私のポルノグラフィティ マイベスト15(シングルのみ)

今回はシングルに絞って選びました。迷っているうちに新曲が出たりしてめちゃくちゃになってしまったのですが、現時点での私が思う最高の15曲を選び抜きました。昔サザンオールスターズの桑田さんが、ポルノのことを『平成の愛すべきハイブリッドポップアーティスト』と名付けてくれたのですが、選んでるうちにやっぱりその通りだなと思いました。ポルノはそう、ジャンルのハイブリッド、さながら万華鏡。

シングル以外はこちら。

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※タイトルの下にあるのは動画なので再生できます。

 

1.ヒトリノ夜 (作詞:ハルイチ 作曲・編曲:ak.homma) 

私は常日頃「ポルノのライブはいいぞ。ライブこそ全て。ライブは音源以上だぞ」と言い続けているが、逆に『音源にしかない良さ』というのも存在する。それは、特にポルノグラフィティの初期に顕著であると思っている。昭仁の声質が全く違うのだ。もちろん、現在の岡野昭仁の歌声が最高だと思っているが、初期のまだ喉を使って歌っているような、パン!とはじけていて少し掠れた「若さゆえのセクシーな声」というのは、この時期の音源でしか聴けない。

特に私は、上のPVにはない2番サビ、『だからロンリー・ロンリー 甘い甘い』の『あ まぃあッ まぁ~い…』(この表記が重要)、この部分の歌い方が本気で天才だと思っている。初めて”耳からときめく”ということを体験した。気持ち悪いが本気である。何回も何回もリピートしてしまうくらい大好きだ。

 

 

2.ミュージック・アワー (作詞:ハルイチ 作曲・編曲:ak.homma

ポルノグラフィティのザ・ポップソングと呼べる曲の中でも、実はこれが一番好き。まず歌詞がすごい。視点は『DJ』という完全外部の人間にもかかわらず、ストーリーを説明しすぎていない。恋をしている女の子のときめき感、キラキラ感、そして甘酸っぱい痛み。それらがメロディにもギュッと詰まっていて時折涙が出そうになる。涙が出るタイプのキラキラ。ただ爽やかなだけではなく、どこか胸の奥が切なくなる、不思議な曲。

ライブだとテンションに任せて最後の方とかもうめちゃくちゃになりがちなので、「正しい」音源がさらに意味を持つ曲ともいえる。

 

 

3.メリッサ (作詞:新藤晴一 作曲・編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

子どもの頃、テレビから流れてくるJ-POPの中に混ざって聴こえてきた、「君の手で切り裂いて 遠い日の記憶を 悲しみの息の根を止めてくれよ さあ 愛に焦がれた胸を貫け」という歌詞に度肝を抜かれて今に至ると言っても過言ではない。単純にカッコよすぎる。 「愛に焦がれた胸を貫け」って。これもうこの言葉の形をしたナイフとしか言えない。耳馴染みの良いメロディに昭仁のロングハイトーンも圧巻、ポルノのスタイリッシュでクールなカッコよさを凝縮したみたいな曲。

 

4.愛が呼ぶほうへ (作詞:新藤晴一 作曲・編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

『恋愛ソング』ではない『愛』そのものについての歌、これが書かれたのが2003年というのだから驚きである。新藤晴一は何を経験して生きたらこんな歌詞が生まれるのか教えてほしい。静かに紡ぐようなイントロから、一瞬の静寂で始まる『償う人の背に』、この無音部分の『つぐな』という歌声のなんと優しくあたたかいことよ。唯一無二の存在。『そう 永遠で 一瞬で』を『えいえうんで いいっしゅうんで』と歌う昭仁節も天才。

 

 

5.ラック (作詞:新藤晴一 作曲:Tama 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

さっきまで優しい優しい言ってたのに同じバンドか?って思うくらいのゴリッゴリのハードロック。愛が呼ぶほうへを子守歌にしていた子どもが泣きわめく。ポルノがロックじゃないと言われると無言でこれをバンバン投げつけたくなる。武骨で退廃的でガツンとパンチの利いた曲も、ポルノの魅力を形成する一つ。あと韻の踏み方が尋常じゃなく綺麗なので聴いてて異様にハイになる。

あとPVがアホほどカッコいいので見てほしい。

 

 

6.シスター (作詞:新藤晴一 作曲・編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

ポルノと言えば欠かせないのが、シスターのようなどこか民族的でエキゾチックなメロディの曲である。どうしてこんな感じの曲がここまで似合うのか。昭仁の、少しハスキーで物悲しげな歌声を存分に活かした名曲。シスターの音源は特に、声が透き通っていて深い蒼い海を連想させる。また、詞の並びも美しく、心情描写はもちろんだが

『鐘の音が岬を臨む教会から響く 美しいシスターの祈りを乗せ 

人の心にも時間の移りを優しく告げていく』

こんな美しくも寂しげで、どこか神聖な景色が浮かぶ情景描写があるだろうか。100回書き取りたい。

 

 

7.ネオメロドラマティック(作詞:新藤晴一 作曲・編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

「バラード100曲やったあとでも盛り上がる」と言わしめる正に死者蘇生ソング。イントロ開始3秒の『ギュイ~~~イエインイエ~~ン!!!!!!!』でもうテンションバチ上がる。そして更に注目すべきは、歌詞の構成。

『行逃げよう が望むままに 幸か幸かネオメロドラマティック

何気に韻の踏み方と『カ行』を多用することで歌詞の切れ味がグンと増しているのがわかるだろうか。晴一の作詞技術と昭仁の滑舌あってこその、独特のポルノらしさが生まれている曲である。

 

 

