【理由あって】『アイドルマスターSideM』と担当アイドルに出会った話【アイマス!】

315プロダクションのプロデューサーになってからちょうど半年経ったので、アイドルマスターSideMに出会い、”担当”という存在を見つけるまでの話を記しておく。

【目次】

理由あって、鑑賞会

”アイドル”のライブ初体験

モニターで  初めて気付く  歌詞の良さ

炎の輝き 

THIS IS IT! 

担当ってなんだろう

 

 

【理由あって、鑑賞会】

私が初めて『SideM』の世界に足を踏み入れたのは、ゲームでも楽曲でもなく、声優さんのライブ映像からだった。

昨年9月頃、コロナ禍で遠征もできず、直接人と話す機会が減る中、元々テニミュを通じて親しくなったある1人のフォロワーさんと通話していた。その時に、「今度、お互いの好きな物のDVDとか見せ合いたいね」という話を提案された。その彼女が教えてくれたのが、『SideM』だった。私はポルノグラフィティのDVDを見てもらうことにして、後日鑑賞会を開催する運びとなった。

 

この時まで私は、『SideM』はおろか『アイドルマスター』シリーズのことは、タイトル以外ほとんど知らなかった。更に、アイマスのライブは主に声優さんが出るという話だったが、私はアニメ作品はたまに見るけど、声優さんには全く詳しくないし、生身のステージにほとんど興味を持って見ることもないタイプだった。テニミュが好きで、どちらかというと俳優さんが演じる舞台の方をよく見ており、積極的に声優さんが露出するステージは見に行こうとも思わない方だ。

その傾向を知っていた彼女からは、事前に声優さんのステージでも大丈夫かと聞かれたが、テニフェス(テニプリの声優さんのライブ)には一度だけ行ったことがあるので、まあ見れるだろうと思った。自分が苦手だからというより、フォロワーさんがなぜこのコンテンツにハマっているのか?どこに惹かれたのか?どんなところが魅力なのか?それを見てみたいという興味の方が強かった。

 

【”アイドル”のライブ初体験】

鑑賞会は、直接会うことができないので、お互いにテレビやパソコン画面をスマホに映して映像を見せるというフィジカル戦法で開催した。

彼女が見せてくれたのは、THE IDOLM@STER SideM 4th STAGE ~TRE@SURE GATE~ DAY1』だった。これが、私の初めての『SideM』というコンテンツとの邂逅となる。

なぜフォロワーさんがド初心者の私に見せる円盤をこれにしたのかというと、彼女は”THE 虎牙道”のPだったので、「とにかく担当ユニットがカッコいいやつから選抜した」とのことだったので、了解した私はとりあえずそのTHE 虎牙道のことを注目して見てみることにした。

一応、事前にキャラクターの一覧を見て「ちょっと興味が沸くな」という人をリストアップしたりしていたのだけど、いざ始まってみると、声優さんたちはキャラクターと同じ衣装を模したものを着ているが、いわゆる2.5次元のようにそっくりそのまま演じているわけではないので、このツアーの特徴でもある”ユニット越境”のシステムもあり、誰がどこのユニットのどの人なんだ?!というのが初心者にはイマイチわからなかった。なので、個人的に別の画面でキャラ表を見ながら照らし合わせるという方式で見ていくことにした。

 

この回はとにかく……初めて見るものばかりでカルチャーショックがすごかった。そもそも私は、リアルでも二次元でも”アイドル”という存在にあまり馴染みがなく、これが初めて”アイドル”というジャンルに触れたに近しい経験だった。だけど、それも含めて、単刀直入にステージが面白かった。

正直、見る前は「やっぱり最近の声優さんは歌って踊れないといけなくて、ある程度の見た目偏差値も求められて大変だなぁ~」という先入観があった。だけど、そんなことが気にならないくらい、衣装もステージ演出も凝っていて、何より想像以上に声優さんそれぞれの技量と熱量がすごくて、そのおかげで没頭して見れたというのが大きかったかもしれない。

S.E.Mの硲道夫さんの人がめちゃくちゃキャラクターに似てるよ」と言われてキャラ表を見たら本当に似ていたことに大ウケしてしまい、この時に硲先生(伊東健人さん)のことはすぐに覚えた。更に、ここまでできるの?!という虎牙道のアクションに驚き、神速一魂の逆光演出に大喜びし、『笑顔の祭りにゃ、福来る』では多幸感でいっぱいになった。事前に注目していた神楽麗さんと卯月巻緒くんが出ている『Sugaring Off Party!』の可愛らしさには度肝を抜かれ、しばらく曲が頭から離れなくなった。

 

【モニターで 初めて気付く 歌詞の良さ】

 前回から3週間後に開催した2回目の鑑賞会。この日見たのはTHE IDOLM@STER SideM 3rdLIVE TOUR ~GLORIOUS ST@GE!~』(通称3rdライブ)の福岡公演だった。

