【ライブレポ】ポルノグラフィティ NIPPONロマンスポルノ'19~神vs神~【東京ドームDay2】

1日目はこちら。

 

ポルノグラフィティの20周年記念ライブ、NIPPONロマンスポルノ~神vs神~の二日目のレポ。

今回は、「20年の活動を網羅できるように、1日目と2日目のセットリストを変えてライブを行う」と明言されていたため、どの程度変わるのか、そしてどこが変わるのか?といったところがやはり気になっていた。

今回は特に変化したところを中心に書いていきたい。

 

☆座席

1日目はスタンド1塁側、そして2日目はスタンド3塁側と、ほぼサイドチェンジのようなかたちになった。どうやら、アリーナ⇔スタンド2階席、スタンド1階席⇔逆サイドのスタンド1階席、という席の出方だったようだ。ほぼ同じ場所(むしろ後退した)はずなのに、センターステージが見やすかった。角度の問題?

 

☆OP演出

1日目と同じように、ファンファーレが鳴り、サポートメンバーが出てくる。そして、ポルノの2人が……出てこない!!どこだ?と探していると、なんとセンターステージから登場!これには観客も盛り上がった。

 

 

M1 プッシュプレイ

1日目と同じくコーラスで始まる。この日は、なぜかギターを弾く昭仁がやたらカッコ良く見えて、カッコいいカッコいい!!と夢中で観てしまった。センターにいるから、1日目より自由に動いている感じが良かったのかもしれない。初手ツインギターという演出自体が燃えたのかも。

 

ドンドンタン、ドンドン!という聴き覚えのあるドラムパターンが。この時点で、既に最初の曲変更があり、なおかつアレンジも違うということがわかり、今後の期待が嫌が応にも大きくなる。

 

 

M2 Mugen

1日目ではホーン隊と一緒に披露されたMugen。この先にコーラスを言わせるイントロのアレンジは、2017年のROCK IN JAPAN FES、そして昨年のしまなみロマンスポルノで定着した。

《冷えた指先を温めようと 自分の両手を合わせてみても 僕の悲しみが行き交うだけで それは祈りの姿に似ていた》という歌詞の所で、ステージに跪いて指を折り、祈りのポーズをする昭仁が大好きで、私は毎回まじまじと見つめてしまう。1日目より、2日目の方が動きがカッコ良くてノックアウトされてしまった。ライブ中の昭仁のパフォーマンスは本当にカッコいい。

 

 

M3 THE DAY

1日目と同じ。この曲を2日ともやってくれたのがなんだか嬉しい。洗練されていて飽きることなくカッコいい曲なので、これからも色々な場所でやってほしい。

 

(MCはニュアンスです)

昭「皆さん盛り上がってますか!!わしらが~~~~ポルノグラフィティじゃ!!!」

晴「みんなすごいよ。最初の何曲かで、ステージの音量の調整をするモニターってやつをやるんじゃけど、歓声がすごすぎて、モニターが決められなかった。ドームでこんなことになるのは珍しいんじゃって!」

昭「昨日も来て頂いた方もいるじゃろうけど、序盤からこんなに盛りあがってもらってほんまにありがたいことです。」

晴「じゃあ、歓声のボリューム上げめで、ボーカル抑えめで行こうか。」

昭「なんで抑えんねん!」

昭仁がたまにステージ端へモニター指示をしている様子が結構好き。

晴「今日盛り上げてしっかりライブやるってのは当たり前なんじゃけど、自分たちもこの東京ドームという場所を楽しみながらやっていきたいと思います。」

 

ここで、1日目と同じく本間昭光さんが登場。

グダグダだったMCも、しっかり打ち合わせしたのか、段取りがちゃんとあったし、普段あまり聞けないような話があってとても良かった。

昭「初めて僕らを見た時のこととかは覚えているんですか?」

本「覚えてるよ。3人には、華があったね。見てくれも良かったし。」

昭「“見てくれ”って…(笑)」

本「でも華っていうものは後からつけられるものじゃないからね、それは武器だと思ったよ。だけど昭仁くんのファッションセンスだけはアレだったね。針金を仕込んだスカーフみたいなのを巻いてて…」

