【ライブレポ】ポルノグラフィティ15thライブサーキット BUTTERFLY EFFECT 感想【後編】

後編です。前編はこちら

 

参加公演
2017.11.23 釧路市民文化ホール
2017.11.25、26 札幌ニトリ文化ホール

3公演まとめての内容になります。 

 

 

 

昭仁の弾き語りが終わり、晴一が重く暗いセッションの中で散文詩のような言葉たちを語り出す。

 

午前5時に反転したものは

夜と朝 本当とウソ

海底から見上げた魚は空を飛んでいて

空から見下ろした鳥は海を泳いでいる

夜の本当は朝のウソ

午前5時に反転したものは

一瞬と永遠 沈黙と静寂

二人黙った時間を「沈黙」とよび

一人黙った時間を「静寂」とよぶ

一瞬の沈黙と永遠の静寂

午前5時に反転したものは

午前5時に反転したものは

 

加わるギターソロ。

 

新藤晴一は基本「発信したい」人だ。

ライブのMCでも、今回だとアルバムのコンセプト説明や、これからのポルノのあり方などを、代弁者として語るのは晴一だし、ツイッターもやっているし、ラジオのレギュラーも続いているし、昔は自らテキストサイトを運営、ブログの開設などもしていた。雑誌の連載はエッセイ的な本になっているし、小説も書く。いつでも自己表現の場を欠かさない。

 

その新藤晴一が、いざライブでコーナーを持つとなると、一言も「おしゃべり」をせずに、己の紡いだ言葉とギターセッションのみでこちらに勝負を仕掛けてきた。この潔さ、多くを語らずとも俺を感じてもらおうじゃないかという、表現者としてのプライドに圧倒された。

 

私の好きな新藤晴一の要素がここにある。「えへへ…こんなんできましたけど…」ではなく「おら!!!!!聴け!!!」という、こういうクリエイターとしてポジティブな自信がある所。それが結果として万が一不評であろうが、持てる駒の中から全力で選び抜いたものを全力で出す。 それなのに全力であることを感じさせない様に普段は飄々と振る舞っているのが新藤晴一という男の魅力と私は思う。

 

 

 

一体何が始まる……?と誰しもがまだ思っているなぁと感じていた。

 

「本当とウソ」みたいなフレーズでLiARかなとか思ったけど、ヘソ(ポルノのライブにある雰囲気の転換も兼ねた大きな見せ場)でやるか?と思ったり、「午前5時」でグァバジュースもよぎったけどまず無いだろうなってくらいの、重く陰鬱とした空気。

 

何が来るのか予想がつかないまま、セッションの高まりがピークになり一瞬の間が生まれた時、

 

 

 

 

 

 

 

「月を飼うのと 真夜中に」

 

 

 

 

 

 

 

 

M12 月飼い

 

 

???!?!?!??!??!?!??!?!??

 

え………

 

普通に1回目の時の記憶ない。嬉しかったのかびっくりしたのかも覚えてない。

 

かなりの衝撃だった……そこそこライブは足を運んでるけど衝撃ベスト3には余裕で入る。

 

実はtasukuさんがセッションの間、裏でずっとイントロのリフを弾いていたと後から気付いたけど、始めは全く気付かなかった。

こんなにヤバいアレンジでこの曲を持ってくるなんて……。

 

曲としては、原曲の浮遊感は若干減ってバンドサウンドが前面に出ている感じ。この曲の好きなところって、終始続く「食い違い感」なんだけど、その雰囲気はそのままで。明るいけど切なく。悲しいけど、どこかふわっとしてて、現実だけど空想みたいな。

 

アウトロのごちゃごちゃしてて気持ちがどっか別の所にトリップしそうなぐわーーーーーって迫ってくる感じが最高だった。

 

最初のサビからバーーーッと展開していくのも気持ちよかったし、こんだけ愛されてるとわかっているものを大きく崩して、今までと全く違う魅せ方をしてくるのにやられた。やられまくった。

 

