ポルノグラフィティの、20周年の、東京ドームで、2Days。
発表から半年間楽しみにしていたイベントが終わって感じたことは、喪失感ではなく非常に満たされた充実感であったことには、自分でもかなり驚いていた。
それほど素晴らしいライブだったし、想い出に浸るだけでなく、確かな歩みを感じさせるポルノグラフィティの決意がしっかりと示されていた夜だった。
なるべく曲についてを中心に、自分が感じたことをまとめていきたいと思う。
☆座席
東京ドームと言えど、出来ることならなるべく近くで観たい。と思っていたが、1日目はスタンド一塁側だった。でも、初めての東京ドーム、イメージよりステージが近いな?というのが印象的だった。
☆セット
『VS』を模したオブジェがステージ中央の上にあり、そこからブロック状に組み合わさったアーチのような枠が大きく広がる。モニターは中央に1つ、サイドに中・小が2つずつ。中央のモニターにはリングのような筒状のオブジェがついていて、ステージ奥へと続いていた。センステへと続く花道にはうねうねとした管のようなものがくっついている。
☆客いじり
開演30分前からいつもの客いじり。ナビゲーターは、20周年通してのキャラクターなので今回もキューブ教官が。毎回思うけど、やっぱりこれは1人だと当たりたくない(なるべく同行者がいても当たりたくない)。
☆OP演出
最近のツアーではかなり凝った演出がされていたこともあり、今回はどんな感じで始まるんだろうとドキドキしていた。
まず、モニター映像と客席BGM(今回はオリジナルSEではなく久しぶりに普通の洋楽だった)がフッと消える。その瞬間にスタートを予感し立ち上がる観客。
パパパパーーーーーーー!!!!!と、明るいファンファーレが鳴り響き、今回のタイトルである
『20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE NIPPON ROMANCE PORNO’19~神vs神~』
というタイトルがロゴと共にスクリーンに出てくる。
ボン!!!!!という空砲が鳴り、ステージ端からV字に火花が飛び散る。
客電が落ちず、明るいままサポートメンバーが、そして、ポルノグラフィティの2人がステージへ出てきた。あまりにも自然に。あまりにも、いつも通りに。
さて、何が始まるんだ、いつものように晴一がその肩を揺らした時から夢の時間は始まる―――はずだった。
スクリーンに映された晴一が動かしたのは、手でも肩でもなかった。
「「狂喜する声が満ち溢れてた」」
聴こえてきたのは、メンバー全員の、アカペラの合唱だった。
M1 プッシュプレイ
始まった瞬間に、「そうか、この曲しかないよなぁ」と妙に納得した。
最新曲『VS』には《あの少年よ こっちも闘ってんだよ》という歌詞があるが、そもそもこれは『プッシュプレイ』おける《あのロッカー まだ闘ってっかな?》というフレーズを受けたアンサーソングのようなものになっている。
ステージと客席でお互いに向かい合う、今この瞬間。
ポルノと私たちの”VS”は始まっていたのだ。
しかし、最初のコーラスの時点である違和感を覚えていたのだが、その答えは曲の「キー」にあった。どう考えても、原曲より半音、いや1音高い。
何年も活動する中で、昔のように声が出なくなってキー下げをするアーティストは珍しくないが、この記念すべきライブの1曲目からあえてキー上げをしてくるとは思いもよらず、そしてそれを物ともせず高らかに歌い上げる岡野昭仁、恐るべし。
「一発かますぜ!」という気概も感じられる先制パンチを早くも打たれてしまった。そういう意味のキー上げだと思っていた。この時はまだ。
間髪入れずに始まった真助さんのドラムカウントによって次の曲を理解する。
1曲目ではまだ現実味がなくて浮ついていた心が、「いよいよ始まったのだな」と躍り狂っているのを感じた。
M2 メリッサ
「愛に焦がれた胸をつらぬ、けぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!」という昭仁のロングトーンは相変わらず圧巻の迫力。この、どこまで続くの?というロングトーンを聴くだけで会場のボルテージは一気に上がっていく。
本来ならば、盛り上がりや知名度的にも、終盤でも充分使いどころのあるこの曲、それを“2曲目”でポンと出せる強さ。本気で攻めのセトリを組んできているなと予感させるものでもあった。
M3 THE DAY
この曲は定番曲として、過去のヒット曲とタイマン張れる力を持っていると思うし、何より本人たちがそういう認識で組み込んでいることが何よりも嬉しい。純粋にカッコいいので、もっと聴きたい。
アレンジはBUTTERFRY EFFECTツアーで生まれたものと同じで、ギターとシャウトの掛け合いが本当に痺れる。