昭「なびいてるみたいになってたやつ(笑)。西川さんより先に風を感じていたね。」

晴「『アポロ』ができた時のこととか覚えてます?」

本「もちろん。僕は曲を作る時は、基本的に、鼻歌から入るんだけど。怪しい人みたいでしょ、街中で「フッフフッフ…♪」ってメロディーを録音するの、当時はスマホなんかないから、携帯式のレコーダーに。1stアルバムを作るときに、あと1曲なにかメロディが強いやつを作りたくて、それでアポロのサビのメロディが出てきたの。」

昭「僕も、貰って歌ったときに“これ、いけるんちゃうか?”みたいな感覚になったのを覚えてますよ。」

本「そこから何年かずっとプロデュースで一緒にやってきて、僕と2人がもうそれぞれやっていくってことになって、それを話し合った日の夜……なんかね、寂しいとかじゃないけどね、家に着いたら、泣けてきちゃって。そこから長い間、ほぼノンストップで活動するっていうのは、なかなかできることじゃないよ。20周年本当におめでとう。

そう話す本間さんの姿は本当に優しくて、ポルノの2人が話を聞く姿も、本当に親子みたいで、このステージで一緒にやっている姿をまた見ることが出来て良かった…と思った。

 

M4 ミュージック・アワー~マシンガントーク~ヴォイス~狼~ミュージック・アワー

1日目と同じ。「1日目が赤ベストからの選曲っぽいから、2日目は青ベストから来るのでは?」なんて言われていたけど、そんなことはなかった。

 

 

M5 アポロ

最初に本間さんのピアノが鳴らないというハプニングもあり、一回仕切り直し。

1日目がポルノグラフィティ20年目最後の『アポロ』だったとしたら、今日は21年目最初の『アポロ』だ。これからも、この曲は色褪せることなく響いていくのだろう。

 

ステージが暗転し、雰囲気が変わる。

ここまでは、前日の『グラヴィティ』と同じだし、空中ブランコの映像が作られていたから、変わらないだろう、と思っていた……。

 

 

ザッザカジャンジャンジャンジャジャンジャジャンジャン…

 

 

M6 n.t.

イントロが聴こえた時点で何もかもぶっ飛んだ。

本気で、この曲をもう一度聴けるとは思ってなかった。しかも、違うアレンジで。

前日に弾き語りでやったということを踏まえても、確実に2日目のセトリからは外れるだろうと思っていたので完全に大穴だった。『n.t.』は本当にマイベスト15に入れるほど好きなので、まさかアレンジ違いで2回も聴けるなんて、音源のバンドアレンジを東京ドームで初めて聴けるなんて思ってなかった。

1番サビ終わりの《そんな僕も そんな人間(ひと)もいいだろう》でオレンジ色のライトが上から昭仁を照らして、昭仁の顔にスーッと影を作り表情が見えなくなったのが怖いくらい綺麗だった。そして、最後の

風が舞う空にその身を投げることができますか?

大きな悲しみを前に耐えることができますか?

で、真っ赤なライトがカッ!!と鮮烈に光り、もう…ほんとうに怖かった。ゾッとするほど不気味で美しくて哀しくて、ザラッとした感情がそのままぶつかってきた。

固く握り締めた拳を振り下ろさずにいれますか?