8.ROLL (作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

ネオメロがクールな熱さなら、ROLLは優しいぬくもり。昭仁の詞曲の中でも断トツで好きかもしれない。曲中でずっと鳴っている『カァン!』という金属音は、痛んだ心の鼓動だと本人が言っていた。優しい曲調とひりひりするような痛みを持った歌詞が相俟って、やりきれない孤独感を生み出している。『僕はそれを恐れてたんだ』の一瞬だけバックが無音になる瞬間にいつも”人間”を見る。
 
 

9.ギフト (作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

心の清涼剤。ギフトは他の何にも代えがたい、そっと背中を押してくれる…ような、押してないような、応援ソングやメッセージソングとは呼び難い、言うなれば『自問自答ソング』。主人公が最後の最後まで一歩踏み出す直前で終わるのがとても良い。作詞者である新藤晴一は決して「がんばれ」とか「やればできる!」といったニュアンスの言葉は使わないのだ。踏み出すのはあくまでも、自分自身。それが昭仁曲の特徴である、羽ばたくような軽やかなメロディに乗せられることで、聴きやすく、重すぎない曲となっている。
 

 

10.瞳の奥をのぞかせて (作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ) 

上記の『ギフト』で初めて「詞:新藤晴一 曲:岡野昭仁」の曲を出したが、シングルではこの組み合わせが最強だと思っている。そのうちの一つがこの『瞳の奥をのぞかせて』。特徴的な3連のリズムと艶やかなストリングス、まるで楽器のように難解なメロディを歌い上げる岡野昭仁の声。歌詞も含め大人の妖しい色気全開なのにじとっとしすぎていないのは、カラッとした昭仁の声のおかげだと晴一も言っている。

ポルノにはエキゾチックが似合うと書いたがこの曲も正にそうである。 あまり世に出た時は跳ねた売れ方はしなかった(タイアップドラマがこけたのもある)が、私はシングルベスト5くらいにもこの曲を入れたいくらいである。あと詞では『青いインクで書かれた美しい文字』『ピアノのように磨き上げたあの黒い車』という、物品のワードだけで相手の男が只者ではないことを伺わせるような秀逸な流れとなっている。

 

 

11.EXIT (作詞:新藤晴一 作曲:新藤晴一ak.homma 編曲:ak.hommaポルノグラフィティ

びっくりするほど音域が広すぎて喉どうなってんの?と思った曲。ボーカルの能力を信用しているから書いたとはいえ結構鬼である。サビのものすごい勢いでオクターブ上昇する展開もそうだが、この曲は歌詞がすごい。”地下鉄”と”人の心”という、情景描写と心情描写が違和感なく入り乱れる傑作だと思っている。かなり技巧的な1曲である。『闇雲に強い力で押さないで』というフレーズは、何度読んでもゾッとする。

 

 

12.2012Spark (作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁 編曲:tasuku ストリングスアレンジ:tasuku、門脇大輔)

ポルノのザ・スタイリッシュカッコイイ系の曲。スタイリッシュなんだけどゴリッとした、だけどストリングスは美しく映えて、なんかとにかく聴いてほしい感じの曲。メロディは日本刀なんだけどギターは鉈、みたいな。昭仁が曲を作ると大体音域が化け物みたいに広くなるので、ラストサビはもう咆哮って感じ。でもそれを歌えるんだからすごい。歌詞でも強調されてるようにこの曲は正にスパーク、刃物がカンカンとぶつかりあって散らす火花がイメージされるような曲。

 

13.オー!リバル (作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁 編曲:tasukuポルノグラフィティ) 

ここまでまだ言及していない「ポルノらしさ」、それは”ラテン・ロック”。ポルノの十八番のような存在であるが、数あるラテン曲の中でも私はこれを推す。絶対これ。もうサウダージとかアゲハ蝶とか正直跳び越えた。1曲まるごと、余すところのない名曲。パンチがありつつ流れるように展開するメロディと、それに乗った叙情的な歌詞が生むリズム感がたまらなく心地よい。あっという間に終わってしまう。特にBメロなんてジェットコースターみたいなのに全然違和感ない。アレンジもとにかくカッコいい。

 

 

14.カメレオン・レンズ(作詞:新藤晴一 作曲:新藤晴一 編曲:篤志PornoGraffitti) 

何回聴いても、「何?!この曲やば」となる。ポルノの武器は、ロックバンドでありつつその形態に左右されない楽曲の自由さ、幅広さにある。ポップもやればハードロックもやる、ラテンもあれば打ち込みもあって果てはロシア民謡もある。そしてこのカメレオン・レンズは、EDMである。これ、ポルノの曲なの?と思ったあなた。そうなんです。ポルノグラフィティは万華鏡なんです。ボーカル含め鳴ってる音が全部気持ちいい麻薬みたいな曲。

 

 

15.ブレス(作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁 編曲:tasukuPornoGraffitti) 

老若男女に聴いてほしい曲。 ポルノの持つポップさ、その裏にある少し皮肉を交えた歌詞。グッと手を差し伸べるわけでなく、突き放すわけでもなく。自分自身で歩き出せるよう、そっと風を吹かせるように語りかけてくる曲。明るすぎず、寂しすぎず、優しくも強い。『今』を生きる私たちには『未来』は迎えにはこない、でもどこかに待っている。歩き続けたり、休んだり。心に深呼吸が必要な人へ送りたい名曲。
 
 
各音楽サイトにて全曲配信中なので、これ聴いてみようかなぁ~というのがあったらぜひチェックしてみてください。
 
3.メリッサ
5.ラック
6.シスター
8.ROLL
9.ギフト
11.EXIT
12.2012Spark
13.オー!リバル
14.カメレオン・レンズ
15.ブレス