでも、歌詞を引用して言っていたこの言葉のように、多分岡野昭仁という人が、こういう生き方をしてきたから書ける、そしてポルノグラフィティが、自分たちのやり方を信じてきたからこそ、この最高のライブになったんだろうし、そう思うと、ずっと続けてきてくれてありがとう、最高のステージをありがとう!!という気持ちになれた。

 

「また次の一歩を刻む いつでも挑戦者でいよう」

 

正直こんなベッタベタの歌詞は岡野昭仁でも稀ってくらいなんだけど、こんだけ売れても有名になっても、たくさんのファンがいても、なお挑戦を続ける、「最新が最高」であり続けるポルノだからこそ堂々と言える、そんな気がした。

 

明るくて開放的なメロディーが勇気づけてくれる。最後のコーラスは「もっと!もっと!」っと煽られ、会場の熱気はこれ以上ないくらいピークに達していく。「ええね!君たち最高だよ!!」

パーン!!と飛び出す特効銀テープ………な、何も書いてねぇ無地!!!!不満があるとしたらこれだけです!!!でもいい!!!最高!!!!ポルノ最高!!!!!

 

ステージ画面に大きく映った虹色の蝶。その蝶が羽ばたいて、光を放っている。その羽ばたきが、我々に小さな風を、バタフライエフェクトを起こしていく。

やがて蝶は光の粒になり、その光の粒が「BUTTERFLY EFFECT」という文字を作った。

 

 

最後のアウトロが終わり、本編が幕を閉じた。

ステージメンバーが笑顔で捌けていく。

 

 

 

程なくして、アンコールを求めるコールが響く。相変わらずアホみたいにダサいコールだな……と思いつつ、こんなに全力でアンコールを求めたのはいつぶりだろうかと思うくらい、必死でコールした。 

 

 

「アンコールありがと~~~~~~!!!!!」

メンバーがそれぞれお決まりのツアーTシャツで出てくる。

(アルバムロゴTが異様に多かった。そっちが売れてないんだなと思った)

 

昭「君らがそんなに卑猥なカタカナ3文字を連呼するけぇ………やるしかないじゃろ!!」

といういつものやつ。

 

昭「今日はいっぱい歌ったね!いっぱいウォーウォー言うたね!ワイパーもいっぱいやったね!!でもまだ、やっとらんことがあるじゃろう!!」

 

なんだ!!

 

昭「まだまだ行けますか!!!行けるんか!!!!!それじゃあ皆で!!!変な踊りいくぞ~~~~~~~!!!!!!!」

 

JOPG FM~~~~~♪

 

UN1 ミュージック・アワー

アンコでミューアワはね、気が狂うしかない。いや書くことないな……楽しいんだよ。とにかく楽しい。もうあんだけ飛んだり跳ねたりしたけど全力で踊るしかない。

釧路で「決して離さなければ」の裏声部分がどうやら出なかったらしく、無理やり地声のキーで歌い通してたのが衝撃というか、そこ地声で出るの??!?!って思った。

 

 

曲が終わり、名残惜しくもツアーの本当の終わりが近づいてくる。

昭「ここで、メンバー紹介をしたいと思います!」

全然触れていなかったが、ポルノは2人バンド故、頼れるサポートメンバーと共にツアーを回っている。多少の入れ替えはあったりするものの、いつも大体同じメンバーで、ファンからもメンバー同様に愛されているなじみ深いメンツ。

ベースの野崎森男さん、そのお兄さんでドラムの野崎真助さん、北海道出身のキーボード宗本康兵さん、今回から参加の、ギターやらその他色々やってくれるtasukuさん、そして1番の古株、マニュピレート(もうとにかく色々、裏の立役者)nang-chang。

 

昭「最後に、でっかい声で名前を呼んであげてください!オンギターーーー!!」

\はるいち~~~~~!!!/

昭「オーーーーンギターーーー!!!!」

\はるいち~~~~~!!!/

昭「ギター、新藤、はーるいち~~~~~~~!!!!!!」

 

晴「……わしらも長いことやってきて、デビューしたての頃は、周りが可能性に満ちていた。可能性の大地……みたいなとこに立っとったわけで。それが今はもう、だいぶ端の方まで来てしまっている。例えるならこう……スタートが函館で、今は納沙布岬まで来てしまっとって、ロシア見えるかの~?みたいな…(非常にわかりやすい)。でもね、そこから、どう進むか、まだまだやれることがあるんじゃないかって考える。そういうこともまだまだ考えながら、これからもやって行きたいと思います!!」

 

晴「最後に~、ボーカルのことも呼んでやってくださ~い。ボーカルは~?」

\あきひと~~~~~~~!!!!/

晴「ボーカルは~~~~」

\あきひと~~~~~~~!!!!!!/

晴「ボーカル~、おかの~、あきひとく~~~ん!」 ←これすき

昭「ありがとうございますっ!!!!!!」

 