そしてそれが生きる事だと胸を張って言えますか?嗚呼…

東京ドームで『n.t.』が聴けて本当に良かった。

 

 

M7 Twilight,トワイライト

1日目は、美しさ~怖さという空気感があったけど、昭仁作詞作曲の暗い曲が続くのもまた良いな~と思った。2日目は、やり場のない怒り~悟り、寂寞した気持ちという雰囲気があった。

それほど歌詞も長くなく、短いセンテンスの行間にぎゅっとメッセージが込められている曲だが、晴一は昭仁が書いた詞の中でもこれを気に入っているようで、それもなんとなくわかる気がした。その行間を、ギターという言葉で表現しているのが晴一なんだろうと思う。

 

 

Instrumental 『Theme of  "74ers"』

原曲は本当に短い曲なので、かなりアレンジされて切なくも美しい曲になっていたが、何か理由があってこの曲を選んだのか少し気になる。

 

 

そしてまた、「チュンチュン」と小鳥の声が。

前日は予定調和な雰囲気にしてしまったことを受けてか、今日は最初から盛り上がる観客。やっぱりなんでも当たり前にしてはいけないなと思う。

また、花道を通ってセンステへ移動する昭仁。

昭「え~今日聴いてもらう曲、この曲は、自分が作曲したんじゃけど、作っているうちにどんどんいい感じで進んでいった曲で、レコーディングしてる時にバイオリンのNAOTOさんに来てもらって、ちょっとこのフレーズ弾いてもらえる?って弾いてもらったらそれがバッチリハマって。そうやってどんどんメロディができていった曲でもあります。瞳の奥をのぞかせてという曲です。」

 

ここで先に説明しておくと、バイオリニストのNAOTOさん(関ジャムにもよく出ている)は、ポルノのライブに初期からサポートメンバーとして参加してくれていた。「ロックバンドとバイオリン」という一味違ったサウンドをポルノにもたらしてくれており、ポルノのサウンドと歴史を語る上で、ファンにとっては欠かせない一人でもある。

いつも笑顔で、金髪で、ステージに華を添えてくれて、バイオリンとは思えないパフォーマンス(アンコールで定番のブリッジ弾きなど)で会場を沸かせてくれたNAOTOさん。最後にゲストで来てくれてたのは2015年のダイキャスツアーの追加公演で、ご本人も忙しい方のため、もっと前からツアー自体にはめっきり同行しなくなっていた。

 

 

M8 瞳の奥をのぞかせて

NAOTOさんの名前が出た時から『瞳~』だ!とすぐに思ったけど、私は本当にこの曲が大好き。『dice are cast』ツアーの時のアレンジも好きだったけどやっぱり原曲の、バイオリンの入った艶っぽいアレンジも大好きで。でもこの曲を弾き語りで聴くことになるとは思っていなかった。

 

「かぁ……らのワイン……グラス……の横で……ッ」

 

あぁ……ああ~~~~~~~~~~~~~…。

 

静まり返った会場に響き渡る昭仁の声。

真っ白な紙にインクの雫をポタ、ポタ、と垂らしたように、ゆっくりと、確かに、美しい色が広がっていく。

少し掠れて、切なさを感じさせるハスキーさと、ガラスのような透明感、サビになるとしなやかな強さが加わって、改めて、私は昭仁の声が、本当に大好きだ…と思った。

贅沢なことに、私はこんな機会もうないかもしれない!と思い、東京ドームに広がる昭仁の声を、目を閉じて聴いていた。全身を耳にして、昭仁の声だけ感じていた。大袈裟でもなんでもなく、私は、脳みそがドロドロに溶けていくのを感じた。なんて幸せな、なんて美しい時間だったのだろう……

 

すると、1番を歌い終えたところで、フッと声とギターの音がしばらく止んだ。

どうしたんだろう?と目を開けてステージを観ると、

花道から歩いてくる、

 

金髪の、バイオリンを持った……人が……金髪……の………

金髪のバイオリンを持った人が!!!!!!!