この3rdライブは、セットリストの組み方もとっつきやすくてとても見やすかった。アガる曲、聴かせる曲の使い分け、ソロ~ユニット曲という流れも良かったし、各公演でユニットを絞っているというのもあり、前回より更にノリノリで見ることができた。

しかし、この日初見だったもふもふえんのパフォーマンスは……かなり衝撃的だった。全員が小学生の元子役という設定のユニットを、ゴリゴリの成人男性が演じる姿、そしてその見事な声帯に脳がバグりまくり、終始「??????」となった。

あと、注目していたCafé Paradeが揃って見れたのも嬉しかった。個人的に『Reversed Masquerade』が超~~~~好みな曲だったのでテンションが上がった。アスランもかなり気になっていたので、巻緒くんもいるし好きなユニットはカフェパレかなぁ~というくらいの気持ちになっていた。

そんな中、北村想くんのソロ曲『Flowing Freedom』が始まった。後ろのモニターに歌詞が映し出される演出だったおかげで、歌詞を見ながら曲を聴けたのだが、

そんな薄ら笑いじゃ全て透けて見えるよね

「裏書きの滲む面でお持て成し」っていうなら

君の本音は何処にあるんだい?

…… アイドルの……アイドルの曲だよな??と、いきなりビンタされて呆けたような気持ちになるほど、私はこの曲の歌詞がめちゃくちゃ自分に刺さってしまい、かなり動揺した。動揺しつつも通話しながら「めっちゃ……良い曲だね……」と言ったが、正直半分泣いていた。

「SideMの曲は歌詞がいいんだよ、って初見の人にそこまで伝えるのは難しい」と先輩Pは言っていたものの、「なるほどな、これはちゃんと曲を知ればもっと楽しいかもしれない…」と改めて曲への興味が湧いてきた回だった。硲先生は相変わらず硲先生に似てて面白かった。

 

【炎の輝き】

10月になり、いよいよ鑑賞会も3回目を迎える。この回は3rdライブの仙台1日目を見せてもらい、F-LAGSHigh×Jokerが初めましてだった。この公演では、若さとフィジカル(物理)が大爆発!という感じでまた新鮮だった。牙崎くんソロ→タケルくんソロ→『情熱…FIGHTER』の流れで最終的に虎牙道が何かに勝ったのもメチャクチャ良かったし、やっぱり惜しみなくアクションを披露してくれるのがカッコいいなと思った。

3回目にもなると、それぞれのユニットの特色などが段々と見えてきて、各プロデューサーやファンの人がユニットのどんなところが好きなのかというのを探すことが楽しくなっていた。

先輩Pが虎牙道のことを、「応援してくれたり寄り添ってくれる曲やアイドルの方が多いし、それがSideMのいいところだけど、虎牙道は寄り添わない。こっちが勝手についていってるだけ「綺麗な火柱を見ていたら、いつの間にか引火してましたみたいな感じ」と言っていたのが印象に残っている。

これは私にも身に覚えがある気持ちだった。私にとってのポルノグラフィティが正にそういう存在だからだ。カッコいいと思うことに理由なんていらない。応援されたいわけでも寄り添ってほしいわけでもなく、ただただ自分を魅了する。虎牙道はそういうパワーがあると言わしめる存在なんだと言われた時、なるほど、アイドルにも色々な姿があるのだなぁと実感した。もちろん、わかりやすく人の心を救ってくれる存在となっているアイドルも、みんな素敵だ。それぞれのユニットに違ったアピールポイントがあって、そのどれもが優しく、熱く、キラキラと眩しく輝いている。そんな印象だった。

 

ここまで見てきて、だいぶSideMというコンテンツの雰囲気はわかったものの、肝心のアイドルそれぞれに関して全然知らないままなことに気づいた。あんまり見た目だけで好きなキャラとか決められないタイプだし、まだわかんないなぁ、やっぱりゲーム始めようかな、でもソシャゲってあんまり熱中できないんだよなぁ……と思っていたところに、なんと図ったかのように『アニメ アイドルマスターSideM』が無料放送されることが判明。

もちろん、私は毎週見ることに決めた。それが、一つの出会いに辿り着く道だった。

 

THIS IS IT!】

10月末から始まった、毎週数話ごとの無料放送。本編の前日譚である『Episode of Jupiter』から始まり、1話を見た。マジで、心の底から本気で面白いと思った。こんなに心惹かれるアニメは久しぶりに見た。テンポのいいシーン構成、心情と背景のさりげないクロス、キャラクターの細やかな表情と仕草のひとつひとつが、繊細で丁寧で、魅了された。輝がJupiterのライブを初めて見る時のブワッ!!って風が吹くシーンで既に泣きそうになった。

そして、そのまま2話の視聴へと続く。

第2話は、所属アイドルの宣材写真を撮ろうという回で、簡単なユニットの紹介も兼ねている内容だった。先のライブ映像でも個人的に面白がっていたS.E.Mの硲先生も登場し、先生だ~!と楽しんで見ていた。

各ユニットが個性を活かした宣材写真について考えを巡らす中、S.E.Mも誰かの家で作戦会議を開いている。

そんなシーンの中、私の心に妙に残る台詞を発した人がいた。

 

『Yes!もっとpositive & only oneな存在に見えるとgood!』

 

……なんだ?!今の台詞は?!?!