昭「最後!!みなさん!!アホになって帰りましょう!!!ジ!レンマ~~~~~!!!!!」

 

UN2 ジレンマ

ラスト1曲はお決まり中のお決まり、ジレンマ…だが…

ヤバいジレンマなんてそうそう聴けないのに釧路のジレンマヤバかった。

「教えてあげませーーーーーーん!!!!」のところがまさかの「教えて、あげませェェェェェェァ!!!!!!」みたいな、高音シャウトでぶちかましてきた。何?!その余力?!あんなん初めて聴いた。最後の最後まで、見せつけてくるわ……

ソロ回しもみんなメチャクチャカッコ良かった!!!!nang-changが客席に電子テルミン?みたいなのを弾かせてたのは羨ましかった。笑 そしてそれを見てがっつり下ネタを言う岡野昭仁。ここでは自粛します。ジレンマはもう大体なんでもあり。

ギター2本でガンガンやりあうのカッコ良かったわ~~~tasukuさんまた来てほしい。

晴一は札幌からソロ時に背ギターを披露。盛り上げるね!!

あとは、跳んで叫んで歌って、汗だくになりました。

 

曲が終わって最後の最後、フィナーレの花火のように打ち鳴らす演奏と共に、昭仁が叫ぶ。

 

昭「あんたらは!!!!!!最高じゃ!!!!!!!ほんまにほんまに!!!!!!!!最高じゃ!!!!!!!!」

 

昭「自信持っていけ~~~!!!!!!!!胸張っていけ~~~!!!!!!!!」

 

この「自信持っていけ  胸張っていけ」は、昭仁が必ず、ライブの最後に送ってくれるエール。

これを聞くと、私は生きていることを丸ごと肯定されているかのような、非常にポジティブな、前向きな気持ちになれるのだ。

 

ポルノのライブは、本当に色々な曲、色々なカラーがある。

 

だけど最後には、こうして誰もが勇気と自信を持って、幸せな気持ちになれる。そういう場所だと思っている。

 

☆最後の生声挨拶

釧路

晴「15年も待たせて、ごめんね~~~!!またすぐ来るからね~~~!!」

昭「15年前と、そんなに変わってないんだぞ!って感じで!張り切ってやりました~~~!!また来るから、遊びに来てねーーー!!!」

 

札幌①

晴「雪の上は、こう、上から一歩一歩踏みしめて……(なぜか雪の上の歩行レクチャー)…(笑)。すべるけぇ気を付けるんじゃー!また来るけぇね!」

昭「(晴一が)言うように、滑るけぇ!気を付けて帰りよ~~!!」

 

札幌②

晴「また、ちょくちょく来ます。(すまし顔)

昭「少し早いけどー!!札幌に来るのは今年最後ということで。今年も1年ありがとう!!!また来年も、がんばりまーーーす!!!」

 

一応ここまでが、ライブの感想となります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。ライブに行った人には、少しでも共感、そして、行っていない、そもそもファンじゃない人には、少しでもこんなに楽しいんだぞ!っていうのが伝わればと思います。

 

セットリストをまとめておきます。

M1  夜間飛行

M2  Montage

M3  真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

M4  ワールド☆サタデーグラフティー

M5  ダリア

M6  ネオメロドラマティック

M7  メリッサ

M8  Working men blues

M9  170828-29

M10 君の愛読書がケルアックだった件

M11 クリスマスのHide & Seek

M12 カゲボウシ

M13 月飼い

M14 Part time love affair

M15 Fade away

M16 ギフト

M17 Rainbow

M18 THE DAY

M19 ハネウマライダー

M20 キング&クイーン

 

EN1 ミュージック・アワー

EN2 ジレンマ

 

 

以下は、私がファンとして今回のライブに感じたことです。お時間があれば。

 

 

☆ライブを見終えて

今回は3公演(下書きを書いた時点で)観終わったあとで確信したことがあって、それは「今までのライブと確実に何かが違うぞ」ということ。

 

始めは、何がどう違うのか、具体的に表現することができなくて、でも絶対今までと同じ「あー楽しかった!」だけでは終われないことは確かだった。

 

もちろん今まで行ったライブは全部楽しかったし、プロのクオリティを聴かせてもらっているから文句とかは無く、毎回来てよかったと思ってるってのは前提としてあるんだけど。単純な楽しさというよりも、「なんか、ヤバいもん見たな」っていう得体の知れない感情があった。

 

まず今回のライブには「無駄が無いな」と思った。全く無かった。皆無。全公演なかった。あっという間に終わったかって言われるとそうでもなくて、なんていうか、めっちゃぎっしりしたハンバーグを食べてるのに飽きないみたいな。ポルノグラフィティという元々めちゃくちゃ美味しいハンバーグに、ここチーズ乗ってる!とかここおろしポン酢でスッキリ!サラダもある!やっぱデミグラスだよね!みたいな。飽きの来ない工夫が随所にされている感じ。