 

この情報だけで、充分だった。

NAOTOさんがそこにいた。観客の、悲鳴のような歓声を浴びて、ニコニコと笑いながら昭仁に近づいていく。そして、2人で目線を合わせて、

 

あの美しい歌うような旋律を、NAOTOさんが奏でだす。

聴いてもらった方が早い。これです。(18秒~)

https://www.youtube.com/watch?v=jjSEL_zs7cU

www.youtube.com

 

 

この音が鳴った瞬間、口の中で曲の味がした

これは真面目な話なのでちゃんと書いておくと、東京ドームという真っ白で大きな皿に乗っている高級ステーキが昭仁の声だとする。それを今まで、ギターという塩だけで味わっていたのが、NAOTOさんのバイオリンという秘伝のソースが絡まった瞬間、脳の中に幸福物質がドバーーーーーーーッ!!!っと出た感じがした。脳で食べる麻薬。全身痺れるほどの朦朧とした感覚は、今までに味わったことのないものだった。

演奏自体も良かったし、今はお互いの道を歩む旧友の再会のような熱い演出に胸が躍り、目頭が熱くなった。NAOTOさん本当にありがとう。そして岡野昭仁はやっぱり最高だった。

 

2人が捌けた後は、やっぱりこの人の時間。

 

 

M9 ウェンディの薄い文字

ああ、なんとなく、1日目に『Hey Mama』がフル尺になったことで、この曲も日替わりになるんじゃないかな~と思っていたけど、本当になった。

ウェンディは晴一が初めてボーカルを務めた曲で、OMCツアーで披露されたきりだったが、久々に日の目を浴びた。

やはり、発表会のようなあたたかい空気が流れる。《撫ぜるだけさ》のコーラスも、12年ぶり。晴一の声は本当に、歌うと更に少年のようなあどけなさをはらんでいるので、歌詞も普段本人が書いているような大人の曲ではなく、こういった少女や少年が主人公の曲が似合っている。

 

ステージが暗転し、奥からなんとストリングス隊がせりあがってきた。この時気付いたのだが、ステージの奥に上下するスペースがあり、恐らくホーン隊もそこから出たり引っ込んだりしていたようだった。

不穏な感じのインストを奏で始め、次の曲を予感させる。いよいよ、2日目の後半戦のスタートだ。

 

 

M10 リンク

ここからはストリングス隊とのコラボ。BEツアーでも『リンク』は聴いたけど、やっぱり生弦があると締まる感じがする。晴一が「本間さんにこの曲には弦を入れようと言われて、求めているものと違ったので少し抵抗したけど、結果入れて良かった。本間さんはすごいと思ったし、悔しかった」という旨のことを言っていたが、確かに当時イメージしていた武骨なロックサウンドとは違ったのかもしれない。けれど、ストリングスがあることでよりスリリングでソリッドなサウンドになっているし、この曲特有のあたたかさが生まれていると私は思う。

 

ここで、改めて“NAOTO Strings”の紹介が。

昭「先ほども一緒に演奏してくれました!2日目のスペシャルなゲストは、NAOTO Strigns!!ここからはNAOTO Stringsと一緒に盛り上げていきたいと思います!!次の曲は、みなさんにもお馴染みの、聴いたことある曲なんじゃないかな。え~~この曲は、ラテン語で、“情熱”……?」

ここまで聴いて、晴一が違うよ!!といった顔をしたあと、爆笑。

昭「情熱じゃないな。なんだっけ、郷愁!」

今さら間違えてやんのと言わんばかりに、指を指してプププと笑う晴一。

昭「“郷愁”という意味の曲を聴いてもらおうと思います!」

(これを今更「聴いたことがあると思う」と言ったのもちょっと面白かった)

 

 

M11 サウダージ

これも生弦で聴くのは本当に久しぶり。サビのところの追っかけのメロディが特に好きで、より切なさと、美しい哀しさが増していく。

今回のドームのサウダージは特に調子が良くて、ボーカルの微妙なピッチずれもほとんどなく(ほんとにわずかなものだがサウダージはテンポも速く歌詞も詰まっていて起こりやすいと思う)、後半にも関わらず絶好調だった。最後のアドリブも本当に綺麗で、ここ数年で昭仁のファルセットは最強になったと思う。

 

 

M12 ブレス

テレテレテロロロ……というイントロにまた驚いた。ここでブレスが来るとは!

