半年くらいずーーーっとああでもないこうでもないと考えてたけど完成しました。
私のメチャクチャ好きな、そして本気で人に勧めたい15曲です!!!!!
「」内は、その曲でも印象的であり自分のお気に入りの歌詞です。()内は、その曲が入っているCDのタイトルです。
読むのめんどくさかったら一番下の曲名まとめだけ見てください。
1.夜間飛行(アルバム『BUTTERFLY EFFECT』)
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:宗本康兵
「甘く香るの 私好みじゃないパフューム」
最新アルバムから。ツアーの1曲目でもあった珠玉のバラード。美しさがコンセプトにあるだけ、曲の流れも楽器の音も昭仁の歌声も何もかもが調和して、非常に綺麗な仕上がりになっている。
歌詞はもう、最後のワンフレーズによるどんでん返しに初めて聴いたときやられまくった。フィクションの悲恋物を書かせると唯一無二の輝きを放つ新藤晴一の作家性が存分に出ている、聴き手の解釈により様々な情景が浮かぶ曲。とにかく最後のワンフレーズが秀逸。
2.Sheep~song of teenage love soldier~(シングル『黄昏ロマンス』)
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
「俺も男だ 戦場に行くんだ 大袈裟に奮い立たせよう」
軽くてポップで聴きやすいやつ。跳ねるようなリズムと軽快なメロディでスーッと流れるように聴ける曲。
昭仁の書く恋愛詞の中でも最高に可愛らしくいじらしい男の子。おそらく幼馴染みたいな関係の女の子が大好きなんだけど今更恥ずかしくて言えない、でも一大決心をして告白、最後は「このやろう!!幸せにな!!」になっちゃう。恋の戦士とか自分で言っちゃってだいぶロマンチックな気もする、曲も爽やかだし、良い少女漫画の読み切り読んだみたいな気持ちになる名曲。
3. パレット(アルバム『雲をも掴む民』)
「だって知っている言葉はほんのちょっとで 感じれることはそれよりも多くて 無理やり窮屈な服着せてるみたい」
歌詞の新藤晴一ワールド炸裂感がたまらない。この曲の好きなところは、他と替えが効かないところ。他のどの曲がどんなに逆立ちしても「パレット」にはなりえない。恋の歌なのか、または世界を憂いている歌なのか、その辺の線引きができない。使っている言葉も終始曖昧で「まあそんなところだろう」「○○あるいは○○」「君はさあどうしよう?」とか、結局何が言いたいのかと考えながら聴いていると最終的に「足りない言葉を探すのはやめて ラララ…」とか言われる始末。歌詞でそんなこと言ったら元も子もないはずなのに、この「考えるな、感じろ」感、うまく言えなくて感情が渋滞している様子が素晴らしく的確に表現されている。曲も爽やかで良い。
4. Jazz up (アルバム『ロマンチスト・エゴイスト』)
「土生港から海沿いの道を初恋を乗せてペダル踏んでた 乱れた呼吸悟られないように」
いわゆるイキった若い男の子がはっちゃけてるタイプの歌なんだけど、だいぶ直接的な歌詞なのに上記部分の「土生港から~」みたいな可愛らしい歌詞が途中に挟まるのが面白い。「田舎で初恋をしていた僕と、今まさに渋谷で一発カマそうとしてる僕、何が違うの?」とか考えちゃう感じ。あと「帰り道 地下鉄でマリア」みたいな、全然説明してないんだけど「やったぜ!!!!!」みたいな心境が察せる歌詞なのがすごい。短絡的でよい。あとこの曲は昭仁の全ての発音がたまらん。「かぁ~たてで~ぃえボタン~?外され~えた」「どこまでっもぅぉっ たぁだっしい~したごっこ~~ぅろ!!」「はんぶこうぅお~からうんみ沿いのぅおみっちを」とか。全体的に「若さゆえ」が滲み出てる曲だけど、大好き。
5. まほろば○△ (ベストアルバム『BEST BLUE'S』)
作詞・作曲:新藤晴一
「今宵生まれては今宵消え行くままの恋じゃない」
歌詞の意味がどうとかじゃなくて、イントロの空気感からギターリフから耳に入ってくる音がどうしても好きで入れてしまった。このプワプワしてるけどちゃんとギターも鳴ってるっていう、こういう曲がポルノはうまいと思う。
まあ、歌詞は、ポルノの中でも少な目の、ちょっと大胆に「ポルノ」してる曲なんだけど、あまりにも比喩が多すぎて逆に気持ち悪い曲。いかにエロい言葉を使わずにエロくするか選手権があったら優勝できそうな曲。
なのに雰囲気はオシャレでクールだし、なんというかそういうシーンもありますよ~って感じの青年漫画感がある。
一夜限りで終わりたくないけれどワンナイトに飛び込んでしまう主人公の矛盾している感じ、人との出会いはさようならをするとそこで本当に終わるのか?なんだか聴いてると最終的にある種の寂寞感が生まれてしまう。リアルだと全く理解できないけど、フィクションとしては本当に秀逸だと思う。ベストにこそっと入れるなよこんな曲。