 

しかもそれが、チョコ乗せちゃお!みたいなものすごく奇をてらった物ではなく、今までのポルノでも十分やりそうなことではあったんだよ。映像とか詞とか、弾き語りじゃないけどアコースティックセッションとかはやってたし。

それがもっと、よりこっちの興味を引き出す仕掛けが散りばめられているように感じられて。

 

それに、ほんとにものすごく偉そうな言い方をすると、サウンド面での工夫のされ方がすごくて。バンドの音でどこまでできるか、そして今までの曲と今の曲、そのバランスをどう取るか。

 

サウンドっていうのは、楽器だけじゃなくて、ボーカルも含めて。

雑誌のインタビューで本人も散々言っていたように、特に昭仁は、えっ?!ってくらいの気合いとレベルアップを感じた。ファン心理からすると、昭仁レベルのボーカリストに対して「レベルアップ」なんて言い方はおこがましいにも程があるけど、声が枯れない(しかも絶好調のまま)とか、抜きの表現とか、ロングトーンとか、シャウトの多用とか、「レベルアップしてきたよ、どう?」って見せられたら、「本当にすごい」としか思えなかった。

 

あえて一人の時間を設けて、おまけにトークタイムまでついて、「ホールが昭仁の出す音だけに包まれる空間を作る」ってことが本当に考えられていて、それだけの自信と誇りを持って出してきたんだなと。手拍子が起こらない曲をチョイスしたのも、「声」の話をすることで「聴く」ことにシフトさせることも、今考えれば意図的だったんだと思うし、そしてそれは次のコーナーに惹き込むための階段でもあったわけで。

 

打って変わってダークで詩的な世界観が広がって、「あ、これは晴一の時間なんだ」って、ファンなら一瞬でわかるあの感じ。

昭仁がいなくなっても疑問は抱かなかった。あれは完全に新藤晴一が支配していたところに連れていかれたから。

そして月飼いが始まって、ポルノグラフィティに戻る。2人が揃ってポルノグラフィティ

しかも月飼いというチョイスに、もう裏切られた気持ちにすらなる。ここまで見て、「つまんないな」って思える人なかなかいないと思う。

 

このコーナーに苦言とも言えるまでの不満を抱いているファンの人もちらほら見かけた。

だけど私は逆に、これは「ポルノグラフィティであるために必要な時間」だったと思っていたので、特に気にはならなかったのが本音。

ものすごく現実的なことを言ってしまえば、体力的にもう若年というくくりから抜けた以上、お互い適度な休憩にもなっていたんだと思うし、それを挟むことでまた気力体力が満ちたパフォーマンスができるならそれでいいじゃないかとも思う。いや今後のツアーで全く同じことをやられたらさすがにあれだけど。

ただ、私はこれは意図的に設けられていた時間だと思ったし、「見てくれ!」というパワーを感じた。

ポルノグラフィティの世界観をメインとして作るのが晴一。それを声で表現し続ける昭仁。

その二人が、お互いの武器で勝負をしかけてきたあとに、融合して更に進化する。ニクい仕掛けだなと思った。

 

終わってみれば、本当にセットリストも前半ですら変更の余地がないくらいに感じられて、でもツアーの中で変化していくことを感じさせるような。

意表を突くバラード始まり。「ラテン抜き」という挑戦。新旧織り交ぜて、昔の曲も今の曲も、全部いいと思えるような、新しい顔をのぞかせつつ、広く認知されている曲はさらにクオリティを高く。

 

これはポルノグラフィティの進化だ。素直にそう思った。

 

だけど晴一はラジオで「(セットリストを)どんどん良くしていく」とは言っていたけど、おそらくそれは「最初だから悪い」って意味ではもちろんなくて、「最初から良いけど」って意味だと思う。

こんなに、好きになった頃のように夢中になれた生活の中心まで心を戻してくれたライブを観れたのは初めてだし、本当に深い海から顔を出して久しぶりに太陽を見た、息をした、酸素を肺に入れた、みたいな気持ちになった。

そんな衝撃と感動が今回のライブにはあった。

それを確かめるために、後半のライブに行かなきゃいけないと強く感じる(行きました)。

 

ありがとう、ポルノグラフィティ

 

最後の最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。

 

 

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【ライブレポ】ポルノグラフィティ 15thライブサーキット BUTTERFLY EFFECT 感想 【前編】

メチャクチャ今更ですが、ポルノグラフィティ15thライブサーキット「BUTTERFLY EFFECT」、前半セットリストの感想です。本当はツアー参戦後すぐ、このブログを始める前に別のところで書き終えたものに加筆する形で書いているので、ほぼ参戦後のフレッシュな状態のまま放出することになります。後半のライブにも参加しましたが、別記事にするのでこの時点で予想で終わっていることもあります。