しまなみロマンスポルノで1回披露されたきり、ツアーにも組み込まれなかったこの曲。『ブレス』には本当に色々な想いが詰まっているので、冷静な状態では聴けなかったし、自然と涙がこぼれてしまった。淡い虹色のライトに照らされたステージは本当に綺麗だったし、ストリングスが美しかった……。

力強い昭仁の歌声と、優しい音色の晴一のギターと、会場のコーラスが混ざり合って本当に幸せな空間が生まれていた。

私は最後に「ウォーオー」のコーラスが昭仁の声だけになるのが好きなんだけど、昭仁が「最後の1回も!(一緒に!)」と煽ったことで、みんなで完結させたのがとても印象的だった。

 

昭「次は、みなさんにもお馴染みの曲を、今日はNAOTO Stringsと一緒に演奏したいと思います。聴いてください。『愛が呼ぶほうへ』」

 

 

M13 愛が呼ぶほうへ

1日目はホーン隊とのアレンジが新しい魅力を生み出したが、ストリングスとのコラボは正に音源に近い正規アレンジといった感じで、あ~~これこれ!!という気持ちになった。何回も書くけど、生弦の音は本当にあたたかくて、包まれるような優しさに心が洗われるようだった。

 

昭「さぁ!!次は、ポルノにとっても新機軸になったような、そんな曲を聴いてもらいたいと思います!『Zombies are standing out』!!!」

 

 

M14 Zombies are standing out

曲名を言っただけで割れんばかりの歓声が上がる。この曲も、ポルノの定番ロック曲としてすっかり定着したなぁと思う。本当にカッコいい。こういう曲がファンにも求められていることが2人にもちゃんと伝わったんじゃないかなと思う。もっともっとこういう曲が聴きたい。

ちなみに最初に“新機軸”と言った時点で「カメレオン・レンズかな?」と思ったんだけど違った。あれも早くもう一回ライブで聴きたい…。

 

 

曲が終わり、少しの沈黙の後、晴一がテロレロテロレロ……とアドリブを弾き始める。なんだか聴いたことがない曲のようで、あたたかいような、寂しいような、ちょっと不思議な感じのメロディだった。

 

 

M15 サボテン

アドリブ後のイントロを聴いた瞬間、そう来たか!!と思った。かなり今までとは違う新鮮なアレンジだったし、しまなみの時にやっていた最後の昭仁のアドリブもあってめちゃめちゃ興奮した。

ちなみに、“ポルノ展”で聴いたインディーズ時代の『小さな鉢のサボテン』は、歌詞のテーマも全然違って、テンポも若干速く、CDより1音も高く、もっとストリートな感じのアレンジだった。

私は冒頭の晴一のアドリブが、雨に濡れて滲んだ窓という感じの情景が浮かんできて本当に良かったな…と思っていたのだけど、これを下書きしていた以降のラジオで本人が「サボテンが元々持つ、過去を思い浮かべて昔がちょっと滲んで今の気持ちになる、みたいなのをギターで表現できないかなと思って、ああいうアレンジにした」と言っていて、当たらずとも遠からず?な気持ちになったし、それを確実に届くようにギターで表現できる晴一の感受性と技術に舌を巻いた。晴一は、世界的にトップレベルの技巧的なギタリストではないかもしれないけど、私は晴一のギターにおける表現力が大好きなのである。

 

 

M16 ヒトリノ夜

再びストリングス隊が出てきて、生で聴くイントロのキュイイイイイイの迫力はすごかった。『ヒトリノ夜』も、原曲には原曲の良さがある曲だと思っていたけど、この日ばかりはそれを全く超えていた。生弦の迫力、そして昭仁のシャウト!!まさかこの曲であんな叫びを入れてくるなんて、本当に興奮しすぎてどうにかなりそうだった。今までで一番カッコいいヒトリノ夜だった。

 

 

M17 瞬く星の下で

この曲がセットリスに来た時点で、まず思ったことがあった。これ、しまなみでやったなぁ。そう考えると、サボテンも、ブレスも、愛が呼ぶほうへも、Mugenも……。この絶妙に偶然とは思えない選曲に、「もしかして、しまなみロマポル2日目のリベンジでもあるのだろうか?」と思わざるを得なかった。