6. 蝙蝠 (シングル『渦』)
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
「黒ならば黒で愛そう 触れてもいいかなぁ?」
初めて聴いたときに「なんだこれは?!??!?!」となった。蝙蝠、初めて聴いた時から君が好きでした……。鳴ってる音が全部好き。イントロのカッッカ!からの歪んだ打ち込み、パミョ…ファミョ…みたいなギターリフ、そこにスッと入ってくる「綺麗な色も何度か……」と湿った色気のある昭仁の声、最後の「ペ~ゥ↓」って音まで全部好き。しっとりと濡れた黒い翼みたいな曲。何回聴いても叫びたくなるくらい音が好き。こういう怪しげで艶やかな曲もポルノの魅力のひとつ。
7. ANGRY BIRD (アルバム『RINOCEROS』)
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:篤志、Porno Graffitti
「届かないものを見せる悪趣味につき合いきれず それを愛などと呼びだしたヤツは誰?」
なぜこれをシングルカットしなかったのか。あの「さいシリーズ」とアルバムリード曲の花火という謎プロモを受けてからこのアルバム一曲目で顔面パンチ。
今までのポルノとは一線を画す、新たなチャレンジが感じられなおかつポルノらしさも失っていないという名曲。
とにかくカッコいい。ハードめのロックではあるんだけど、無機質な打ち込みの音が雰囲気を作り出していて、人知れず自分の心に住む雛鳥のように育っていく怒り、憤り、虚無感、飛び立つまいと押さえつけている抑圧された感じがたまらない。
8. n.t. (アルバム『雲をも掴む民』)
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
「そしてそれが生きることだと胸を張って言えますか? 嗚呼……」
マイベスト鬱屈ゾーン。昭仁の作る鬱屈とした曲の中でも、一番好きな曲。初めて聞いた当時まだ思春期と呼ばれる頃、怒涛の「できますか?できますか?できますか?嗚呼……」のくだり、昭仁のヒリつく様な歌い方と歌詞が心に深く爪痕を残した記憶がある。
イントロから、終始どことなく不安で落ち着かないような、漠然としかし確実に胸を走る焦燥感がたまらない。曲とは関係ないけど、見た目優し気でライブであんなに前向きなメッセージを発信している「陽の者」っぽい昭仁が、よく本人も言っているけど実は内向的で鬱屈としていてネガティブでこういう薄ら暗い曲を作りがちっていうのが好き。
9. 敵はどこだ? (アルバム『雲をも掴む民』)
作詞:新藤晴一 作曲:Tama 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
「僕の銃口は敵を探してた 敵を 敵を 敵を 敵はどこだ?」
イントロのズッダララララララズズダズズダダン!!!!!デーレー!!!!!(テケテケ)デーレー!!!!!(テケテケ)から持っていかれる。この音。全部超カッコいい。昭仁の声もブラスもなんかシロフォンみたいなシンセもカッコいい。ポルノグラフィティはロックなんだ!!!!!!!!!!と叫びたくなる曲。
メッセージ性の強い曲ではあるけどサウンドとスピード感のおかげで押しつけがましくはない。最後の無音部分が妙に怖かった思い出。というか「雲をも摑む民」の曲が当時なんか全体的に怖かった。めっちゃ好きだった。マジでカッコいいから聴いてほしい。
10. 憂色~Love is you~ (アルバム『ロマンチスト・エゴイスト』)
「押し返す悲しみのなか 君は無口なサカナのようで」
ものすごく偉そうな言い方をすると、昭仁は昔より遥かに歌の表現力が上がり続けていて、「魅せる」技をたくさん持っているのは確か。だけど、こういうバラードをこんなに真っ直ぐに声を張って歌っちゃうってのが初期ならではなので、「ロマンチスト・エゴイスト」音源で聴くのが醍醐味…と思っていたけどFCUW5で聴いた時も号泣してしまったからあんまり関係なかった。良い曲です。無音の部屋で何も考えられず茫然としているみたいな、でも少し暖かい、そんな曲。
11. CLUB UNDERWORLD (アルバム『WORLDILLIA』)
作詞:新藤晴一 作曲:Tama 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
「自分を諦めて集う真夜中のDance Party」
曲順はここから第二部のイメージ。