ここで2人によるMCが。(MCは、全てニュアンスです)
昭「東京ドーム盛り上がってますか!!楽しんでますか!!わしらが~~~~~ポルノグラフィティじゃ!!!」
これを東京ドームで聞けたことにじわじわと嬉しさが広がる。
晴「すごいね、東京ドーム!10年前に初めてやった時は、まだ野球場でライブしよるみたいな感覚だったけど、今日はもうライブ会場になってるね!」
10周年の東京ドームは、まず、やるということに一生懸命になりすぎて、ほとんど記憶が残っていないと各所で語っている2人。今回は、どうやらその心配はなさそうだ。
昭「今日は、盛りだくさんでいくよ!早速だけど、ポルノの歴史はわしらだけじゃ語りきれんけぇ、スペシャルなゲストをお招きしています!最初のゲストはこの人!本間昭光~!!!」
ギャーーーー!!!と大騒ぎする会場。本間昭光氏とは、ポルノグラフィティを初期から中期に渡ってプロデュースしてきた偉大な方であり、自らキーボードのサポメンとしてもライブに参加したりしていた、ファンにとってもなくてはならない人なのだ。現在はタッグを組んでおらず、馴染みのない人向けに簡単に言うと、だいぶ前に巣立ちした、ポルノの育ての親との久しぶりの邂逅、と言えばあの盛り上がりもわかるだろうか。ちなみに『関ジャム』によく出ています。
しばし本間さんとのトークを楽しむ2人。しかし、1日目はどうやら打ち合わせをする時間がなかったらしく、本間さんの口がまわるまわる、さすがに私でも「長いなぁ(笑)」と思う長さであった。それだけ、本間さんのポルノ愛が強すぎたということか。
要約すると、
・今だから言える失敗とか言ってみてよ⇒「タネウマライダーの歌詞とか…」「僕のいわゆる鬱期にノンタイアップで『音のない森』を出してもらったことはチャレンジだった」
・今日は満席になってすごいね。5万弱…いや6万弱って言っとこう!
・当時シングルにする予定だったアゲハ蝶より狼の方が反応良くて困った
・大変だったことは⇒「ボーカル録るだけで6時間かかってた…泣きそうだった…」
・せっかくだからドームを楽しんでほしい、ウェーブの練習してみたら?
・晴一誕生日近いんだからドームのみんなにハッピーバースデー歌ってもらいなよ
・ついでに昭仁も歌ってもらいなよ
・ポルノは優しいファンの人に甘やかされちゃダメだよ!
…など。やっぱり長い!!!
でも本間さんの嬉しそうな感じと、止めるに止められないポルノの2人がなんだか微笑ましく感じると共に、わからない人はなんのこっちゃだよな…とも思っていた。
そんなお茶目な本間さんをピアノに迎え、スペシャルメドレーを披露します!と曲へと移る。
M4 ミュージック・アワー~マシンガントーク~ヴォイス~狼~ミュージック・アワー
やはり惜しむらくは、久しぶりのヴォイスがフルで聴けなかったこと。だから私はあまりメドレーが好きではない。いっぱい聴ければいいというものでもないと思っているので、今回はメジャーどころで固めてくれたのでそれほどダメージが無かった。
そして、個人的にかなり久々のマシンガントーク。やっと踊る昭仁が観れた!!15周年のLEMFツアーのアンコールはクリスマス前ということで、クリスマスの定番曲である『Hard Days,Holy Night』に変わっており、約5年のおあずけを食らう羽目になったため悲しかった。ライブのマシンガントークはちょっとスカっぽいリズムアレンジになっているのがカッコいい。
ミュージック・アワーで挟むのは楽しかったけどもうちょっとノリやすいアレンジでも良かったのでは?!でもやっぱ楽しかった。
M5 アポロ
記念すべき、本間さん作曲によるデビュー曲。何回も同じことを書いている気がするけど、この曲は本当に20年前の曲か?と思うほど色褪せないし、むしろ近未来すら感じさせる。
1番までは昭仁と晴一、そして本間さんのピアノだけで演奏。2番からはバンド演奏が加わり大いに盛り上がる。
「ラヴ、E、メール、フロム…………東京ド~~~~~~~~~~ム!!!!」の響きはやっぱり特別なものを感じる。なんか、全編通して思ったんだけどこの『東京ドーム』という場所が、2人と客のテンションにブーストかけてる感じがした。いつもと同じくサビでコーラスをしている晴一が、なんだかこの日は無性に好きだと感じた。
そしてこの曲で既に今回の銀テープが飛んで、改めて「おめでとう」という雰囲気に。
本間さん、この曲をポルノグラフィティのために作ってくれて本当にありがとうございますという気持ちになった。
本間さんが捌け、客電が落ちてステージも暗くなり、静まり返る中で次の曲を待っていると、聴こえてきたのは、星の瞬きのようなアルペジオだった。
M6 グラヴィティ