参加公演
2017.11.23 釧路市民文化ホール
2017.11.25、26 札幌ニトリ文化ホール

3公演まとめての内容になります。初回の参加となった釧路公演は嬉しくも自分の誕生日だったので情緒がおかしくなっている部分もありますが許してください。今回のツアーはヤバかった。とりあえずめちゃくちゃヤバかったということだけでも伝えたい。

☆OP演出
今回のステージは、舞台の手前に5枚の幕が下りていて、待機時間はそこに終始映像が流れていた。待っている人が口々に言っていたけど、なんか「オシャレ」だった。
プロペラ機みたいな小型の「飛行機」が隊列を組んで曲芸飛行したり、ツアーで回る箇所のアルファベットを点と○でつないでいったり(北海道はまとめてだったので「H」)、静かでシックな雰囲気だけど、何回見てても飽きなかった。


いよいよ始まりの時、客電が落ちて座っていた人が一斉に立ち上がる。

テレレレ、という、アコースティックギターのジングルが聞こえる。映像も変化し、どこか外国の飛行場のような場所で、人々が旅立ちの準備をしているような映像が流れる。


そして、メンバーのシルエット(まだ映像)が現れたり消えたりして、ゆっくりと歩く動きを見せる。

そして、ステージ端から、2人の男性のシルエットがゆっくりゆっくり歩いてくる映像が流れる。

その映像は、真ん中と、少し右に寄った場所に止まり………奥にいる、本物の人間のシルエットが浮かび上がり、ぴたりと重なる。

歓声が聞こえた。いよいよ始まる!期待の1曲目。








…………ポロン………………







M1 夜間飛行

ピアノの音から始まったこの1曲目。
一瞬、「予想外………!」とでも言いたげな、感嘆のため息が客席から起こる。
アッパーチューンでパーン!と始まらず、まさかまさかまさかのバラード。
この時ステージにはまだ幕が降りていて、2人の姿はまだ影でしか把握できない。

そんなおぼろげな姿から聴こえてくる歌声は確かに昭仁のもので、私はいきなりボロッボロに泣いた。何もかもが美しすぎた。

ものすごく良かった。良すぎた。聴こえてくる音も照明も全部が綺麗だった。
幕には水の泡のような映像が流れていて、淡いピンクの照明と相俟って、まるでアクアリウムの中にいるようだった。

そしてやっと気づいた。飛行機。空港。OP映像から始まっていた……このライブ自体が、一夜限りの「夜間飛行」。

札幌2日目で気付いたんだけど、映像で使われているアコギのメロディーが一部夜間飛行のイントロに酷似していた。アレンジだったのか……

予想外すぎる選曲に圧倒されてもう何も言えなかった。




M2 Montage

バラードが静かに終わり、メンバーはまだ何も言わない。

すると、まだ下りていた幕に、カシャ!カシャ!カシャ!というカメラのシャッター音と共に、2人の顔がコラージュされた写真が映り、イントロが始まると同時に幕が上がりようやくステージの全貌が見え始める。

この幕は、前述のとおり縦長の物が5枚あって、ロールスクリーンのようにそれぞれ違う高さにできるようで、この後も何回か演出で上がったり下がったりしていた。
5枚のスクリーンの後ろにバンドメンバーがいて、その後ろにまたバックスクリーンがあるという構成。

この時は、今までのアルバムジャケットやアー写がコラージュされたような映像が終始流れていて、サポメンの写真も混ざっていて粋だった。
foo?の時のバイオリンを弾いている写真が好きなので久しぶりに見てテンション上がった。

Montage超~~~~~カッコ良かった。ライブ映えするな~と思ったし、相変わらず歌が上手すぎてここでも号泣した。

なぜか「この場にいるのがホログラムだったらどうしよう?」って初めてのライブでもないのに悲しくて泣いてた(?)。
実は釧路公演の日は自分の誕生日で、そのせいで感極まりすぎてたのでだいぶおかしかったんだと思う。余談。

だけど今思えば、どうして私がこんな気持ちになったかふと考えてみると、2曲目なのにこちらに全然呼びかけられていなかったからかもしれない。客との精神的な接触がない。

3曲目が終わってMCってのがいつものパターンだけど、いつもだと2曲目くらいからはドーン!!と盛り上がって、「釧路~~~~~~~!!!!!!」とか「ハイ!!!!ハイ!!!!」とか言われているはずなのである。しかし今回はバラードから始まりこのクールでカッコいいMontage、シリアスな分余計になんか不安になったんだと思う。



曲が終わり、ボッ!と炎が燃え上がって、本ツアーのタイトル及びリードアルバムである「BUTTERFLY EFFECT」の炎文字が奥のスクリーンに映った!