この「月飼い」という曲は、シングルのカップリングにも関わらずファンからは根強い人気があって、いわゆる「隠れ名曲」みたいな扱いで、そうなっているのも本人たちは知っているはずだし、それをヘソにあえて持ってくるというのはちょっとだけ「月飼いはレアであってほしい」自分が顔を出した。

 

でも、今後全てのライブに行けるわけでもないだろうから、ツアーでこうして出し惜しみしないで聴かせてくれるっていうのは、本当にありがたい。しかもあんなにカッコいいアレンジで。

 

ポルノのライブにはほぼ必ず、転換も兼ねた大きな見せ場、通称「ヘソ」がある。

今回のヘソの基本的な演出案は十中八九、新藤晴一だろう。

ギタリストという立ち位置ゆえ、きちんと設けられたMC以外では発言しないものの、独特の世界観を持ち、ポルノの活動におけるストーリーを生み出しているのは この新藤晴一という男の存在が大きい。

そしてそのストーリーに声で色をつけているのが昭仁で、言わばポルノグラフィティは、全く別の2つの個性、2つの才能が融合したバンド。作画と原作、バクマンの亜城木夢叶、あしたのジョー高森朝雄ちばてつや、チーズがトマトを、トマトがチーズを引き立てるッ!!そんな関係なのである。

 

(ここからファンからの目線が強い余談が続きます。次の曲は ↓ マークまでスクロール)

 

今回のツアーに関して、晴一が雑誌で、これまでのライブとは少し違ったものになりそうですか?という問いかけに対して

「そうなると思います。ポルノのライブを何度か観てもらった人はわかりやすいと思うけど、今までのライブでやってきたことをもう少し延長線上で推し進めてみるものになると思う。ポルノの世界観を、より作れないかなと思っている」

という発言をしていた。なおかつ、「ツアー1本の大きさの意味を考える」とも言っていた。

 

「月飼いはいいぞ」と、ポルノのファンなら1度は周りに勧めたことがあるであろうこの曲(自分調べ)、そのせいもあってか札幌1日目に一緒に行った母と妹は「聴けてよかった~~!!」と大絶賛していた。

また、メリッサのカップリングということもあり、「このCDだけ買ったことあるから好き」という人もよく見かける。

長らくのファンからはサプライズ的に喜ばれ、そんなに大ファンというわけでもない人にもウケがいい。最高のチョイスだったと思う。

 

私はこの月飼いで今回の意図がガチッと伝わった。

おそらく、ツアー1本の意味を考えるという意味の答えの一部はここにあるだろう。

 

しかしまだまだ、「ポルノの世界観」は続いていくのであった。

 

 

↓  ↓  ↓ 

 

M13 Part time love affair

 

この曲をここで……!!シングルのカップリングなのによくぞ捻じ込んでくれたと思う。いわゆるポルノの「ダーク」な部分に突入。

 

しかし、もう中盤を超えたというのに声の調子がすこぶる良い!!

今までで一番、疲労を感じさせないパワー。そしてパワーがあるのに、滲み出る色気。

あんまり軽率にこういう言葉を使うのは好きじゃないけど本当にセクシーだった~~~~~なんだあれ。

そして昭仁のブルースハープ!!!!

久しぶりに見た……あれは良いものだ………。私大好きなんです。昭仁がハーモニカ吹いてる姿。

しかも、原曲だと合いの手で入ってるのはトランペットなんですよ。でも、自分はあんまり音源のトランペットの音が好きじゃなくて……ちょっとオッサンな音作りすぎるというか。好みではなくて。

だからこっちの方が断然好き。早くDVDほしい。

もうめっちゃくちゃカッコ良かった。これ映像に入らなかったらマジで咽び泣く(とこの時懸念していた)。今回色々と挑戦しているのでセトリどう変わるのか全く予想がつかないけどこれは変わらずであってほしい。

 

 

 

M14 Fade away

 