悲鳴をあげそうになった。暗いステージに浮かび上がる夜空の映像。FCUW4には行けていないため、OMCツアー、12年ぶりの『グラヴィティ』だ。
《小さな泡になって消えていく瞬間 それさえ愛したい》の昭仁のファルセットが本当に本当に美しかった。
儚くも力強く壮大に展開した後は、可愛らしいピアニカの音と犬の鳴き声……CD音源と全く同じなんだけど、これは当時晴一が飼っていた犬のスゴロクの鳴き声。
永遠でなくてもいい 限りある命と
愛しい時が流れて
小さな泡になって消えていく瞬間
それさえ愛したい
私はこの歌詞が大好きで。
今という時間が過去になっていく。だけど、この今感じている1秒は、ずっと記憶に残る自分にとっての永遠かもしれない。例えばスゴロクはもういないけれど、その鳴き声一つで当時のことが鮮明にフラッシュバックした気持ちになるように。きっと永遠ってこういう風に一瞬からできていくんだ、ああ、このライブも、今聴いているこの音も、自分にとっての永遠になっていくんだと思った。
もう全部が美しくて、わけもわからずポロポロと涙が流れていった。
M7 Twilight,トワイライト
《亜細亜のスミで鳴き声一つ 繋がれた飼い犬が夜ごとリフレイン》
主題が大きすぎて、重すぎて、気軽に聴けないこの曲が。まさか東京ドームで聴けると思わなかった。
昭仁の上に光の帯が優しく降り注ぎ、背後のスクリーンには教会のステンドグラスの映像が映し出されている。
《さあ さあ 行きましょ》
私はこの曲で昭仁の声を聴いたとき、「怖い、」と思った。
どこか遠くへ語りかけているような、何かに憑依されているような、もうここにはいないような、全てを見通しているかのような、諦めているような、無情感と浮遊感。魂だけがここにあって、何かが置き去りにされそうな。
地球(ココ)ここにあるすべては一つだと
謳えば謳うほど嘘になり
敵はどこだ?と探し続けた
暴走の果てに辿り着いたら 蔑んで 壊して 殺した
例えるならば、見てはいけない、聴いてはいけないけど、でも禁忌を犯してでも近づきたくなる聖なる“何か”。そんな危ない魅力のある歌声だった。
私は昭仁の声が大好きだし人生の中で何回も聴いているけれど、「初めて聴く声だ」と思わせてくれることが近年は多い。一体どこまで引き出しを増やし続けるのだろうか。
Instrumental 『Theme of "74ers"』
初日は「物凄く聴いたことがあるんだけど何の曲だったかな…?」と思っていたけど、インスト曲というくくりでこの曲をやると思っていなかったので完全に頭から抜けていた。
過去の2人のモノクロ映像と共に曲がれる、切なくてメロディアスな曲。デビュー当時から、今回の東京ドームのリハ映像へとつながっていく様は、なんともエモーショナルなものだった。アルバムのページをめくるように、当時の記憶が蘇ってくる。私の人生は、ポルノグラフィティと過ごした時間の方が長いことを、改めて実感した。
インストが終わり、ノスタルジーな気持ちになっているところに、「チュンチュン…」と小鳥の鳴き声が聴こえてきた。
…つまり、あのコーナーである。
昭「わかってる人も多いんじゃろうけど、もっと『わ~!』とか言ってくれても…(笑)」
本人がこう言ってしまうほど客席の「アレね(笑)」感が出てしまったのは反省ポイントである。この“小鳥のさえずりが聴こえたら、昭仁の弾き語りコーナーが始まる”というのは、一昨年のBEツアーから昨年のUNFADEDツアーにかけて、ファンとポルノの間で定着した暗黙の了解のようなコーナーだが、昭仁の持つ和やかな雰囲気もあり「ここで?!」という気持ちが強かった。トワトワの余韻とかもう少し、あるでしょ!という…(笑)
昭「せっかくドームなんだから、真ん中に行こうかな!」
とセンターステージへ。もう、“東京ドームのど真ん中で歌声を響かせる昭仁”を想像するだけで、ワクワクが止まらない。
昭「何をやろうかな~。やっぱりこれ?『君はまた~♪』」と、UNFADEDツアーネタの『見つめている』を弾いたりしてふざける昭仁。今思えば、あんな風にドームで冗談が言えるなんて、10年前と違って本当に「ファンの人に囲まれている」という信頼が生まれていたからこそできたんだろうな~と思うと嬉しい気持ちになる。
昭「このコーナーでは色々話してきたけど、今回は詞、作詞について聞いてもらおうかな。…歌詞っていうのは、自分の強い想いをぶつけるだけじゃ、良いものにならないことが多いんです。でも、次に聴いてもらうのは、僕の、言ってしまえば、鬱期……そんな大層なものじゃないですけど、色々とモヤモヤしたものがあった、自分の立ち位置とかがわからなくなった時に、憤りだとかをそのままぶつけた曲です。…“佞言断つべし”、『n.t.』、聴いてください。」
M8 n.t.