やけにハイテンションなエセ外国人風の喋り方……この金髪の子が、まいたる?!舞田君……へぇ~こんな感じの子だったのか……硲先生しか見てなかった……元英語教師……だからってルー語のキャラ付け?ノリ軽……てか他2人に比べて若くない?なんで組むことになったんだろう……

なんか………妙に気になる子だな……。

確実にライブでも見ていたはずなのだけど、S.E.Mの時は硲先生に気を取られていたのか、あまり意識の中にいなかったのかわからないが、ここでいきなり『舞田類』という存在が気になり始めた。まいたるくん、妙に気になるな……と数日に渡って考えていたが、特にその理由はわからず仕舞いのまま、運命の一挙放送2回目がやってくる。

アニメ アイドルマスターSideM 第5話 『先生よ、大志を抱け!』

この回のメインユニットは、そのS.E.M。全員が元教師アイドルである3人が、予備校で開催されるライブに参加するために新曲を披露することになり、一生懸命奮闘する話だ。

3人の深い関係性から、難しいダンスを習得するまでの努力、トラブルと葛藤、そしてメンバーの3分の2が、アイドルとしては決して若いとは言い難い年齢ながらも、この業界に飛び込んだ理由と情熱……。

何も知らないながらに、すごくいいユニットだと思った。始まる前から「みんな大好きS.E.M回」というコメントも目立っていたが、なるほど、S.E.Mはきっと、飛び道具的な感じの愛されポジションなんだなぁ~そりゃ好きだわと思っていた。この時は。

そしていよいよ、彼らの新曲である『Study Equal Magic!』を生徒の前で披露する。

実は、今まで開催された鑑賞会では、S.E.Mのことも何回か見ていたが、偶然にもこの『S=M』をまだ見たことがなかった。なので、私もこの曲を、アニメで初めて見ることになったのだ。

この曲がわかる人には想像がつくかと思うが、かなり驚いた。ピチピチの宇宙人のようなコスチュームに、ハイテンポでキャッチーな曲に合わせた、一見奇妙にすら見えるコミカルな振り付け。それを全力でやる大人アイドル。テレビサイズをほぼフルで流すという気合いの入ったアニメの演出により、そのインパクトは絶大だった。

始めはクスクス笑っていた生徒も、興味のなさそうな先生も、いい歳をした彼らの恥ずかしくなるほどの真っ直ぐすぎる情熱に、次第に夢中になっていく様子が描かれる。

ああ……S.E.Mって………S.E.Mって、なんか、いいかも……と、私は既に、自分でもよく理解できない謎の感動を覚えていた。まだこの3人のことを、たくさん知っているわけではない。なのにどうしてこんなに胸を打たれるんだろう、どうして…。

曲が終わり、話はエンディングへと向かう。3人の姿を見て泣いてしまった隼人くんの、触発された事務所のみんなの気持ちが、私にも痛いほどわかった。S.E.Mは面白くて、真面目で、ちょっとヘンテコで、全力で、カッコ良かった。

何かを始めるのに遅すぎることなんてない。それを自ら体現している彼らは、すごいアイドルだと思った。

エンディングテーマの『From Teacher To Future』が始まった。 はぁ~、すごい、すごいぞSideM……と感動してボーっと画面を見ていたその時、

キミハデキル!ナンダッテデキル!

キミハナレル!ナンニダッテナレル!

この歌詞を聴いた瞬間、持ち堪えたはずの涙腺から、突然ボロボロ!と涙がこぼれた。

あまりに突然だったので、自分でも何が起こったのか最初は把握できなかった。だけど、涙は止まらなかった。ポロポロ、ポロポロと流れる涙を拭うこともできないまま、映像を見ていた。

From Idol!

楽しんでほしい

この瞬間を、明日も頑張る君に贈ろう

Your Future!

学んだらきっと気付くだろう

無限に答えがあることに

そのAnswerを全身全霊で 応援したい…Your Star!