Part time~になった時に闇ゾーンだとは分かっていたので「なるほどな」って感じの曲順。

いやーーーーーーーこれはライブで聴けて本当に良かった曲。重厚感のある演奏と、昭仁のまさに「咽び泣く」様な歌い方が、CDでは絶対に得られないものになっていて、何回音源を聴きなおしても「ライブで聴きてぇ~~~~~!!!!!」になる。

 

今回のライブは本当に音作りが好きすぎた。Part time~のトランペット→ブルースハープへの変更もそうだけど、バンドの域を出すぎず、ポップになりすぎないけど満足感のある作りになっていて、「バンドで出せる音でどこまでできるか」っていうことを突き詰めているように感じた。ダリアが異様にカッコよく聴こえたのも多分そのせい。あのギターソロが完全にCD音源食ってた。

 

ポルノのライブって、ある程度完成されているものを観に行ってるから、ほぼ満足して毎回終わるけど、行くとやっぱり「ああCDとは違うな」って思えるのが大きい。もちろん良い意味で。歌が上手い上手いって言うけど、やっぱり生で聴いたときの声の厚みが違うから体で感じてほしいんだよな。

 

あと今回のアルバムでは、昭仁の声が格段に「おや?」と思うくらい新しい色がついていて、それが「艶」。特にこの「Fade away」では、具体的に明示されているわけではないけど「女性の歌かな?」って思わせるくらい声が色っぽくて、なのに力強くて、ぐっと芯が詰まってて折れなさそうな感じがする。だけど色っぽさっていうのは「繊細さ」にも通ずるところがあって、それがこの曲の不安感とか、目に見えない者への怯えを表しているような気がする。メチャクチャよかった。

 

 

M15 ギフト

 

テーーーンテーーーーンテーーーーーン…………という繋ぎのリフが入り、

昭「今日は、皆さんに色んな色のポルノを見てもらえたと思います!ここからは!!皆さんに!!希望の歌を届けたいと思います!!」

一気に救いのゾーンへ。MCなしのノンストップで、ああ、もう終わりに近づいているんだなと感じる。

 

ギフトは改めて名曲だなと気付かされた。ただあのクソデカ歌詞テロップはやっぱりダサい。

札幌2日目は号泣してしまった……大人になってからの方がより切なく感じる。もちろん自分が当時学生だった頃とか、今の若い子にとってもアンセムになりえる歌詞なんだけど、大人の今聴くと「まだまだやれることがあるはずなのに」と思わせてくれる。

ポルノの、こういう明るいジャンルで最も好きかもしれない。

 

晴一詞ってのが良いんだよね。最後まで「心さえ軽やかに行けたら……」って、行けない、行きたいっていうそのもどかしさ、あともう半歩!みたいな所が未完成さを醸し出していて、この自問自答感がたまらない……。

そして晴一さん、コーラスがんばって!

 

 

M17 Rainbow

 

イントロなしなのでスッと入ってくる。ライトがパステルカラーで、絵の具を水に垂らしたような淡い映像が綺麗だった。

Rainbowはなぜかまた?って思ってしまったけど最後に聴いたの2010年だった。あれ。

希望の歌って感じにしては意外と厳しいこと言ってたりするこの曲。だからあんまり聴けないのかも……。

まぁライブで聴いたらやっぱり楽しかったけどね。

 

 

 

M18 THE DAY

 

この曲が「希望の曲」としてカウントされているの、メチャクチャ熱くないですか?そこがまずカッコ良かった。そこに入れるかポルノ。熱い。

 

昭「君たちが!!!今いるその場所から、もう一歩踏み出したいと思うなら!!!今日が、今日が『その日』になるように、その1歩を踏み出せる日にしてください!!!『THE DAY』!!!!!」

 

お、岡野昭仁~~~~~~~!!!!!!!!

いやもう本当にこの前振り曲がわかっても最高すぎた。「その日」にね……グッと来ますよね……

 

この消費カロリーが高そうな曲を後半にやっても、まぁ~声の衰えないこと。今回は本当にスゲーーー!!!!ってなった。息継ぎしにくいハイトーンだよ。すごいな。

 

この曲の良かったところはなんと言っても、あのドドドヤバい間奏でしょう。ギターソロのアレンジと昭仁のかけあい。

まず晴一が通常ギターソロの部分でデレレデレレデレレ……とやり始めた時点でもう大興奮。

 

 

デレレデレレデレレデレレ………

 

デーンデーンデーンデーーーン!!!