この曲が好きすぎて、「佞言断つべし…」の時点でパニックになっていた。
この曲は本当に、昭仁が言っていた通り、焦燥感と、もどかしさと、憤りがそのまま詰め込まれているような曲で、思春期に初めて聴いてからずっと、自分の中に刺さり続けている曲でもある。
“佞言絶つべし”とは、漫画『蒼天航路』の関羽が言った台詞で、ざっくり言うと『人の甘い褒め言葉に耳を傾けず、調子に乗らないこと』という、自分への戒めの意味が大きく含まれている意味の言葉。ここに岡野昭仁という人間性が大きく示されているのではないかと思う。そりゃ若い頃はそれなりにパーッとした時期もあっただろうが、それに留まらず『自分はまだまだ』と思い続けている謙虚すぎるとも言いたくなる姿勢が、今の彼を形成しているのだろうなと思う。
AメロBメロは静かに語りかけるように、サビでは思いの丈をぶちまけるように激しく。ヒリつくような感情の洪水が原曲以上に表現されていた。
東京ドームという華の舞台のド真ん中で『佞言絶つべし』と歌い上げる。それが岡野昭仁で、だから私はこの人が大好きなのだとも思う。等身大の感情にあてられて、私はただ静かに涙を流していた。
昭仁が花道の通路から捌け、ふとステージを観ると、ばっちり準備のできたサポメンと、ギターと、マイクを……マイクを構えた晴一が…
M9 Hey Mama
近年の流れで行くと次は晴一のコーナーだとは思っていたけど、さすがに予想してなかった…(笑)。
晴一の数少ないボーカル曲。今までバリバリにカッコいいステージを観て大興奮だった客席の雰囲気が、一気に我が子を見守る親のような空気になったのを感じた。変な意味ではなく。
晴一の声は、柔らくて優しくて、舌足らずで、なんとも微笑ましいというか、本人も言っていたが『出し物』を見ているような気持ちになった。緊張なのか照れなのか、歌いだしから既にはにかみ笑いをしてしまっている晴一。あんな感じに見えて実はシャイ、というのが前面に出てきてしまっていた。
本来一番のみしかなく、全て英歌詞のこの曲だが、なんとこの日は特別バージョンで日本語和訳歌詞の二番が始まった時は驚いた。この日一番贅沢なアレンジじゃないの?と思ってしまうほど大胆な演出。ずるい。
サポメンのtasukuさんがバンジョーを弾いていて、それがカントリー感増し増しになっていてとても良かった。
和やかな雰囲気からは一変、トランペットやトロンボーンによって構成されたホーン隊がステージの後ろに現れ、パリッとカッコいいメロディを奏で始めた。そして一拍の間を置き、始まったのは…
M10 渦
パァーーーーーーーパァーーーーーパァーーーーーーパァーーーパァーーーーーーというイントロに絶叫する観客。
渦はハードロック的なサウンドと合わせてブラスの音が本当にカッコよくて、それが生で聴けるなんて、こんな贅沢なことってあるだろうか。近年特に、主にツアーでは「バンドとしてのカッコいいサウンド」を追求してきたであろうポルノのライブにおいて、このような飛び道具でゴージャスに演出されると正にお祭り!という感じが出てとても良かった。ステージの見栄えも良くて、派手でカッコ良かった。
『渦』ってライブ特有の熱が入ると音源にはあまり近づかなくて、それもまた良いんだけど、一番好きなのは音源の声かなってずっと思っていて。それが、最近の艶っぽい歌い方が逆にメッチャクチャ渦に合っていて、しかもそこに音源にしかなかったザラつきとか色っぽさが加わって、昭仁のボーカルテクニックの向上と声質の変化がうまいこと相乗効果を生んでいて、本当に素晴らしかった。
記憶に新しい『渦』と言えば、ブレスの初回特典についていた「ROCK IN JAPAN FES 2017」の渦で、現地では聴いていないけどあれが現時点で最高の、音源を超えた『渦』だと思っていた。でもそれを更に軽々と超えてくるポルノグラフィティ、そして岡野昭仁は本当にすごくて。妖しくて迫力があって、カッコ良かった。