M3 真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

3曲目にしてこのハイカロリーな曲選択に正直驚いた。
というのも、「ものすごく疲れる曲らしくて、昭仁があんまりセットリストに入れたがらん(笑)」みたいなことを晴一が言っていたので、まず長丁場のツアーに組み込んでくれたことが嬉しかった。
ツアーにこれをぶち込んで、このテンポの曲を毎回ほぼ完璧に歌いこなせる人が世の中にどれだけいるだろう。

それを一切の苦しさを見せずに高らかに歌い上げる岡野昭仁は本当に肺活量おばけ。これぞポルノの真骨頂!という様を早くも見せつけられる。
ここでようやく、「釧路~~~~~~~!!!!」と煽る昭仁の声が入り、会場の盛り上がりはすさまじいことに。
真っ白なライトに照らされて力強く歌う姿と、迫真のギタープレイを見ていたら、うわーーーーっと2人がそこにいる実感が湧いてきて、またボロボロ泣いてしまった。
「同じように手を叩いた」で2回ハンドクラップする昭仁が本当にカッコよすぎてまた泣いた。
この曲は全部にパンチ力がありすぎて全身が圧倒される。まだ3曲目なのに。


☆MC①

「釧路の皆さん元気ですか!!!!!!」
「盛り上がってますか!!!!!」
「盛り上がってますかっ!!!!!!!!!!」


「わしらが~~~~~~~~~~ポルノグラフィティじゃ!!!!!!!」


イェーーーーーーイ!!! いつものやつ。

釧路は15年ぶりだったそう。
昭「長いこと待たせて本当~~~~にごめんね!」
ちなみに15年前のツアーはビタスイ。それにも来ていたという人がちらほら。

昭「今回のツアーは、もちろんアルバムツアーなんじゃけど、その他にも今までのポルノの歴史を感じてもらえるような、そんな曲たちもね、やっていこうと思うので!皆さん楽しんで帰ってください!!!!」

歴史か~。なんだろう、ワクワク……と思っていると、ドラムのフォーカウントが聞こえた。


M4 ワールド☆サタデーグラフティ

ワーーーサタ??!?!?!?まじで?????って思った。嬉しいけど意外すぎる選曲。

「木曜日なのに雨だね ここは釧路なのに一人じゃない」(ご当地替え歌)
ちなみに札幌は両日とも早すぎる大雪でした。

今回のセトリの予想つかない度がすげぇ!!って思いながら元気にワイパーした。
ドラムのフォーカウントから始まって、少しテンポ遅めだったような気がしなくもない。
良い曲だよね。なんかほっこりする。ちなみに2番の新宿青山下北がぐちゃぐちゃぁ~ってなってた回あった。


M5 ダリア

これ、圧倒的にCDよりカッコよくてビビった。そもそもダリアあんまり好きじゃなかったんですよ。
なんかCDのアレンジ軽すぎな気がして。でもイントロのリフは嫌に頭に残るし。でも別に好きじゃないなって。

いやでもこんなカッコよくなる?!って感じでした。リフを昭仁が弾いてそこに赤と緑のスポットドーン!!って始まり方も最高。

間奏のブラス部分がギターメインになってるのもカッコよくて、今回tasukuさんが入ってくれたことでやれることの幅が圧倒的に多い。
音も厚くて、バンド!!って感じが良かった。この音源早く欲しい。


M6 ネオメロドラマティック

えああああああああ!!!!ヴォイ!ヴォイ!ヴォイ!!!!!!!
何年ぶり?!??!?!のネオメロ。調べたら自分にとって約7年ぶりでした。
文句なしに盛り上がって最高だった。正気か?序盤からこんな楽しくていいの?って気持ちに。
ひたすらぶち上がって歌詞間違いもお構いなしって感じで最高だった(相変わらず「摘まれる」「もがいてる」ピンチ)
「助けてと確かに聴こえた」を「たーすけてーと」と詰めて歌ってたのが珍しいなと思った。



M7 メリッサ

おなじみのイントロが始まったあと「え??!!?もうやるの??!??!ヤッターーーーーーー!!!!!」になった。
今回本当に飛ばす飛ばす。マジで意気込みが違うなってなんとなくこの時点で感じてた。

メリッサのライブでの聴きどころはなんといっても、サビ終わりの昭仁のロングトーンなんだけど、釧路ではなんと1番始めのサビの「貫け~!」を、Aメロ始まる直前まで32カウント伸ばし続けてスッと一息でAメロに入った。どういうことかというと、

「愛に焦がれた胸を貫けぇーー(テッテッテレーテーテー)ーーーーーーーーー(テッテッテレーテーテー)ーーーーーーー(テッテッテレーテーテー)ーーーーーーーーーー(テッテッテレーテーテー)ーーっ、あーすが……」

いやいやいやいやいや!!!!!!息継ぎどこでしてんの?!?!?!?!この人化け物だよ………!!!!わかったよもう!!!今日はどこまでもついていくよ!!!!!って気持ちになった。
自分が見た公演の中でメリッサはやっぱり釧路がベストステージだったかな。