「アァーーーーーオ!!!!!!!」

 

え?!?!?昭仁のシャウトが綺麗すぎる!!!!!!今回、こんなに「シャウト芸」みたいなのやり出したの初めてみたし、圧倒された。新たな武器を手に入れましたよ感満載で、大盤振る舞い。今までギターソロはギターソロで晴一の時間って感じだったけど、こういうのもいいな………

二人ともめちゃくちゃカッコ良くて毛穴ぶちあいた。

 

 

 

M19 ハネウマライダー

 

大興奮の所に畳み掛けられてもうハイ状態。タオルまわしましたわ。もうこの曲は、とにかく飛んで跳ねてタオルまわして叫んで、た、楽し~~~~!!!!ってなるしかない。

昭「他の誰かといや!!!ここにいる君たちと~~~~!!!!!」

これを聴くと本当に、ああ来て良かったな~~~って思う。釧路では昭仁が興奮しすぎて「触れ合った瞬間に、歯車が回るんじゃあ~~~~~!!!!!」とか言い出して、いや千鳥かよ!!になってゲラゲラ笑ってしまった。楽しいんですとにかく。

 

 

 

M20 キング&クイーン

本公演、本編のラストナンバー。

ポルノの「陽」の曲(そして作詞:岡野昭仁)の中でも、ちょっと振り切れ過ぎててけっこう好き嫌いが分かれている印象のあるこの曲。だけど、私はライブのラストナンバーとしては、ものすごく相応しい曲じゃないかと思う。

 

昭「強さとは!己自身を、何度でも信じられること!!」

 

曲の前振りでも、歌詞を引用して言っていたこの言葉のように、多分岡野昭仁という人が、こういう生き方をしてきたから書ける、そしてポルノグラフィティが、自分たちのやり方を信じてきたからこそ、この最高のライブになったんだろうし、そう思うと、ずっと続けてきてくれてありがとう、最高のステージをありがとう!!という気持ちになれた。

 

「また次の一歩を刻む いつでも挑戦者でいよう」

 

正直こんなベッタベタの歌詞は岡野昭仁でも稀ってくらいなんだけど、こんだけ売れても有名になっても、たくさんのファンがいても、なお挑戦を続ける、「最新が最高」であり続けるポルノだからこそ堂々と言える、そんな気がした。

 

明るくて開放的なメロディーが勇気づけてくれる。最後のコーラスは「もっと!もっと!」っと煽られ、会場の熱気はこれ以上ないくらいピークに達していく。「ええね!君たち最高だよ!!」

パーン!!と飛び出す特効銀テープ………な、何も書いてねぇ無地!!!!不満があるとしたらこれだけです!!!でもいい!!!最高!!!!ポルノ最高!!!!!

 

ステージ画面に大きく映った虹色の蝶。その蝶が羽ばたいて、光を放っている。その羽ばたきが、我々に小さな風を、バタフライエフェクトを起こしていく。

やがて蝶は光の粒になり、その光の粒が「BUTTERFLY EFFECT」という文字を作った。

 

 

最後のアウトロが終わり、本編が幕を閉じた。

ステージメンバーが笑顔で捌けていく。

 

 

 

程なくして、アンコールを求めるコールが響く。相変わらずアホみたいにダサいコールだな……と思いつつ、こんなに全力でアンコールを求めたのはいつぶりだろうかと思うくらい、必死でコールした。 

 

 

「アンコールありがと~~~~~~!!!!!」

メンバーがそれぞれお決まりのツアーTシャツで出てくる。

(アルバムロゴTが異様に多かった。そっちが売れてないんだなと思った)

 

昭「君らがそんなに卑猥なカタカナ3文字を連呼するけぇ………やるしかないじゃろ!!」

といういつものやつ。

 

昭「今日はいっぱい歌ったね!いっぱいウォーウォー言うたね!ワイパーもいっぱいやったね!!でもまだ、やっとらんことがあるじゃろう!!」

 

なんだ!!