昭「皆さんに紹介しましょう!2組目のスペシャルゲストは、FIRE HORNS!!」
FIRE HORNSは、トランペット、トロンボーン、サックスからなるユニットで、この日は10人構成。スガシカオさんのライブで出演しているのを観て昭仁がいつか一緒にやりたいと思っていたらしい。
昭「テンション上がるじゃろ?!」としきりにこちらに投げかける昭仁がめちゃめちゃ嬉しそうだった。
昭「FIRE HORNSと一緒に、20周年を、セレブレイト!」
M11 俺たちのセレブレーション
ホーン隊が来た時点でやりそうだなと思っていた俺セレ。ほんとにやってくれた!まぁ祝い事なんだから思いっきりセレブレーションしていかないと。この曲のハジケっぷりは単純に何も考えず盛り上がれるので良い。めちゃめちゃ楽しかった。昭仁は「Foo!!」も「ゲラッゲラッ!!」も自分で言ってくれるからなお楽しい。しかも裏声が物凄く綺麗になったので、常にハイクオリティなものを聴いていることを忘れそうになるくらい楽しい。
俺セレの歌詞は二人の共作なので、バラバラだとか統一感が無いだとか言われがちだけど、昭仁が『プリズム』で《恋》という言葉を使ってから、やっぱり俺セレの《惚れちゃった 戻れないよ 憧れじゃ終われないよ》も同じ、「ポルノグラフィティに恋してるって曲じゃん!」とスッと自分に降りてきた感じがした。私たちはもちろんポルノという存在(リアコや人間としての2人という意味ではなく)が大好きで、言わば《恋》のような憧れの感情を抱いているけど、そもそも2人自身が『ポルノグラフィティ』という生き様を当たり前にしないで、常に新鮮な気持ちで恋焦がれていてくれるからこそ輝いて見えるんだ!と強く感じた。これに関しては全然うまく説明できないけど。
昭「さぁ!!次は皆さんにとってもお馴染みの曲を、FIRE HORNSと一緒に盛り上げていきましょう!!」
と聴こえてきたのはUNFADEDツアーでも聴いたあのイントロ。
M12 ジレンマ
ここでジレンマ。本人たち的に途中でジレンマやるのハマったんだろうか。個人的にはやっぱりアンコールで聴きたいのでちょっと残念だったけど、アレンジが(特にベースラインが)原曲寄りになっていてめちゃめちゃ跳ねた。あと晴一のギターソロはやっぱりテンション上がる。
昭「もう少しFIRE HORNSと一緒にやりたいと思います!この曲も、みなさんの手によってどんどん大きくなって、育てられていったなという曲です。聴いてください。『愛が呼ぶほうへ』。」
M13 愛が呼ぶほうへ
2人にとってもファンにとっても大きな意味を持つこの曲はやはり周年ライブでは外せないだろうと思っていたけど、ホーン隊とやるのは意外だった。あたたかいトランペットの音が響き、オレンジ色の柔らかく優しい光が太陽のようにステージを照らした。
思い出されるのは、やはり昨年、19周年のしまなみロマンスポルノだろう。20周年イヤーのキックスタートとなる公演が、惜しくも2日目中止という結果に終わり、高校生とのステージも当日は実現せず、ライビュがあったにせよ、涙でスタートしたことには変わりない。そのことを思い出しながら、1年後の今日、無事にこの日を迎えられたことを噛みしめ、そして台風が近づく明日も無事に終えられることを強く願った。
昭「さぁ!!ここまで楽しんでくれてますか!!盛り上がってくれてますか!!!!ここからは、ヘヴィーロックで、お前たちを、アゲてやる。」
(このライブモードの昭仁のオラオラMCが大好きだなと無性に思う)
ポルノのロックが大好きな私は「ヘヴィーロックだって!!なんだろうあれかなこれかなあの曲かな」と脳裏に曲名が駆け巡っていたが、
デデッ!!!デデッ!!!デレッデッデー!!!!!