☆MC②

久しぶりにやった曲も、おなじみの曲も、盛り上がってくれてありがとう!という話。
ここで、今回ツアー初参戦となる、ギターのサポメンtasukuさんについて紹介。
同じ広島出身。シャイな男です、とのことで、tasukuさんからの挨拶も短め。
このtasukuさんが、今回かなりキーマンになっていた。ギターのサポメンが増えるということの素晴らしさを知ってしまった。

ここで、アルバムのコンセプト説明が晴一より行われる。もう随所で言われている内容なのでここでは割愛する。

昭「よう長いこと言えたね!」
晴「札幌着いたあたりから録音しとったら良かったかもしれん。(笑)」
昭「生で聴けるのは君らが最後かもしれんな(笑)」


ここで釧路のMCを抜粋。(必要ない方は矢印マークまでスクロール ↓ )

昭「釧路は15年ぶりってね……15年も待たされたら怒るで?!普通!!」

晴「わしらの控室にね、何に使いよんのかわからんのじゃけど、毎回その土地のファンクラブ加入率っていうのがこう、数字で貼り出されとんよ。来てくれるお客さんの中で、何%が会員なのかっていう……。それがね、なんとですよ、釧路は驚きの、20%!!!これはね、どういうことかと言うとですよ………この中で、まぁ先行とかでチケットをとってくれている人が、少なくとも20%。じゃあ残りの人はなんじゃ?!っていう。考えたんじゃけどおそらく、『ポルノが来るから行ってみようか~』ってのが、街中に広がっていったんじゃないかと……噂となってね(笑)。」

昭「だってねぇ、僕らあの……なんやったっけ?あの市場の………(客「わしょう!」)芭蕉?(客「和商市場!!」)わしょうね!!松尾芭蕉とかじゃなくて……(笑)その和商市場の、鮭屋さんのおばさんにね、『あら!今日やるんだって?』って言われるんよ!!行く先々で!!嬉しかったですよ~~。でもその後、鮭を買わそうとしてくるっていうね(笑)。」

晴「商魂って感じやったのぉ(笑)。わしら、もう3日くらい北海道にいるけぇ(釧路は札幌から特急でもおよそ4時間ほどかかります)、島っこじゃけど『どさ……』くらいにはなっとるじゃろうねぇ」
(札幌では「どさん……」→「もう道産子じゃ!」に進化した)
昭「なまら最高!なまら楽しい!……合ってる?」(合ってる)



↓  ↓  ↓


次からは、アルバムの曲をたくさん聴いてもらいます!とのMCが入り、演奏スタンバイへ。

M8 working men blues

元々のキーが高めで更に転調するから釧路では大サビけっこう辛そうだった。いやしかしカッコ良かった。
アルバムのリード曲だけあってパフォーマンスも音作りも安定していてとても良かった。
「そりゃもちろん君さ」で手を前に差し出すのがたまらなくいい。
ポルノの曲でこういうの珍しいけど、メッセージ性が強くても押しつけがましくないなぁと思う。



M9 170828-29

多分大半の人がイントロで「アポロか?」って思ったと思う(すぐに違うとわかるけど)。
これはライブで聴いてガラッと印象が変わった。「真っ逆さま」で指をしたにスーって降ろすのとか、いちいち動きがカッコ良かった。
ピースピース!でピースするのはなんかやっぱりちょっと恥ずかしさがあったけど結局ライブのテンションだとやっちゃう。サウンドめちゃかっこいいのにこの振り付けでいいのか?って気持ちになる……若干。
上から降り注ぐレーザーみたいなライトが印象的だった。



M10 君の愛読書がケルアックだった件

意表を突くお遊び企画からスタート。なんだこの青春映画の予告もどき!
この曲は元々、「今流行りのキラキラ映画(若手女優や若手俳優が出ている、ティーンエイジャーが見るような胸キュン映画)の主題歌を作るとしたら」というコンセプトのもと作られた曲で、そのコンセプトの通り『君の愛読書がケルアックだった件』という映画の予告映像のようなものだった。
晴一先生のカメオ出演もあり、こういうプチコーナーもいいなぁと思った。「はっさくメガネ」は完全なる内輪ネタだったけど、全く知らない母とか妹も楽しめるレベルのネタだったみたいで良かったと思う。
ポルノの曲と言えば滑舌が良くて歌詞がギュッとしててポップで元気とか、そういう曲もいいけどこういうケルアックみたいな抜けがいいけど軽すぎなくて、伸びやかな高音域もある……みたいな曲もすごく好き。ケルアックは聴きやすい。あっさりしてるけど中身が詰まってるのにサックリしてるみたいな。