イントロの「プロロロロ…」から一気に別世界に連れていかれる予感がたまらない。キーボードソロがかっこよすぎる。シンセとかギターとかベースとか全部の音の混ざり具合がたまらなく好き。アウトロの「テレレテレレテレレ……」から最後までのギターとかもうテンションがブチ上がる。ミラーボールギラギラに焚きたい。ロックバンドであることは主張していくけれども、こういったシンセを多用したダンスミュージック的な曲も本当に似合う。ポルノは万華鏡なのである。
12. 空想科学少年 (アルバム『foo?』)
作詞・作曲:新藤晴一
「傷ついたら取り換えよう あの子のことも忘れれる」
「ポルノのシングル以外の名曲といえば何?」と聞かれて単純に考えたらこれを挙げるくらい好きかもしれない。これが「寝ている間にできてた」とか言うのだから新藤晴一はずるい。自分だったらこんな歌詞ができたら一生ドヤ顔してしまう。2001年の曲だというのに今聴いても音に近未来を感じることができる曲。全体的に漂う浮遊感、それでいて硬質で無機質な感じの音。間奏のピアノとか全部好き。
歌詞においては、今まさに少年少女と呼ばれる人が聴けば、等身大の自分のように感じる人も多いだろうし、大人になってから聴くと、そんな気持ちもあったなと思える切なさも凝縮されている全年齢対象の曲。ANGRY BIRDもそうだけど晴一は「少年期」のいたいけな幼稚性、鬱屈とした気持ち、つむじ曲がりな感じを描くのが非常にうまい。そしてその世界観を余すところなくボーカルで表現する昭仁。最高。
13. ミステーロ (アルバム『RINOCEROS』)
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:立崎優介、近藤隆史、田中ユウスケ、Porno Graffitti
「間違いだけで作る可憐なドレス 不実なlaceがきつく締めあげる」
冒頭の「黒いベール 巡礼の列 欠けた月と砂漠の都(テレレレレ…)」という、単語とサウンドだけで一気に異国にトリップする曲。晴一はたまに全体的に何言ってんのかつかめない寓話タイプの曲を作るけどそれがひとつの世界観として成立しているのがすごいところ。「カルマの坂」的な、おとぎ話と現実を行ったり来たりしている感じ。「茜色の瞳」の「あかねいろっ…んの~」、「不実なlaceが」の「レイッス~が」がすき。
14. 素敵すぎてしまった (アルバム『PANORAMA PORNO』)
「風が街角で『行くあてがない』と泣いた 『それは僕のセリフ』だと良いニュースが言ってる」
歌詞の新藤晴一ワールド感。秀逸な比喩で主人公の心情を読み手側に委ねるのが本当にうまい。具体的には背景は描かれていないけど、『後悔』をテーマにした儚くも痛いほどの寂しさがある曲。何回も何回も読み直したくなるくらい、歌詞の言葉の選び方が詩的で日本的な情緒がある。
音も厚くなくて、静かな曲なんだけどその分昭仁の声の美しさも相俟って非常に綺麗な曲。
15. 月飼い (シングル『メリッサ』)
作詞:新藤晴一 作曲:Tama 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
(全部)
ファンの間では隠れ名曲としてかなり上位に食い込む、というか、食い込みすぎて最早隠れてもないんだけど、色々な解釈と様々な好きポイントが散見される。自分もこの曲が大好きなのに、いつもただ漠然と「ああ、この曲はすごい」と思ってしまう。
歌詞の意味についてはここでは置いておくとして、あえて他に挙げるなら、この曲に漂う「噛み合わない感じ」が好きなんだと思う。イントロからものすごく浮遊感があるのに、歌っていることは現実で、よくある身近な恋の歌のようでいてかなり重たいテーマを扱っている?と思えば、感情を込めまくってもいいはずなのに、悲しいはずなのに涙も出てこないよみたいな、語るように静かな昭仁の歌い方。サビからぶわーーーっと音が展開していって、また静かになって……最後の大サビが終わったあとの色んな音がかき鳴らされるところではもう心がどこかに持ち去られてしまいそうな気さえして、だけど最後にはハッ、夢か……みたいな気持ちになる。急速なプログレ。これがベストにも入らずカップリングでいていいのかよとも思うけど、それがまた月飼いのポジションとして正しいのだとも思う。とにかく不思議な魅力を強く放つ曲。
まだまだいっぱいあるけど15曲選ばないと死ぬと言われたらこの15曲をとりあえず出して残りの曲に土下座しながら生きます。そんな感じです。
曲まとめ
1.夜間飛行
2.Sheep~song of teenage love soldier~
3.パレット
4.Jazz up
5.まほろば○△
6.蝙蝠
7.ANGRY BIRD
8.n.t.
9.敵はどこだ?
10.憂色~Love is you~
11.CULB UNDERWORLD
12.空想科学少年
13.ミステーロ
14.素敵すぎてしまった
15.月飼い
おわり!!!!!