というイントロを聴いた瞬間に半狂乱になった。
M14 ラック
ドームで絶対に絶対に聴きたかった1曲。『Zombies are~』が生まれた今、恐らくやるとしても日替わりになりそうだなと思っていたけど、1日目で聴くことができた。この曲では炎が上がり、いよいよ後半の盛り上がりを畳み掛けに来ているのを感じる。物凄くカッコ良かった。ポルノはやっぱりこういう武骨で暗いロックナンバーもよく映えるのだ。
そして2番の「切実なあぁーーー!!↑いぶをくれ」を聴いた瞬間、目の前の景色が、本当にゆらっ…と一瞬揺らいで、失神しかけた。真面目に倒れそうになるくらい、カッコ良かった。漫画的表現ではよくあるけど、人はあまりにも圧倒されると本気で血圧がどうにかなってしまうもんなんだと実感するほどこのフレーズは強烈だった。
M15 キング&クイーン
ヘヴィーロックもう終わりなの?!と思ったが振り幅が180度方向転換できるのもポルノならではと言ったところ。ポップな曲の中でも殊更“ザ・ポップ”な曲をラックのあとにぶつけられると緩急のつけ方がジェットコースター並み。
限りある人生 たとえ満たされても
留まることを選ぶより
また次の一歩を刻む
いつでも挑戦者でいよう
というこの歌詞は、ポルノの強い意思表示なのだろうなぁと思う。「僕たちはこれからも進んでいきます」という決意のようなものを感じた。素直に明るくて楽しかった。BEツアーではラストの締めだったのでアウトロのアレンジがあったが今回はCDと同じ。
M16 Mugen
ここで再びFIRE HORNSが登場!!このイントロにはぶち上がった。花道を使い2人がセンターステージへ。そしてホーン隊も同じく花道へ。そして大サビで2人を囲むようにワッと並ぶ姿は圧巻だった。私は『Mugen』のあのギラギラしたMVを思い出していたのだけれど、なんと本当にMVのシーンを再現していたのだそう…!
ロマポルロス
— あつき🎺宿命ってやつを燃やして🔥暴れだす🌋🌊⚡️💥🌪🕰☀️ (@atsukiTP) September 9, 2019
MugenでMVの再現がファンの方に伝わってて嬉しすぎる✨
オファーいただいた時から絶対にやろうって決めてた演出でした。
楽曲アレンジ&演出は晴一さんと昭仁さんと当日のリハまでこだわって作ったのでどれも自信作です
願わくばもう一度やりたい💖#ポルノグラフィティ #ロマポル神
ぜひ正面から見たかった!!早く映像で確認したい。
とにかくギラギラオラオラでカッコ良かった。
M17 ネオメロドラマティック
開始2秒で全ての細胞が生き返るこの曲。この辺から楽しすぎてひたすら跳んだり跳ねたりしてた。ネオメロは無条件にバチバチになれるから大好き。最近はツアーでも横っ腹痛くなるほどはしゃぐことってなかった気がするけど、ドームでは二日間とも思いっきりジャンプできたりして、なんかアドレナリンとか確実に湧き出てたよなぁと思う。
この曲もブラスが映えるのでめちゃめちゃカッコ良かった。そしてほんとに昭仁はどこで息継ぎしてんだろ。
そしてワンマンでは久々の「男前ギター」こと、ウエスタンなアレンジイントロ。これがかかると、周りの人は既にタオルを準備し始める。ということは、もうすぐフィナーレか…と少し寂しさを感じるのも、もうお決まり事。
M18 ハネウマライダー
この日のハネウマはホーン隊がいることで、いつもより明るく弾けたアレンジになっているのが幸せに満ちていて、楽しかった。昭仁が最近お気に入りのカメラ芸も健在。
「ここにいる君たちと~~~!!!!」を聴くと、ああやっぱりポルノに会えて良かったなぁ!!とひしひしと感じることが出来る。
《途中じゃ降ろしてやらないぜ》とエンジンをかけ続けているポルノに、いつだって着いてきた。色々忙しくてライブに行けない時期もあったけど、心の中ではずっとメタルブルーのマシンと一緒だった。2人が連れて来てくれたこの東京ドームという場所で、私は物凄く幸せで満たされた今までの思い出を胸に刻んでいた。
M19 アゲハ蝶
5万人の大合唱は、客席からでも物凄い圧力を感じた。ライブでも何回も聴いているはずのアゲハ蝶だけど、手拍子とコーラス有りで「ひとつ」になっていると感じた。なぜかテンションの上がった晴一が『ラララ』のコーラス中に、普段は絶対やらないウェーブを煽ってきて(本間さんのMCが確実に布石だった)、しかも煽るのがわかりにくいし下手くそだし、客もウェーブなんて普段のライブでやらないから更に下手くそだし、全然綺麗に出来てなくてサッパリ締まらなかった。でも、それすら楽しかった。もうなんでもよかった。ここにいるんだという幸せだけがあの場を支配していたように思う。