『瞬く星の下で』は、音源だと正直ス~ッと流れてしまう感じであまり好んで聴く曲ではなかったんだけど、昭仁の生の歌声が乗ることでむしろ確かな熱を感じるし、終盤でも全然映える曲だなぁ!と新しい魅力に気づくことが出来た。あとやっぱり生弦が良いし、曲の持つ優しさとぬくもりがより伝わってきた。

 

 

M18 ハネウマライダー

ハネウマも、本来はストリングスがとても映える曲なので、まさしく音源そのままという感じでとても良かった。キラキラしていてしなやかで、ちょっと切ないセンチメンタルな雰囲気がとても素敵だった。贅沢なハネウマだった。

やっぱり定番曲でNAOTOさんがいるという懐かしさもあり、ハネウマでこんなに感動したのは久しぶりだった。

 

 

M19 アゲハ蝶

2日目、非常に印象的な出来事があった。

間奏で、観客がラララのコーラスをしている最中。何気なく、ちょうど晴一を見ていると、おもむろに晴一がイヤモニを両耳から外したのだ。そして、少し客席を見渡した後、背後のスクリーンをじっと見つめていたのだ。

その表情を、更に別のスクリーンが映していて、勝手な想像かもしれないから申し訳ないんだけど、本当に、あたたかくて嬉しそうで、穏やかな顔で……。

「ドームでやれるということを、自分も楽しみたい」と言っていたことを思い出して、ああ、生の声を自分の耳で聴いているんだ、そして、客の表情をちゃんと見ているんだ…と思った。

そんな晴一の表情で自分も泣きそうになったし、本当に、今日この場にいられて良かった……と改めて喜びを噛みしめた。

 

 

いよいよ、最後の曲。1日目は、まだ明日があると思えたけれど、この幸せな空間がいよいよ終わりを迎えることに、少しの寂しさを感じながらも、その時はやってくる。

 

 

M20 VS

もう本当に何も言うことがない。2日目の『VS』はイントロから泣きっぱなしで、キラキラと紙吹雪に包まれている2人を見ているだけで、本当に幸せで、楽しくて、終わってほしくなくて、とにかく泣いた。本当に、楽しくて幸せだった。

 

 

魔法のような時間が終わっていく。

でもしんみりしてはいけない。これはお祭りなのだから、最後まで楽しまないと。

 

 

昭「アンコールありがとうございます!君らがそんなに卑猥な3文字を連呼するけぇ、アンコールやるよ!!!晴一、よろしく!!」

晴「……福山雅治さん、僕に力を…」

そのくだりは毎回やるんかいと思いつつ、2日目のアンコールへ。

 

 

EN1 オー!リバル

またサイ型のフロートに乗って進む2人。前日の反省を活かしてか、昭仁は歌がちゃんと歌えるように、間奏でバズーカを撃ちまくることにしたようで、前日よりも全然段取りが良くなっててよかった。今回はサインボールではなく、Tシャツを丸めてパッケージしたものが飛んでいたらしい。

オー!リバルをアンコールに使うのも贅沢だなぁと思ったし、観てても聴いてても楽しかった。

 

 

EN2 Before Century ~ Century Lovers

前日から気になっていた「エビバディエビバディセイ!」について、「どうこれ。新しいやつ考えたんじゃけど!へへ。」と地味にバージョンアップしていたことに昭仁が言及!ちょっとしたり顔。そのついでか、「せっかくだから、昔やってたやつも特別にやっちゃおうかな~!!」と、「エビバディ!みんなで!声出せ~!!」の方を披露!!ミュージック・アワーカップリングに入っている方の貴重なバージョン。

本人曰く「ダサ~~~。ダサいわぁ。これじゃ声出んじゃろ!!」とのことですぐに通常Verへ。ボーカルなりの模索という感じでなんだかとても良かった。

なんと2日目は、昭仁だけでなく、晴一“アレ”を披露していた。

 

 