M10 クリスマスのHide&Seek

ジャッ、ジャッ、と印象的なリフをtasukuさんが弾き始めて、なんだろうと思ってたらこの曲のチャイムがなるというオシャレ仕様。
クリスマスの定番曲のハドホリの代わりにやるのかな?と思っていたので本編に入っていてちょっと嬉しかった。
この曲の昭仁のボーカルのフックのかけ方というか、アクセントがとても好きで、「教えていつか」の「てぇ」とか「重りのようになったそれを きっと」の「とぉ」とか、あんまり今までない感じだなと思っていて。好きなんです。全体的にバンド!って感じの厚みのあるサウンドになっててこれも良かった。何回も言うけどtasukuさんマジでありがとう。

余談だけど、全体的に映像を多用した感じだったけどクリスマスとはあんまり関係ない感じだったから、後半で他の曲になるのかな~と思ったり思わなかったりしていた。

アウトロで、序盤のリフをまた繰り返して、どんどんリバーブがかかっていって遠ざかって……






暗転して、気付いたら、スクリーンにはどこか外国の森のような映像。







そして……ステージに一人だけぽつんと残っていたのは、昭仁。


なんと昭仁のソロコーナーが始まった。すでにアコギ持っていたため、弾き語りかな?とは思っていたのだけど、「このような機会もなかなかないけぇ、少し自分のことについて話そうと思うんじゃけど」、と前置き。

・バンドのボーカルとして歌い始めてから、ありがたくも自分の声を褒められる機会が多い。
・特徴のある声でいいですね、とか、滑舌がよくて歌詞「は」聞き取りやすくていいね、とか。
・しばらくそのお褒めの言葉に胡坐をかいていたけれど、「声」というのは、親から授かったもので、自分で努力をして得たものではない。
・このままだといけないと思い、数年前からボイストレーニングに通い始めた。すると、自分の新しい扉が開けてとても嬉しかった。
・だけど、もう少し曲によって歌い方を変えてみたら?と某先輩ミュージシャンの方にアドバイスされ、今日はその成果を皆さんに聴いてほしい。

要約するとこんな感じ。

この話を聞いて、岡野昭仁という人は、どこまでストイックで誠実で謙虚なんだと改めて脱帽した。

よく雑誌等のインタビューでも、「自分の声はロックに向いていない(と思う)」という旨の発言をしているように、多分、人からどんなに褒められても、本当の意味で満足はしていなかったんだと思う。胡坐をかいていると自分ではいいつつ、ボーカリストとして最大限の努力はしてきたんだろうし、本来の素地が素晴らしいからこそ(そもそも声自体が持って生まれた才能だと普通は思う)、そのままでも十二分に通用するはず。現実として、こんなにたくさんのファンが岡野昭仁の声を、ライブパフォーマンスを好きでいる。なのに、そこで良しとせず、デビュー19周年を迎え今なお自身のスキルアップをしようとする姿勢、そして、掴めたものを大舞台でストレートにぶつけてくる自信と潔さ。私は今まで以上に、この人の声が好きで良かったと思った。

話のあとに、「今までの歌い方」と、「新しくつかんだ歌い方」を両方聴いてほしいから、と、以前アミューズフェスでカバーしたperfumeポリリズムをワンフレーズ披露してくれた。

「今までの歌い方」とは、元気よく青筋を立ててパキッ!と滑舌よく歌う歌い方。某先輩ミュージシャンにアドバイスされて、考えて会得した「新しい歌い方」は、適度に力を抜いて、より優しくハスキーに歌い上げる表現。なんでも元気に歌えばいいもんじゃないということを言われたらしい。

正直、私は岡野昭仁に表現力がないとか、某先輩ミュージシャン様のようにもっとこうしろとか思ったことはほぼない。ただ、本人が中堅と呼ばれる場所に立っていようが、人から言われたことに真摯に耳を傾け、自分の力量に満足しない人であることがよくわかるエピソードであると感じた。

余談。岡野昭仁は、歌詞を間違える。ものすごく間違える。札幌1日目のポリリズムはもうしっちゃかめっちゃかになっていて、2回目を要求されたがまた間違え「もうやらん!!歌詞が、ポリリズムしてしまうけぇ、無理!!(笑)」と諦めていた



そんな昭仁らしさも見せたところで、いよいよ本題の曲に入る。

昭「曲は、カゲボウシという曲です。………うまく弾けるかな?緊張するなぁ。では、聴いてください。」


M11 カゲボウシ(アコースティック)

始まったとき、正直な話、これか~と思っていた。というのも、ちょうどこのシングルが出ていた時期、そしてパノラマポルノのツアーが開催される時期。その頃、私はめちゃくちゃ田舎に住んでいたのと、私生活が忙しすぎて、ライブに一度も行けずポルノから離れてしまった時期が何年かあって。その頃の曲を聴くと、どうしても悲しい気持ちとやるせなさが襲ってきて、曲自体も好きになれずに、この時点では未だにまともに聞けてない状態だったんだけど。