自分が喫茶ポルノに行った時に飛んでいたアゲハ蝶。そして今日の東京ドーム。晴一がファンに向けて手がけた『一雫』の《羽》とは、鳥ではなく蝶の羽だと私は密かに思っている。
《その羽を大きく広げたままで この旅路の果てで待ってて》
旅路の果てへ向かうのは、彼らでもあり私たちのようでもあり。一体感だけがライブの全てではないけれど、この日は観客の「ここへ来て良かった」という想いが一体となっているのを、肌で感じることができた気がする。
大阪で活動していた25年前、音楽を鳴らすだけで楽しかった頃でも思い描いていた夢があった。あの頃からは想像もできない場所に、今立っていて、今までで一番素敵な景色が見えている。みんな、ここへ連れて来てくれてありがとう!という昭仁のMCが入り。
いよいよ最後の曲。
M20 VS
この曲が最後を飾るであろうことは途中で想像がついていた。しかし、イントロでもう涙があふれて溢れて止まらなかった。美しい粒の揃ったピアノのフレーズ。想い出を紐解くように重なっていくリズム隊。瑞々しい澄み切ったメロディと、しなやかで力強いボーカル。
そうか あの日の僕は今日を見ていたのかな
こんなにも晴れ渡ってる
雨のしまなみロマンスポルノから1年、本当に色々あったけれど、無事に今日を迎えられた喜び……。晴れ渡っていたのは「心」なのだ。
バーサス 同じ空の下で向かい合おう
あの少年よ こっちも闘ってんだよ
ステージで向かい合うポルノと私たち。長年積み重ねてきたお互いの距離が、もうすぐ触れ合うところまで来ていると感じたあの瞬間。私たちはポルノを信じているし、ポルノも、私達を信じてくれている。そう思った。
ラスサビ、2人は花道を駆けながらセンターステージへ。金色の紙吹雪が大量に噴射され、キラキラと輝いている。その中で誇らしげに演奏し、歌う2人は本当に楽しそうで、幸せそうな顔をしていた。アウトロでは本来の『VS』のメロディに合わせて晴一が冒頭の『プッシュプレイ』のリフを弾く。そして。
あのロッカー まだ闘ってっかな?
と昭仁が歌い上げる。
そうか、最初のキー上げはここに繋ぐためのものだったのか…!と気付く。『VS』とキーを合わせるために易々と調整してみせる昭仁にも驚いたし、最高の演出だと思った。
問いかけで終わるのは、自問自答を繰り返す彼ららしいとも思った。でも、彼らが問いかけているのはもう、自分自身に対してだけではないだろう。私たちはすぐに答えることができる。初めて出会ったあの日から、闘い続けるポルノは、超カッコいいよ!と。
割れんばかりの拍手の中、サポメンが捌けて、2人が捌けて。
そしてアンコールに応えて、またステージに現れる。
昭「アンコールありがとう!!皆がそんなに卑猥な3文字を連呼するもんじゃけぇ、アンコールやるじゃろが!!」
とお決まりの流れがあり。
昭「晴一よろしく!!」
晴「……僕に、ディーンフジオカさんが舞い降りますように……いや福山雅治さんにすれば良かったかな…」
いや晴一が観たいんだよ!となるこのくだり、要る?と思うのだが、和やかだった空気が更に和やかになったので良かった。これを言うということは、あの曲だ。
EN1 オー!リバル
1サビ歌った後に、あれっ2人ともどこ行った??となっていると、ステージ端から、なんとフロートに乗って出てきた!!しかも、サイの形の!!豪華!!晴一が上手側、昭仁が下手側から登場。そして昭仁の手には、バズーカが!!まるでアイドルのコンサートみたいになってきたぞとワクワクしたのも束の間、「歌いながら何かをやる」ということに全く慣れていない昭仁、ボールと一緒に歌詞も飛ばしまくるというボロボロ状態に。り、リバルが勿体ない…(笑)
「いきますよ~!!いきますよ…はい!!」
「上に行きすぎたかな?!あんまり上に行きすぎると怒られるんですけどねぇ!!!」
「上に行っちゃいました!!」
「こんな…こんなおざなりにやるもんじゃないんでしょうけどねぇ!!!」
と終始何かを喋りながらボールを飛ばす昭仁。微笑ましかったです。
EN2 Before Century ~ Century Lovers
おなじみのイントロでアンコだけどテンションがガンガン上がる。いつもの「エービバーディセイ!」に混ざって「エビバディエビバディセイ!!」というのが混ざっていて、おや?と思うも1日目は特に言及なし。センラバはもう絶対やると思ってたけど、2人が自由に楽しんでいるのを見るのが好き。昭仁の“アレ”も絶好調。