 

昭「まだまだ行けますか!!!行けるんか!!!!!それじゃあ皆で!!!変な踊りいくぞ~~~~~~~!!!!!!!」

 

JOPG FM~~~~~♪

 

UN1 ミュージック・アワー

アンコでミューアワはね、気が狂うしかない。いや書くことないな……楽しいんだよ。とにかく楽しい。もうあんだけ飛んだり跳ねたりしたけど全力で踊るしかない。

釧路で「決して離さなければ」の裏声部分がどうやら出なかったらしく、無理やり地声のキーで歌い通してたのが衝撃というか、そこ地声で出るの??!?!って思った。

 

 

曲が終わり、名残惜しくもツアーの本当の終わりが近づいてくる。

昭「ここで、メンバー紹介をしたいと思います!」

全然触れていなかったが、ポルノは2人バンド故、頼れるサポートメンバーと共にツアーを回っている。多少の入れ替えはあったりするものの、いつも大体同じメンバーで、ファンからもメンバー同様に愛されているなじみ深いメンツ。

ベースの野崎森男さん、そのお兄さんでドラムの野崎真助さん、北海道出身のキーボード宗本康兵さん、今回から参加の、ギターやらその他色々やってくれるtasukuさん、そして1番の古株、マニュピレート(もうとにかく色々、裏の立役者)nang-chang。

 

昭「最後に、でっかい声で名前を呼んであげてください!オンギターーーー!!」

\はるいち~~~~~!!!/

昭「オーーーーンギターーーー!!!!」

\はるいち~~~~~!!!/

昭「ギター、新藤、はーるいち~~~~~~~!!!!!!」

 

晴「……わしらも長いことやってきて、デビューしたての頃は、周りが可能性に満ちていた。可能性の大地……みたいなとこに立っとったわけで。それが今はもう、だいぶ端の方まで来てしまっている。例えるならこう……スタートが函館で、今は納沙布岬まで来てしまっとって、ロシア見えるかの~?みたいな…(非常にわかりやすい)。でもね、そこから、どう進むか、まだまだやれることがあるんじゃないかって考える。そういうこともまだまだ考えながら、これからもやって行きたいと思います!!」

 

晴「最後に~、ボーカルのことも呼んでやってくださ~い。ボーカルは~?」

\あきひと~~~~~~~!!!!/

晴「ボーカルは~~~~」

\あきひと~~~~~~~!!!!!!/

晴「ボーカル~、おかの~、あきひとく~~~ん!」 ←これすき

昭「ありがとうございますっ!!!!!!」

 

昭「最後!!みなさん!!アホになって帰りましょう!!!ジ!レンマ~~~~~!!!!!」

 

UN2 ジレンマ

ラスト1曲はお決まり中のお決まり、ジレンマ…だが…

ヤバいジレンマなんてそうそう聴けないのに釧路のジレンマヤバかった。

「教えてあげませーーーーーーん!!!!」のところがまさかの「教えて、あげませェェェェェェァ!!!!!!」みたいな、高音シャウトでぶちかましてきた。何?!その余力?!あんなん初めて聴いた。最後の最後まで、見せつけてくるわ……

ソロ回しもみんなメチャクチャカッコ良かった!!!!nang-changが客席に電子テルミン?みたいなのを弾かせてたのは羨ましかった。笑 そしてそれを見てがっつり下ネタを言う岡野昭仁。ここでは自粛します。ジレンマはもう大体なんでもあり。

ギター2本でガンガンやりあうのカッコ良かったわ~~~tasukuさんまた来てほしい。

晴一は札幌からソロ時に背ギターを披露。盛り上げるね!!