ライブの成功を祝して、改めて山下家で乾杯をし、そのまま眠ってしまう3人。

あ〜私……これ、もうダメだ、S.E.Mが好きだな。

ほぼ確信に近い気持ちを抱いて、私の新たなSideMへの向き合い方が生まれた。

S.E.Mのことがもっと知りたい。舞田類くんにもっと近づきたい。ここでようやく、『好きなアイドルユニット』が明確に誕生した。ありがとう、アニメ5話。

余談だが、私は教師にはならなかったが、教員免許を取得している。そういう意味でも、S.E.Mに出会えたことは運命なのではないかと感じることがある。

 

【担当ってなんだろう】

11月の終わり頃、毎週楽しみにしていたアニメ放送も終わり、最終話を見届けた後、私はすぐにモバエムとエムステを始めた。ようやく、プロデューサーとして、315プロダクションに入社する気持ちを固めたのだ。

しかしながら、私はある疑問を抱いていた。

”担当”ってなんだろう?

”プロデュースする”ってなんだろう。

「好きなキャラ」や「一番応援しているキャラ」ならわかりやすい。でも、それとはなんとなく違うんだろうなと思っていた。確かに、一番気になるのはS.E.Mとまいたるくんだけど、彼らをプロデュースするって、どんな心持ちでいればいいんだろ?

そんな疑問が晴れたのが、エムステで舞田類のカードチェンジ台詞を見た時だった。

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えっ……え?!まいたるくん、君、自分のことそんな風に思っていたの?そんな……私は君の、そのありのままの雰囲気に惹かれたんだよ、それがキミの魅力じゃないか……!!と動揺すると共に、彼の内なる気持ちにもっと触れたいと思った。

彼をもっと輝かせたい。この素敵なアイドルをたくさんの人に、伝えたい…!!!

私……一緒に仕事する!!プロデュースする!!!と、P人格が芽生えたきっかけとなった演出だった。この階段を登ってステージに躍り出ていく演出本当に好きだ…。

また、更にP人格のイメージを強めたのが、ゲームでのライブクリア後にスコアSSを取った際のまいたるの台詞だった。

「Fabulous!プロデューサーちゃん、Hugしようよ♪」

いいよ~~~!

そう、Hugしようよ!と言われて、「いいよ!舞田!おいで!」と返せるな、ということに気付いたのだ。(ここに辿り着くまでに2ヶ月かかった。)

私は好きであればあるほど近づけなくなるタイプの面倒なオタクなので、これが単に”ファン”とか”好きなキャラ”なら無理無理無理!!!となってしまうだろう。

だが、彼は共に仕事をしていく仲間だ。なんなら道夫さんとも次郎とも私はHugできる。共に健闘を称えあい、次の仕事へ向かおうではないか。それがプロデューサーなのだから。こんな向き合い方をする存在は初めてなので、かなり新鮮な気持ちになったが、楽しいなぁこれ、SideM楽しい!!と没頭していくことができた。

 

こうして、私は現在までずっとSideMの魅力に憑りつかれている。ゲームの過去イベストを少しずつ読むたびに、315プロのみんな、担当のS.E.M、そして舞田類というアイドルに魅了され続けてしまっている。舞田類のことについて書くと膨大な量になってしまうのでここでは省略するが、彼は不思議な人なんだ、本当に……。

先輩Pに3rd静岡も見せてもらったし、プロミ2019の配信も全部見たし、幕張とアニメ一挙も見た。そしてプロミ2021は配信で参加した。(感想はこちら)

普段は他のジャンルに滅多にハマることのない私だけど、もう止められん!!と思って職場の最寄りのTSUTAYAでCDもガンガンに借りまくった。NSEもちょうどS.E.Mが発売されたから買った。

すっかり声優さんのライブにも慣れ、3rd幕張の円盤も買って2日目の舞田ソロも見たし、セカライも買ってサマホリでめちゃくちゃになった。私は途中まで、SideMのステージはとても楽しいけど、声優さん自身はアイドルというわけではないし、2.5次元のように完全に役者として演じているわけでもないし、結局どういうスタンスで見るのが正解なんだろうか?と思っていた。だけどそこに正解っていうのは無くて、「アイドルが降りてきて重なって見える瞬間がある」と感じたポイントが人によって違っていいのだ、と思うことにしている。そう思わせてくれるほどのパワーと煌めきが、ステージに詰まっていることを知ったのだ。

SideMは、本当に触れるものが全部あたたかくて、優しくて、キラキラしている。事務所のみ~んなのことが愛しくて、大好きになれる。今になって初めてアイドルコンテンツに触れたけど、今更かもしれないけど、SideMに出逢えてよかったと心から思う。この世界に導いてくれた先輩Pには本当に頭が上がらない。ありがとう。

夏には6thツアーが開催されることが決定した。しかも、地元北海道を皮切りに……!!行きます。絶対行きます。本当に楽しみだ!!

これからも、SideMが息の長いコンテンツとして一緒に歩んで行けるよう、プロデュース業がんばります。Thanks a lot!SideM!