そして最後の曲の前に、サポメンを含めたメンバー紹介。
昭「残った2人がポルノグラフィティというわけで、でっかい声で名前を呼んでやってください!!!オーーーーンギターーー!!!」
客 \はるいち~~~~~!!!!!/
昭「オーーーーーンギターー!!!!」
客 \はるいち~~~~~!!!!!/
昭「オンギター、新藤、はーるいち~~~!!!!」
晴「ディーンフジオカって言ってほしかったなぁ(笑)。……ポルノグラフィティは、遡ると高校の文化祭から始まって、自分にとっては仕事というよりは、部活……部活っちゅうんもあれじゃけど、部活みたいな感覚で。やりたい奴が集まって、やりたいからやるし、辞めたい奴は辞めるし。やりたいことをやれてるかってのが大事で。そこからずっと地続きでやってきとるけぇ、みんなにもあると思うけど、ポルノっていうのは例えば、初恋の記憶みたいな、自分の手で穢したくないもので。そういう気持ちで、また次のポルノグラフィティを見せていけたらなと…思います。」
あらゆるところで『穢したくない』という言葉を使っている晴一はきっと、ファンとかスタッフとか他のどんな誰よりも、ポルノグラフィティが大好きで、愛してくれているんだなと強く感じる。
そして昭仁は、今まで支えてくれたメンバー、スタッフ、家族、そしてファンに、それぞれ一言ずつ添えて「ありがとう」と丁寧に伝えていく。
ああ、この2人がポルノで良かった、この2人だから大好きなんだなと思うと共に、ポルノはまだまだ走ってくれるんだ、もう走り出す準備をしているんだ…と感じることができた。本当に嬉しかった。
昭「さぁ!!最後は皆さんで、思いっきり、歌って、踊って、泣いて、笑いましょ~~~!!!」
EN3 ライラ
うーーん!!!最後はいまいち盛り上がるにはジレンマに及ばないと思ってしまうライラ。本人たちが気に入っているのだろうか?だけど、まぁ、まぁ良いでしょう!お祝いだものね!本間さんやFIRE HORNSも総出で演奏に加わってくれる。ソロ回しでは、本間さんが『カルマの坂』のイントロを弾いて盛り上がる。
そして、昭仁の語りの部分はどう来るのか…と思いきや。
晴「20年前、アポロでデビューした時は、ノストラダムスがどうとかで、人類はみんな滅亡しているはずでした。でも、何とか生き残って、デビューできました。この20年間、楽しいこともありました。アポロがドーンと行って…調子に乗った時もありました。…上手くいかなかった時期もありました。だけど今、こうして東京ドームに立てているということは……今まで僕らがやってきたことは、間違いじゃなかったのでしょうか?全部、正解だったと思って、いいのでしょうか?君たちが、これまでの全てを……正解にしてくれるのでしょうか?」
こんなこと言われたら!!!無理!!!正解なんだよ!!!全部!!!ポルノが歩んできた道が、今の私を作っているんだよ!!!!と、ボロボロに泣いた。まさかライラで泣く羽目になるとは。ニクい男晴一。
最終的に「昭仁さんお願いします……」と謎のタイミングでバトンタッチ。そして最後の最後のコーラスが終わり、サポメンが捌け、2人が今までに見たことないスピードで(多分時間が押していた)ステージの端から端へ手を振って周り……
晴「東京ドーム、最高でした~~!!」
昭「バンド人生で、最高の夜になりました!!ありがとう!!」
と生声挨拶で締め。
こうして1日目のライブが終わった。
ドームでも生声って聴こえるもんなんだなぁ…と妙に嬉しく思いながら、明日の最終日に向けてホテルへと急いだ。
迫りくる巨大な台風に、まだ待ってくれと願いながら…。
2日目へ続く。↓
http://ikaika1015.hatenablog.com/entry/2019/10/15/000138
<セットリスト>
M1 プッシュプレイ
M2 メリッサ
M3 THE DAY
M4 ミュージック・アワー~マシンガントーク~ヴォイス~狼~ミュージック・アワー
M5 アポロ
M6 グラヴィティ
M7 Twilight,トワイライト
Instrumental Theme of “74ers”
M8 n.t.
M9 Hey Mama
M10 渦
M11 俺たちのセレブレーション
M12 ジレンマ
M13 愛が呼ぶほうへ
M14 ラック
M15 キング&クイーン
M16 Mugen
M17 ネオメロドラマティック
M18 ハネウマライダー
M19 アゲハ蝶
M20 VS
EN1 オー!リバル
EN2 Century Lovers
EN3 ライラ