曲が終わり、メンバー紹介へ。

この日は最終日ということで、サポートメンバー全員から一言ずつ貰うことに。

 

tasukuさん(Gt.)「僕は東京ドーム初めてだったのですが、こんな素敵な場所に連れてきていただけて、ポルノの2人には本当に感謝です。本当にありがとうございます。」

皆川さん(key)「UNFADEDツアーの時には、人生の終活を考えてましたが、今日こんな素敵な景色を見られて、まだまだやらないとなと思ってます。」

nang-changさん(Manipulaotr)「デビュー当時から立たせてもらって、20周年でもこうしてドームに立てて、次にここに立ってサポートするのは30周年かな。これからもよろしくお願いします。」

須長さん(ba.)「20周年ということでたくさん準備してきましたが、想像もつかなかった景色でやれて本当に感動しながら弾いてました。30周年もここでやりましょう!」

真助さん(drams)「気付いたら、古株の2番目くらいになっていて、色々なライブを回ってきたけど、僕はこの席から動けないのでずっと後ろから見ていたんですが……今日は…くるものがありましたね……」

最後に涙声で話す真助さんにもらい泣きしそうになった。

 

昭「では、NAOTO Stringsを代表して、NAOTOさんお願いします!」

NAOTOさん「ご無沙汰しております。NAOTOです。20周年本当におめでとうございます。5万人のタオルを見た時は……正直やばかったですね。離れていても、心はずっとポルノチームの一員だと思っておりますので、また呼んでください。今日はありがとうございました。」

 

そして最後に、本間昭光さんより。

本間さん「20周年おめでとうございます。デビューから一緒にやってきて、距離を置くことになっても、またこうして一緒にやらせていただいてありがとうございます。今までずっと走り続けて来て、これからも走り続けるとは思いますが、ポルノグラフィティ、続けてください!ほんとに、それが何よりの願いです。」

 

そして最後は、もちろんこの2人。

昭「よし、じゃあせっかく20周年じゃけぇ、今までで一番でっかい声で呼んでやろうかな!!みんなもでっかい声で呼んでくれよ!!オーーーーーンギターーー!!!」

客 \晴一~~~~~!!!!!/

昭「オーーーーーンギターーーー!!!!!」

客 \晴一~~~~~!!!!!/

昭「ポルノグラフィティ、オンギター、は~~るいち~~~~~!!!!!!」

晴「……次は30周年!って言うのは簡単だけど、そうじゃなくて、これからも自分たちが本当にやりたいことをやれてるか、楽しんでやってるのか、ファンの皆さんを驚かせられるのかをしっかり考えて、これからもやっていきたいと、思います。」

 

晴「そして残った一人が~~~~」

昭「…なんかいつもと違う!!」

晴「こんなんじゃなかったっけ?(笑)ちがう?…ボーカルは~~~!」

客 \昭仁~~~~~!!!!!/

晴「ボーカルは~~~~~!」

客 \昭仁~~~~~!!!!!/

晴「ポルノグラフィティ、ボーカル、岡野~~~昭仁く~~~ん!」

昭「ありがとうございます!!……わしはこう見えてドライな方じゃけぇ、20周年を迎えて、どう思うんじゃろう?って思っとったんよ。現実的なところがあるけぇ。でも、そんな僕でも、今日は……キたね。今までの20年間、僕たちは何かになれるんじゃないか、自分たちは何か大きいことができるんじゃないかって信じてここまでやってきました。偉そうなことを言うけれど、皆さんも、何かひとつ、信じてみてください。そうすれば、何かが起きると思います。君たちが背中を押してくれるから、失速した時にも、君らが求めてくれたから、ここまでやってこれました。最高のファンです!!本当にありがとう!!!」

 

昭「さぁ!何度でも言うけど、今日は皆さんも主役です!最後は、歌って、踊って、泣いて、笑いましょ~~~~~!!!!!」

 

 

EN3 ライラ

正直、正直なところ!!私は本編でセットリストに『ジレンマ』がなかったことで、やっぱ最後の最後はジレンマでやるんだ!NAOTOさんもいるしブリッジ見れるぞ!と思っていたので!!ちょっとだけ燃焼不良でしたが。そろそろアンコールのジレンマが聴きたい!!