あとは、跳んで叫んで歌って、汗だくになりました。

 

曲が終わって最後の最後、フィナーレの花火のように打ち鳴らす演奏と共に、昭仁が叫ぶ。

 

昭「あんたらは!!!!!!最高じゃ!!!!!!!ほんまにほんまに!!!!!!!!最高じゃ!!!!!!!!」

 

昭「自信持っていけ~~~!!!!!!!!胸張っていけ~~~!!!!!!!!」

 

この「自信持っていけ  胸張っていけ」は、昭仁が必ず、ライブの最後に送ってくれるエール。

これを聞くと、私は生きていることを丸ごと肯定されているかのような、非常にポジティブな、前向きな気持ちになれるのだ。

 

ポルノのライブは、本当に色々な曲、色々なカラーがある。

 

だけど最後には、こうして誰もが勇気と自信を持って、幸せな気持ちになれる。そういう場所だと思っている。

 

☆最後の生声挨拶

釧路

晴「15年も待たせて、ごめんね~~~!!またすぐ来るからね~~~!!」

昭「15年前と、そんなに変わってないんだぞ!って感じで!張り切ってやりました~~~!!また来るから、遊びに来てねーーー!!!」

 

札幌①

晴「雪の上は、こう、上から一歩一歩踏みしめて……(なぜか雪の上の歩行レクチャー)…(笑)。すべるけぇ気を付けるんじゃー!また来るけぇね!」

昭「(晴一が)言うように、滑るけぇ!気を付けて帰りよ~~!!」

 

札幌②

晴「また、ちょくちょく来ます。(すまし顔)

昭「少し早いけどー!!札幌に来るのは今年最後ということで。今年も1年ありがとう!!!また来年も、がんばりまーーーす!!!」

 

一応ここまでが、ライブの感想となります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。ライブに行った人には、少しでも共感、そして、行っていない、そもそもファンじゃない人には、少しでもこんなに楽しいんだぞ!っていうのが伝わればと思います。

 

セットリストをまとめておきます。

M1  夜間飛行

M2  Montage

M3  真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

M4  ワールド☆サタデーグラフティー

M5  ダリア

M6  ネオメロドラマティック

M7  メリッサ

M8  Working men blues

M9  170828-29

M10 君の愛読書がケルアックだった件

M11 クリスマスのHide & Seek

M12 カゲボウシ

M13 月飼い

M14 Part time love affair

M15 Fade away

M16 ギフト

M17 Rainbow

M18 THE DAY

M19 ハネウマライダー

M20 キング&クイーン

 

EN1 ミュージック・アワー

EN2 ジレンマ

 

 

以下は、私がファンとして今回のライブに感じたことです。お時間があれば。

 

 

☆ライブを見終えて

今回は3公演(下書きを書いた時点で)観終わったあとで確信したことがあって、それは「今までのライブと確実に何かが違うぞ」ということ。

 

始めは、何がどう違うのか、具体的に表現することができなくて、でも絶対今までと同じ「あー楽しかった!」だけでは終われないことは確かだった。

 

もちろん今まで行ったライブは全部楽しかったし、プロのクオリティを聴かせてもらっているから文句とかは無く、毎回来てよかったと思ってるってのは前提としてあるんだけど。単純な楽しさというよりも、「なんか、ヤバいもん見たな」っていう得体の知れない感情があった。

 

まず今回のライブには「無駄が無いな」と思った。全く無かった。皆無。全公演なかった。あっという間に終わったかって言われるとそうでもなくて、なんていうか、めっちゃぎっしりしたハンバーグを食べてるのに飽きないみたいな。ポルノグラフィティという元々めちゃくちゃ美味しいハンバーグに、ここチーズ乗ってる!とかここおろしポン酢でスッキリ!サラダもある!やっぱデミグラスだよね!みたいな。飽きの来ない工夫が随所にされている感じ。

 

しかもそれが、チョコ乗せちゃお!みたいなものすごく奇をてらった物ではなく、今までのポルノでも十分やりそうなことではあったんだよ。映像とか詞とか、弾き語りじゃないけどアコースティックセッションとかはやってたし。