本当にあの空間に居れて良かったと思った。感想は別の記事で詳しく書きました。


ライブが終わった後に何回かカゲボウシを聴きなおしていて、ふと「自分にとっての『カゲボウシ』は、ポルノグラフィティだ」と思った。

「会いたくなったら思い出して 僕はずっとキミのカゲボウシ」

いつでも側にあることをたまに忘れてしまうことがあっても、ずっと自分を支えてくれる、ポルノはそういうものなんだと痛感した。
逆に、聴けたのがこの曲で良かったのかもしれない。BEツアー後無事にパノラマポルノとは和解した。

曲が終わると、何の挨拶もなしに舞台が暗転、昭仁が去っていく。









優しげな雰囲気から一転して、暗転したステージに不穏な音楽が流れ始める。


スクリーンには四角い箱のような映像。




キーボードの音を皮切りに、サポートメンバーによる重く暗いセッションが始まる。





そして、昭仁が出てこない真ん中がぽっかり空いたままのステージで、新藤晴一がセッションに乗せて静かに詞を語りだした。




………後半へ続く


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寝かしつけてくるカップリング「前夜」と「カゲボウシ」感想

カメレオン・レンズはやっぱりすごい曲だ。マジで爆売れしてほしい。ていうか通販遅くて我慢できなくて店で買ってしまったのは内緒。そのカメレオン・レンズは以前感想を書いたので、カップリングの「前夜」「カゲボウシ(Live at NHKホール 2018.1.31)」の感想。

 

CP1 「前夜」

作詞:岡野昭仁/作曲:岡野昭仁/編曲:tasukupornograffitti

今回のシングルは異様にカップリングの情報が出るのが遅くて、まさかのタイトルだけカラオケの新曲一覧からバレるという珍事に。この「前夜」というタイトルから、ライブの前夜かな?とかはたまた革命前夜だろ!とか様々な憶測が飛び交っていたわけですが。とりあえず結婚前夜じゃなくて良かったです。何曲作る気だよ……になるので……

実際は、新しい生活、新しい世界へ飛び立っていく人の不安と期待が入り交じる気持ちを現した曲でした。「旅立ち前夜」といったところ?色々考えてたけどなるほどね、と思いました。曲調はゆったりとしたテンポで優しげなんだけど、ジャカジャカギターが鳴ってて、ちょっとフォークみたいな懐かしい感じ。tasukuさん編曲だけど癖は抑え目。

で、ここで気になったのが「冷たいベットへ重い体 lay down」という歌詞。なんかちょっと前にもそんなこと言っていたような。

「だから柔らかい ベッドで take a rest tonight」

これです。同じく岡野昭仁作詞の「I believe」。最近やたら主人公を寝かしつけようとしてません?あと思い出したのは「ベッドに倒れ込んでため息ひとつ」。『君に100%』、これも岡野昭仁作詞。

昭仁にとって「ベッド」とは、時には休まる場所、時には一人ぼっちの寂しい逃げ場所になるのかもしれない。この「lay down」の歌い方がまたいい。「レイダァァァァ~~~~~~アア゛アアアア!!!!!!!!!」って、ほぼ怒ってますもん、この主人公めっちゃ疲れてる。もう寝るわ~~~~~!!!!!!!!って感じ。君に100%のベッドも、多分柔らかく包み込んではくれないんだろうなと思う。ベッドは1日のゴールであり、朝を迎える始まりの場所でもある。「前夜」のベッドはそんな情景も浮かんでくる。

ちなみに晴一の使う「ベッド」は大体二人だし、そもそも寝てない「物」として存在するだけのことが多い気がする。ある曲では下に行っちゃうし。落ちるな。

不安を払拭して最後には希望が見えるという、いかにも昭仁っぽいなという曲でした。初めて新生活を迎える年齢の人には響きそう。

 

CP2 「カゲボウシ(Live at NHKホール 2018.1.31)」

作詞:岡野昭仁/作曲:岡野昭仁/編曲:pornograffitti

これの存在が情報が遅れた理由ですね。本来ならCD発売日にはツアーが終わっていて、ネタバレなど関係ないはずでしたから……。

いやもう、シングルに入っちゃったから書くけど、メチャクチャ良かった。弾き語りのカゲボウシ。泣きました。ツアーの感想はまた別で書こうと思ってるんですけど、昭仁の謙虚で真摯な話が聞けたのも良かったし、ボーカルとしてのスキルアップを「聞いてくれよ!」と言わんばかりの圧倒的空間で、見る人全員が息を飲んで、全神経で音を聞こうとしているあの、ホールいっぱいに昭仁の声とギターの音色が広がった感じ。声に包まれてるみたいだった。あのコーナーは、私はあって良かったと思ってるし、その後とセットだと思ってる。

ただ、CDで聴いて、正直初めてこれに寂しさを覚えた。この聴こえてくる音に、晴一の影が存在していないこと。それを意識してしまうと、どうしようもなく「ポルノは二人がいいな」と思う。だから早くDVDで見たい。でも、どうなるんだろ…………ね。

 

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