しかし、やはりこの独白が強かった。

晴「とは言うものの!ポルノグラフィティをやってきて良かったなと思います!ポルノグラフィティが今の幸せの、全てをくれたと思っています!ポルノは、皆さんに、少しでも何かを与えることができたでしょうか?幸せを、届けられているのでしょうか?何かを残すことができたのでしょうか?」

ハァ~~~~~~。ポルノグラフィティ、大好き!と思考停止の感想になるくらい、感謝の気持ちと幸せと愛で溢れた。そんな気持ちになれる時間が私にはある。この上なく幸せなことだと思った。

 

 

最後にメンバーが捌け、2人がステージの端から端まで手を振りながら歩く。

そして、いつもツアーの最終日にのみ起こるレアイベント。2人の固い握手だ。

いつもは「仲良くなんかありませんよ」といった風な雰囲気を出している2人だけれど、そこには確かな信頼と、絆があった。

最後に深々とお辞儀をする2人。並ぶと「PORNO」「GRAFFITTI」になるはずのTシャツの柄が逆になっているところもまた彼ららしい。

すると、あとは捌けるだけだと思っていたが、OPのファンファーレが突如鳴り響き、『祝!20周年』の文字が画面に現れた。それに合わせて、ファンにはおなじみの“はっさくメガネ”がお祝いの言葉を述べ、「2人にプレゼントがあります!」と、なんとステージの端から、ドームを歩いている本物のビールの売り子さんが、ビールを注ぎに来たのだ!

ポルノの曲『はなむけ』をBGMに、2人で乾杯。

昭仁は一気飲みしようとしたのか、飲めずに大量のビールを口から物凄い勢いで出してしまうと言うハプニングが……その場はびっくりして笑ってしまったが、あれだけ動き回ったのだから当たり前とも言える。ゆっくり休んでほしい……。無理は禁物。

晴一は早々にステージの端に座り込み、そこに昭仁もやってきてまるで座敷のような雰囲気に。「つまみ持ってこーい!」「おかわり!」とオフマイクでふざける2人は本当に和やかで、ああ、無事に今日と言う日がこうして終わっていくのだなと思った。

 

そして最後に生声で一言。

晴「気を付けて帰ってください!」(この日は台風が迫っていた)

昭「皆さんは、ポルノグラフィティのファンで良かったですかーーー?!僕もーーー!!ポルノグラフィティやってきて、良かったでーーーーす!!!!ありがとーーーー!!!!!」

 

 

もう、終わりにまとめで何も書く必要がない。

私は、やっぱりポルノグラフィティが大好きで、今までファンをやってきて、ずっとずっと楽しくて、幸せだった。それを感じられただけで、それだけで良かった。

そして、これからの幸せも、ポルノグラフィティと共にあるんだろうなと、そう確信した2日間だった。

また次のライブで会える日を心待ちにして日々を過ごそうと思う。

ポルノグラフィティに出会えて本当に、良かった。

 

今までありがとう。これからもよろしくね。

 

 

<セットリスト>

M1 プッシュプレイ

M2 Mugen

M3 THE DAY

M4 ミュージック・アワー~マシンガントーク~ヴォイス~狼~ミュージック・アワー

M5 アポロ

M6 n.t.

M7 Twilight,トワイライト

Instrumental Theme of “74ers”

M8 瞳の奥をのぞかせて

M9 ウェンディの薄い文字

M10 リンク

M11 サウダージ

M12 ブレス

M13 愛が呼ぶほうへ

M14 Zombies are standing out

M15 サボテン

M16 ヒトリノ夜

M17 瞬く星の下で

M18 ハネウマライダー

M19 アゲハ蝶

M20 VS

 

EN1 オー!リバル

EN2 Century Lovers

EN3 ライラ