それがもっと、よりこっちの興味を引き出す仕掛けが散りばめられているように感じられて。

 

それに、ほんとにものすごく偉そうな言い方をすると、サウンド面での工夫のされ方がすごくて。バンドの音でどこまでできるか、そして今までの曲と今の曲、そのバランスをどう取るか。

 

サウンドっていうのは、楽器だけじゃなくて、ボーカルも含めて。

雑誌のインタビューで本人も散々言っていたように、特に昭仁は、えっ?!ってくらいの気合いとレベルアップを感じた。ファン心理からすると、昭仁レベルのボーカリストに対して「レベルアップ」なんて言い方はおこがましいにも程があるけど、声が枯れない(しかも絶好調のまま)とか、抜きの表現とか、ロングトーンとか、シャウトの多用とか、「レベルアップしてきたよ、どう?」って見せられたら、「本当にすごい」としか思えなかった。

 

あえて一人の時間を設けて、おまけにトークタイムまでついて、「ホールが昭仁の出す音だけに包まれる空間を作る」ってことが本当に考えられていて、それだけの自信と誇りを持って出してきたんだなと。手拍子が起こらない曲をチョイスしたのも、「声」の話をすることで「聴く」ことにシフトさせることも、今考えれば意図的だったんだと思うし、そしてそれは次のコーナーに惹き込むための階段でもあったわけで。

 

打って変わってダークで詩的な世界観が広がって、「あ、これは晴一の時間なんだ」って、ファンなら一瞬でわかるあの感じ。

昭仁がいなくなっても疑問は抱かなかった。あれは完全に新藤晴一が支配していたところに連れていかれたから。

そして月飼いが始まって、ポルノグラフィティに戻る。2人が揃ってポルノグラフィティ

しかも月飼いというチョイスに、もう裏切られた気持ちにすらなる。ここまで見て、「つまんないな」って思える人なかなかいないと思う。

 

このコーナーに苦言とも言えるまでの不満を抱いているファンの人もちらほら見かけた。

だけど私は逆に、これは「ポルノグラフィティであるために必要な時間」だったと思っていたので、特に気にはならなかったのが本音。

ものすごく現実的なことを言ってしまえば、体力的にもう若年というくくりから抜けた以上、お互い適度な休憩にもなっていたんだと思うし、それを挟むことでまた気力体力が満ちたパフォーマンスができるならそれでいいじゃないかとも思う。いや今後のツアーで全く同じことをやられたらさすがにあれだけど。

ただ、私はこれは意図的に設けられていた時間だと思ったし、「見てくれ!」というパワーを感じた。

ポルノグラフィティの世界観をメインとして作るのが晴一。それを声で表現し続ける昭仁。

その二人が、お互いの武器で勝負をしかけてきたあとに、融合して更に進化する。ニクい仕掛けだなと思った。

 

終わってみれば、本当にセットリストも前半ですら変更の余地がないくらいに感じられて、でもツアーの中で変化していくことを感じさせるような。

意表を突くバラード始まり。「ラテン抜き」という挑戦。新旧織り交ぜて、昔の曲も今の曲も、全部いいと思えるような、新しい顔をのぞかせつつ、広く認知されている曲はさらにクオリティを高く。

 

これはポルノグラフィティの進化だ。素直にそう思った。

 

だけど晴一はラジオで「(セットリストを)どんどん良くしていく」とは言っていたけど、おそらくそれは「最初だから悪い」って意味ではもちろんなくて、「最初から良いけど」って意味だと思う。

こんなに、好きになった頃のように夢中になれた生活の中心まで心を戻してくれたライブを観れたのは初めてだし、本当に深い海から顔を出して久しぶりに太陽を見た、息をした、酸素を肺に入れた、みたいな気持ちになった。

そんな衝撃と感動が今回のライブにはあった。

それを確かめるために、後半のライブに行かなきゃいけないと強く感じる(行きました)。

 

ありがとう、ポルノグラフィティ

 

最後の最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。

 

 

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